仕事柄、顔が見えないライターさんや在宅ワーカーさんに業務を斡旋する機会が多く、お互いの信頼関係構築やコミュニケーションには気を遣っています。
しかし、ニュースを読むと、副業サイトに登録したサラリーマンや主婦を相手に詐欺をはたらく人もいるそうです。私は業務を受ける側・発注する側を何百回と経験していますが、トラブルの原因と対策を考えてみました。
私も約3万円詐欺に遭った経験がある
大学時代の話ですが、私は在宅ワーク詐欺に遭った過去があります。記事を納品したのに先方から入金されないというトラブルでした。私も相手も個人事業主で、取引をしたことがない相手です。業務委託契約書も交わしておらず、発注者の正しい住所も分からない……社会人経験がなかったため、このような被害に巻き込まれてしまいました。
私の場合、納品した記事が勝手に使用されただけです。金銭被害がないという意味では、被害は小さいと言えるかもしれません。しかし、世の中には悪質な詐欺も存在します。凶悪な副業詐欺を見てみましょう。
被害額5億円!悪質な詐欺の事例
2015年6月、さいたま市の犯罪グループが5億円以上の詐欺容疑で逮捕されました。記事作成の仕事をあっせんし、ある程度信頼関係を築いた段階で「ページにアクセスが集中してサーバーが壊れた」と、言いがかりをつけて損害賠償を請求したという犯行内容です。「副業するために初期費用が必要だ」と言い、お金を振り込ませたケースもあると言います。
被害者の大半は、20~40代の女性だそうです。私が取引している方もこの年齢層の女性が多いので、今回のような詐欺の話を聞くと胸が痛みます。例えば、副業ワーカーさんの話を聞くと、「子育てが大変で外出できない」「主人が自営業だから他の仕事で支えたい」など、みなそれぞれ副業を始める理由があるからです。
プロのライターさんにお任せする仕事と違い、在宅ワークでのライティングは高収入なものではありません。弊社の場合、時給にして800円前後という方も少なくないです。外に出てアルバイトするのと変わらない収入ですが、彼女たちの事情を考えると、詐欺に遭わない方法を知っておいてほしいと思います。
在宅ワーク詐欺を防ぐ方法
私はWEBライティングに関する働き方をいろいろ勉強しました。そのなかで、こうすれば安全という方法を見つけたので、いくつか取り上げたいと思います。
業務委託契約書は必ず締結する
まずは業務委託契約書を結びましょう。自分と相手で、仕事に対する認識を一致させるためです。詐欺をはたらく人の多くは、あとから「トラブルになった」といちゃもんをつけてきます。前もって仕事のルールを結べば、このようなトラブルは減らせるでしょう。
クラウドソーシングを活用する
手数料は取られてしまいますが、クライアント(発注者)からの仮入金を確認してから作業できるので安心です。もし、クライアントと連絡が取れなくても、作業が完了されれば入金してもらえます。
相手の会社を細かく調べる
直接取引の場合、法務局に出向いて取引先が法人登記されていることを確認しましょう。住所が貸し住所になっていたり、固定電話回線が存在しなかったりする場合、疑う姿勢を持つことが大切です。
一度会ってみる
在宅ワークの場合は難しいかもしれませんが、一度クライアントと対面で会うのもひとつの手です。こちらから出向き、信頼できる企業かどうかを確認するとよいでしょう。
自己責任のトラブルは詐欺ではない
詐欺に遭わない方法をご紹介しましたが、クライアントがまっとうな会社でもお金が払われないケースもあります。作業者側の落ち度がある場合です。
Webライティングで言えば、「副業だから手を抜いてもいいだろう」と、他のサイトの記事をコピー&ペーストをすることは最低限のルールです。もし、コピー&ペーストが原因でお金が払われないとしたら、詐欺ではなく作業者側の怠慢を指摘されてしまいます。
副業詐欺に遭わないよう、徹底した準備は欠かせません。また、作業が始まったらきちんと仕事を仕上げるようにしましょう。