(右から2番目が私。ちなみに、一番左が弊社の営業部部長、一番右は専務)
私はベンチャーIT企業の代表取締役をしながら、バンド活動をしています……と、説明するとイケイケに聞こえるかもしれませんが、ちょっと音楽ヲタクっぽい楽曲だから、周りから評価されないと思っています(泣)。しかし、「人気のバンドと肩を並べたい!」という気持ちはあるので、『ロッキン・オン・ジャパン』に掲載されるまでの道のりを調べてみました。
大学時代の挫折、そして、現在
現在、私はhiyorimiというロックバンドをやっています。パートはギター&ボーカルです。名刺にも、「会社でもロックバンドでも、静岡のトップランナーを目指します」と宣言している通り、会社経営をしながら、実はガツガツとロックバンド活動を続けています。
ただ、取引先のお客様から「どんなジャンルですか?」と聞かれると、毎回困ってしまい、とりあえず「パンクっぽい音楽です」と答えています(まぁ、名刺に書くから悪いのですが)。ここでは、音楽通の方に読んでいただくことを期待し、ポストロック、エモ、シューゲイザー、激情ハードコア……と、マニアックなジャンルを挙げて説明します。
大学時代にやっていた別のバンドでは、海外のコンピレーション参加のお声がかかったこともあったので、「もしかしたら、将来はプロになれるのでは?」と、夢を見ていました。しかし、そんな幻想は見事に打ち砕かれ、社会人になり、一介のライターとして活動しているわけです。
「売れるバンド」になるために広告費と営業力が必要不可欠!
前置きが長くなってしまいましたが、海外進出しても、ロックバンドではメシが食えないわけです。では、売れるバンドになるには、一体どんな条件を満たす必要があるのでしょうか?例えば……
いい曲?
いい歌詞?
いい音?
演奏力?
ルックス?
キャラクター?
ライブパフォーマンス?
経験上、すべて一定レベル以上は求められると思います。あくまでも、音楽やライブを商品としているので、どれかひとつでも致命的に欠けてしまうと不利になるからです。例えば、「ブサイクでも売れた」という場合、それを補って余りある何かを持っています。
バンドは多くの人に聴いてもらわなければいけません。
多くの人に訴求するなら、やはり広告が一番。広告費をかけてチラシを配布したり雑誌へ出稿したりすることで、さまざまなリスナーに聴いてもらえる環境を整えることが大切です。
ほかにも、CDショップや一般企業に頭を下げ、店頭への面出しやCMタイアップの獲得に努めることも効果的。このように、営業力があると露出度も増えるので、さらに売上アップが見込めるはずです。
例えば、「店頭にPOPがあるだけでも売上が1.8倍になるケースがある」という意見も。営業力を身に付け、「プッシュしてもらえるバンドになる」という努力をするだけでも、きっとCDの売上は大きく変わります。
つまり、バンドに必要なのは広告費と営業力だと言えます。戦略的にバンド経営を考え、多くのリスナーの耳に届けることができれば成功は間違いありません。
『ロッキン・オン・ジャパン』への掲載は550,000円!
さて、音楽雑誌へ出稿するにはいくらくらい必要なのでしょうか。今回は、『ロッキン・オン・ジャパン』を例にとって考えてみたいと思います。
スーパーカーやNumber Girlを聴いて育った私にとって、『ロッキン・オン・ジャパン』への掲載は一つの目標であり、憧れです。また、「ロキノン系」という言葉もあるくらいなので、流行っているバンドかどうか、指標の一つにはなるはず。ここに掲載されれば、「売れたバンド」感を演出することができると思います。
音楽雑誌に限らず、雑誌は広告枠が存在し、音楽レーベル側がお金を払って広告出稿をしています。だから、たくさんお金があれば、『ロッキン・オン・ジャパン』に自分のバンドの情報を掲載できるのです。
実際に『ロッキン・オン・ジャパン』への掲載価格を調べてみると……
オフセット |
定価 |
サイズ |
表四4色1P |
1,320,000円 |
224×163 |
表二4色1P |
1,045,000円 |
240×173 |
表三4色1P |
935,000円 |
240×173 |
本文4色1P |
825,000円 |
240×173 |
本文1色1P |
550,000円 |
240×173 |
なるほど。
黒1色でよければ550,000円から出稿できるようです。もし、もう少しお金をかける余裕があれば、825,000円でカラーにできます。バンドの写真を掲載するなら、白黒よりもフルカラーのほうがよいかもしれません。
ちなみに、『ロッキン・オン・ジャパン』の発行部数は40万部。単純に40万人の目に留まるだけでもスゴイことですが、一般リスナーはもちろん、新たなスターを探している音楽関係者も少なくありません。
どうでしょう。
何となく、バンドが売れそうな気がしませんか?
バンド経営をするなら夢よりもお金!
今回紹介した内容は、一切夢がない話に聞こえるかもしれません。しかし、『ロッキン・オン・ジャパン』に掲載されたとしたら、「売れたバンド」というイメージを世間一般に与えることができるので、目標達成です。これで、私のバンドも「売れた」という印象を与えられるでしょう。
やはり、ある程度広告費をかけてでも、自分たちのバンドを上手にブランディングしたものが勝つのです。「この勢いで、会社で稼いだお金で表紙に広告出稿するぞ」と思い、改めて料金表を見直していたところ……
ない!
表紙の料金がない!
やはり、雑誌の表紙はお金で買えないようです。本当にスターと呼ばれる人たちだけが、表紙掲載を許されるということでしょうか。表紙を飾りたいなら、地道な努力が大切なようです……。