投資信託で儲けが出たら、その分の税金はどうなるのでしょうか?見落としがちな部分ですが、知らないと損をすることにもなりそうです。
投資信託に興味を持っているなら、それにまつわる税金のこともチェックしておきましょう。
2016年1月から大きく変更!
これから投資信託を始める方にとっては、前はどうだった、という情報はあまり必要ではないかもしれませんね。でも、念のため少し説明すると、2016年1月からの税制変更に伴って、投資信託の税の支払い方が以下のように大きく変わりました。
投資信託は「株式投資信託」と「公社債投資信託」があるのですが、以前は、どちらなのかによって税金の支払い方が違っていました。
自分が購入した投資信託がどちらなのかの判断方法は、約款に「株式の組み入れができる」と記されているものは株式投資信託、「株式は組み入れられない」と記されているものは公社債投資信託。まずはそこをチェックする必要がありました。
しかし現在では「株式・投資信託等」と「債権・公社債投信」を一本化して損益通算できるようになり、分けて考える必要がなくなりました。また、3年間の繰り越し控除ができるようになりました。
そこのところを踏まえたうえで、投資信託の税金についてのお話をすすめていきたいと思います。
投資信託にかかる税金は?
投資信託の税金は基本的に、売却益と配当に対して20%の税金がかかります。仮に50万円の利益を得たなら、10万円を税金として支払う必要があるということですね。
税金を払わなくてもいいケース
基本的に、投資信託の利益が20万円以下なら確定申告をする必要はなく、税金を支払う必要がありません。ただし条件があります。それは年収が2000万円以下であることです。
また、源泉徴収有りの口座で取引をしている場合は、税金(20%)は自動的に引かれるので、確定申告をする必要はありません。でも、規定の税金分は引かれているということです。
言い方を変えてまとめると、確定申告をしなければならないのは、源泉徴収なしの口座で取引している場合で、しかも利益が20万円を上回った場合です。(年収が2000万円を超えていれば投資信託の利益が20万円以下でも確定申告する必要があります。)
3年間の繰り越し控除ができる
先ほどすでに少し触れましたが、2016年より、投資信託の確定申告をするさい、3年間、繰り越し控除ができるようになりました。どういうことかというと、投資信託で損をしてしまった場合、損をした金額分を3年間にわたって利益から引くことができる、ということです。
「3年間にわたって利益から引く」とはいったいどういうことなのか、例を挙げてお話しますね。例えば、2015年度、投資信託で30万円の損失が発生したとします。その損失額は、2016年度から2018年度の3年にかけて利益から差し引くことができます。こうなります。
- 2016年の利益が5万円だった場合、2015年の損失額から5万円を差し引いて、損失額の残りは25万円。税金は「なし」。
- 2017年度の利益も5万円だった場合、損失額の残り25万円からさらに5万円を差し引いて、損失額の残りは20万円。税金は「なし」。
- さらに、よく年2018年度の利益が21万円だったとします。普通は税金が発生しますが、損失額の残りを繰り越して控除されるので、利益は1万円ということになり、税金はかからず。
こうして税金を減らしたりゼロにしたりできるのです。
NISAを利用すると投資信託の利益を非課税にできる
もう一つ耳寄りな情報があります。それはNISAです。NISA(ニーサ)とは、日本語にすると「少額投資非課税制度」。株式や投資信託利益に対する課税額が、年間120万円を上限に非課税になる、というものです。
NISAが適用される非課税口座を開設し、そこで取引をおこなうことで、投資信託の利益を非課税にすることができます。
普通に取引すると、利益が20万円を超えたら20%の税金を納めなくてはなりませんね。利益20%超えを狙うなら、最初からNISAを活用した方がいいのでは…?そうすれば利益がすべて自分のものになりますね。
(文/河原まり)