平成28年1月29日、日銀がマイナス金利を発表しました。最近、老後破産という言葉がメディアを賑わせているので、金融機関への貯金で得られる利息より、収益が期待できる投資にお金を割り振りたい人も多いと思います。そこで、老後の資産運用を考えるなら投資信託がおすすめです。では、投資信託はどのようなシーンで活用するのがよいでしょうか。
【この記事の目次】
長期的な資産運用に有効
老後の資産形成をするためには、投資信託が有効だとされています。まずは、投資信託とはどのようなものかを見てみましょう。
投資信託は、企業の株式や国債、通貨への投資をパッケージした金融商品です。株式や通貨は値動きが大きいため、短期的な投資を希望する人にはあまり向いていません。ロングスパンで回収するために考えるべきなので、どちらかと言えば、長期的な投資を考える人に向いています。
他の投資と比較すると、投資信託のほうが勉強をすることが少ないです。プロフェッショナルが投資ポートフォリオ(どの投資商品に、いくら配分するか)を組むので、あらかじめリスク対策をした金融商品となっています。
余剰金がなければ投資はNG
投資を始める際のポイントは、投資金額を余剰資金で始めることです。余剰資金とは、生活に必要なお金を省いたお金のことを指します。では、投資を始める前に用意しておきたい貯金額はいくらくらい準備するとよいでしょうか。
一般的に、余剰資金がなければ投資を始めてはいけません。これは、いざというとき、すぐに投資を終了すると損するリスクがあるからです。たとえば、事故や退職などでお金が必要になったとき、長期的に運用する目的で購入した投資信託は値下がりしているかもしれません。
とくに、長期的な配当狙いで購入しているなら、一定期間の生活費は切り崩さないように準備しましょう。これによって、一時的なトラブルが原因での投資打ち切りは防げるはずです。
一人暮らしなら100万円を用意しよう
6ヶ月分の生活費がないと、投資を始めるべきではないことがわかりました。言い換えれば、投資信託を始めるための目安は、6ヶ月の生活費分を貯金した段階で始めるべきです。
一人暮らし世帯と家族がいる世帯によって条件は異なりますが、一人暮らしなら100万円、ご家族なら200万円程度の貯金がある状況でスタートしましょう。一般的な世帯の場合、これだけの金額があれば生活の余裕があると考えられます。
毎月の貯金額を全額投資に回すべきではありません。まずは貯金の一部だけを投資に充てて、投資信託を始めましょう。
値下がりリスクは投信積立で避けよう
初めて投資信託をする方は、お金がなくなってしまうリスクが高いと感じるかもしれません。しかし、毎月定額積立で投資信託を始めれば、値下がりしたときのリスクを避けることができます。具体的に、毎月10,000円分の投資をする場合を見て、定額購入の流れを見てみましょう。
仮に、初月に10,000円で100口(1口100円)を購入できたとします。次月に投資信託の価格が値下がりしたとすると、10,000円で110口(1口約91円)を購入できます。反対に、投資信託の価格が値上がりした場合、10,000円で購入できるのは90口(1口約111円)となります。
つまり、毎月定期的に定額購入することで平均額に近づき、値上がりや値下がりのリスクを抑えることが可能です。あるタイミングでまとめ買いするよりも、安全に投資を始めることができるでしょう。
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準備ができたらすぐに投資を始めよう
投資を始めるタイミングに遅いことはありません。6ヶ月分の生活費が確保できたら、毎月定額購入から投資を始めましょう。もし、自分で勉強するのが難しいという人は、投資信託からスタートするのがおすすめです。
(文/三堂有人)