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奨学金を一括返済する場合のメリットと注意点を徹底解説!

投稿日:2017年6月14日 更新日:


奨学金といえば、日本学生支援機構の奨学金が最も多く利用されています。以前は日本育英会が奨学金事業を行っていましたが、既に廃止され、2004年に設立された日本学生支援機構が引き継ぐ形となっています。

奨学金は経済的事情のある家庭でも、保証人を立てる(通常親など)ことで学生本人の借入が可能です。その借入分で学費をまかなうことができる制度で、無利子である第一種と有利子である第二種に分かれおり、経済事情や学生の成績によって借入可能かどうかを判断されています。

しかし、奨学金を借りた場合には、返還期日までの返還期間に借入れた額を返す必要があります

この記事では奨学金制度で借入れた金額を繰上返還した場合のメリットと注意点を紹介しますので、繰上返還申込みをしようかどうか迷っている人は参考にしていただければと思います。

奨学金繰り上げ返済は2つのパターンがある

奨学金の借入を行って返還開始となれば、指定の方法により返還期日分までに一定の返還額を返し続ける必要があります。もちろん利息がある場合には利息分の返還も必要です。

しかし、繰り上げ返済をした場合には返還残額や返還期限、返還回数に関わらず返還完了とすることもできます。繰り上げ返済には一括返済するパターンと一部繰り上げ返済するパターンの2パターンがあります。

まずはこの2つのパターンについて解説します。

1.一括返済するパターン

一括返済は文字通り、借りているお金を全て返済する方法です。一括返済するためにはまとまった資金が必要となるため、卒業後ある程度の社会人期間を経てから完済している人が多いようです。

定期返済分はしっかりと返しながらお金を貯め、残額分をまとめて返済することで完済となるパターンが王道です。全て返済したら返還完了通知が届き、これにより返済生活に終止符を打つ形となります。

2.一部繰り上げ返済するパターン

一部を繰り上げ返済は、一定のまとまったお金を返済することになりますが、残額はまだ残っている状態となるケースのことをいいます。住宅ローンなどでは一部を繰り上げ返済する場合、期間短縮型と返済軽減型の2種類があります。

期間短縮型は毎回の返済額は変えずに、返済期間を短くする方法です。返済期間が短くなるので、早めに返済から脱出できるというメリットがあります。

一方、返済軽減型は、返済期間はそのままで毎回の支払金額を減らすという方法です。とりあえず月々の負担を軽減したいという人に向いています。

日本学生支援機構は前者の期間短縮型となっているので、返済期間を短くする繰り上げ返済の方法を取ることとなります。

奨学金を一括返済するメリット

奨学金は繰り上げ返済をした方が良いのでしょうか?結論からいうと、繰り上げ返済した方がメリットが多いです

また、一部繰り上げ返済よりも一括返済の方がよりメリットが大きくなります。では、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?それらをしっかりと確認した上で繰上返還申込書を記入しましょう。

報奨金をもらえる可能性がある

日本学生支援機構の奨学金は、繰り上げ返済をすることにより、報奨金が受け取れる制度がありました。残念ながら平成17年に廃止されていますが、平成16年までに貸付が始まった人のうち、第一種奨学金の場合には奨励金を受取ることが可能です。

気になる金額は割合での計算となっており、繰り上げ返済金額の5%が奨励金の金額となります。ただ、経過期間がどれくらいかの条件によっては3%となるケースもあるようなので注意が必要です。

金利分の負担が軽くなる

繰り上げ返済をすることによって金利負担を軽減することが可能です。金利は元金に対してかかるため、同じ借入金額だったとしても返済期間が長くなれば長くなるほど金利もしっかりとかかります。

返済期間の短さに比例して金利負担分が軽減できますので、繰り上げ返済は金利の節約効果が望めます。特に利率固定方式で借り入れをしている場合には、1.5%ほどの高い金利で契約している人もいらっしゃいます。

そのような場合にはなるべく返済を繰り上げるように努力しましょう。

ちなみに、繰り上げ返済による金利メリットは、借入金利がかかっている第二種奨学金のみとなりますので、頭に入れておきましょう。

経済的安定を得ることができる

一括返済をすると経済的に安定します。

今まで返済をしていても生活に支障はでなかったという人は、返済分を丸ごと貯金に回せるという計算となりますので、返済できる資金がある場合は一括返済をしてしまいましょう。

精神的安心を手に入れることができる

一括返済することで精神的安心を得ることもできます。今までずっと一定金額を返済していた分が全て完済となると、お金の心配が一つ減ります。

奨学金は学生が利用しているという性質上、若いうちから多額の借金を背負っている状況であるため、人によってはかなり大きな精神的負担だと感じているようです。

そのため、完済した時の心理的効果は大きく、日々の生活にゆとりと張りが出たという人も多いのです。

奨学金を一括返済する場合の注意点

奨学金を一括返済する場合、やみくもに一括返済をすれば良いというものでもありません。無理に返済してもメリットが薄いケースもありますし、生活に支障が出て他の借金を強いられることも考えられます。

貯金がなくなって臨時出費に耐えられない状態となることもあります。そのようなことにならないために、どんなことに気を付ければいいのでしょうか?

金利負担が少ないのに無理に返さない

奨学金を利用している人の中には0.1%程度の低金利で借りている人がいらっしゃいます。そのような場合には繰り上げ返済の金利軽減メリットが薄いため、無理してまで返済する必要がありません。

もしもまとまったお金があるならば、無理に返済するよりも、より利率の良い投資商品にお金を回す方が得となります。

先に奨学金を完済した方が良いのか、それとも他の金融商品にお金を回した方が良いのか、金利と比較しながら検討が必要です。また、もしも他から借入があり、その金利が高い場合には、先に高い金利の借入から返済することが重要です。

しっかりと優先順位をつけて効果的な資金計画を立てましょう。

信用情報にキズをつけない

金融取引の情報は信用情報に掲載されており、ローンを組む時には必ずチェックされます。もしも奨学金の返済を遅延したり滞納した場合には、今後の借金が難しくなるので注意が必要です。

しかし、無理な繰り上げ返済により、あらたな借り入れをした結果、その分が返済遅延を起こすという可能性があります。奨学金は低金利ですが、一般の消費者ローンは金利が高いため、返済できなくなるケースも考えられます。

奨学金の繰り上げ返済の結果、信用情報にキズをつけて、一定期間住宅ローンを組めないというような目にあわないために、借入も返済も無理なく行うことが大切です。

まとめ

奨学金は家庭の経済事情により大学を中心とした学校に通えない場合に利用できる借りれ制度です。毎回決まった金額をしっかりと返済していく必要があるため、信用情報にキズを付けないようにしっかりと返済していくことが大切です。

奨学金は繰り上げ返済をすることで、金利負担を軽減することができます。経済的ゆとりや精神的ゆとりもできるため、なるべく早めの一括返済がおすすめです。

ただし、無理な返済は後の不利益を招く可能性もあるため、慎重に行う必要があるでしょう。

(文/田中英哉)

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