レコーディングエンジニアの年収と本音【第12回】

年収を上げたい        2016年10月27日

(この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。)


  • 音楽を取り巻く職業はミュージシャンだけではありません。楽曲の音源を制作するときに欠かせないポジションがレコーディングエンジニアです。

    彼らは、どのような仕事で、どれくらいの収入を得ているのでしょうか。今回は、レコーディングエンジニアについてご紹介します。

    レコーディングエンジニアになるには?給与は?

    多くの場合、レコーディングエンジニアになるには音楽の専門学校を卒業後、レコーディングスタジオやレコード制作会社に入社します。まずは、現場で下積みをしながら技術を磨き、一人前のレコーディングエンジニアを目指すのが自然な流れです。

    アシスタント的なポジションでは、正社員や契約社員の初任給は月収15万円程度が相場となっています。ほとんどは荷物運びやレコーディングのセッティングなどの雑務から始まるようですが、次第に楽曲のレコーディングやミックス、マスタリングといった作業に携わります。

    メジャーアーティストを担当するようなレコーディングエンジニアになると、収入は大きく増えます。大手の場合は年収600~800万円前後で働く人が多く、稼げる職業になるようです。また、フリーのレコーディングエンジニアになった場合、1日あたり10万円以上の日給になることも少なくありません。

    音楽業界が不況の昨今ですが、実力やタイミング次第ではまだまだ稼げる職業です。

    レコーディングエンジニアの厳しさ

    一見すると、レコーディングエンジニアは華のある職業に見えます。しかし、そこで働く人たちには厳しい現実もあるようです。

    大きな理由のひとつとして、仕事する時間帯は夜や深夜が中心になる人が多いと言います。納期もあるため、徹夜での作業も少なくありません。土日祝日もなくなってしまい、レコーディングのために多大な時間を費やす人が多いのが実情です。

    目に見えないものを作るため、制作者との意見の対立も少なくありません。コミュニケーションが円滑に進まないことで大きなストレスを抱えることもあると言います。

    元・レコーディングエンジニアの声を聞くと、「モノよりも人に関わる時間のほうがつらかった」という声を聞くほど大変のようです。

    レコーディングエンジニアの将来性

    恐らく、レコーディングエンジニアを目指す人は、「自分の好きな音楽を世に広めたい」「音楽が好きだから関係する仕事に就きたい」と考えていると思います。

    しかし、世の中は音楽不況です。不安に思うレコーディングエンジニアもいるかもしれません。そこで、業界の未来についての意見を調べてみました。

    まず、ミックスやマスタリング作業は、オートメーションでもある程度のレベルの作品ができる時代です。一定の法則に基づいてミックス作業をする分だけなら、もはやレコーディングエンジニアの仕事は録音のためのセッティングや進行管理だけになってしまいます。

    レコーディングをしてキレイにまとめるだけという意味では、職業自体が機械に取って代わられるかもしれません。

    「機械に取られてしまう」という意味では、レコーディングエンジニアの将来性は暗いと感じる方もいると思います。しかし、レコーディングに大切なことはミュージシャンとのコミュニケーション、そしてエンジニアによる味付けです。数値的によいものを作ることと、人間の感性にハマるものは別、ということも少なくありません。

    機械でハイクオリティなミックスができる時代だからこそ、エンジニアの個性が問われるはずです。

    音楽業界を盛り上げるレコーディングエンジニア

    今の時代、レコーディングの予算は縮小する一方です。かつてのような音楽バブルは期待できませんが、レコーディングエンジニア次第では少ない予算で良い作品は作れます。

    一介のリスナーである私からしますと、音楽不況だからこそアーティストは独自性のある音楽をレコーディングエンジニアと二人三脚で作り、リスナーを驚かせる作品を出してほしいと感じています。

    「あっ」と驚く作品のために、レコーディングエンジニアへの期待も大きいです。

    (文/安藤悟・エストリンクス

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    安藤悟
    1987年、静岡県出身・在住。株式会社エストリンクス代表取締役社長/静岡のローカルWEBマガジン「miteco」( http://miteco.jp/ )編集者。10年以上ロックバンド活動を続けている。愛聴するジャンルはシューゲイザー、ポストロック、激情ハードコアなど。主に、音楽とお金についての話題を執筆する。

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