「自分はがんにならない」
「月々の保険料がもったいないから」
という理由で、がん保険に加入しない女性もいます。
しかし、経済的なリスクや精神的な不安、治療のスピードなど、がん保険に加入するのとそうでないのは大きく違うものです。
ここでは、女性特有のがんを中心にがんがどれだけのリスクを秘めているか見てみましょう。
【この記事の目次】
乳がんや子宮がん女性に多いがんの種類
なりやすいがんの種類は男女で違います。女性がなりやすいがんの種類について、公益財団法人日本対がん協会が発表する『部位別がん罹患率(2012年)』をもとに見てみましょう。
まず、一番がん罹患率が多かった部位は乳がん(20.5%)です。
乳がんの場合は初期症状として胸にしこりができます。症状が進行すると痛みを感じるケースもあるため、しこりと痛みがあるならがんを疑ったほうがよいかもしれません。
次に、
- 大腸がん(15.8%)
- 胃がん(11.4%)
- 肺がん(10%)
と、がんになりやすい部位が続きますが、これらは男性も罹患率が高い部位です。
女性特有の部位では、子宮がん(7%)が第5位でした。
- おりものの色の変化(黄色や褐色)や異臭
- 触ると皮膚の炎症が起きる
など、子宮に異常が現れていることを示すサインが出ます。乳がんと同様、女性特有のがんのひとつですが、異変がないかを常に観察しておくとよさそうです。
がんは早期発見と治療開始によって回復しやすさが変わります。乳房のしこりやおりものの異常が気になったら、速やかにがん検診をしましょう。
がんを発症する女性の割合
「自分はがんにならないから平気」と思っている人もいるかもしれません。しかし、想像以上にがんは身近な病気で、死亡するリスクも高い病気です。
国立がんセンターの統計によると、なんと2人に1人(47%)の割合で、女性が何らかのがんに罹患すると言われています。約半数の人ががんにかかっているとなると、「がんにかかることはない」と安心することはできません。
さらに、女性ががんによって死亡する確率も見てみましょう。
なんと、がんによる死亡率は6人に1人(16%)です。部位別で見ても、先ほど取り上げた
- 子宮がんは143人に1人
- 乳がんは70人に1人
と、女性特有のがんが原因で亡くなる人も珍しくありません。
女性の約半数ががんにかかり、6人に1人が亡くなっているのが現状です。このことから考えると、がんは身近な病気と考えたほうがよさそうです。だから、がん保険に加入しておくことは、自分の将来のリスク管理になると言えます。
がん保険に加入していない場合の治療費は?
「自分はがんと縁がない」と考え、がん保険に加入しない人もいると思います。もし、がん保険に加入せず、がん治療を受けなかった場合、その治療費の支払いは想像以上に厳しいです。
がんの治療にかかる主な治療費について見てみましょう。
がんの治療にかかる費用は、
- 直腸がんで21.6万円
- 子宮がんが17.8万円
- 乳がんが16.2万円
です。3割負担を受けられるにも関わらず、これだけの金額がかかってしまいます。高額療養費制度が登場したために軽減されましたが、高額な費用がかかっていることは見逃せない事実です。
決して安くない金額が治療費としてかかるうえ、がんになってしまうと仕事ができません。さらに、再発のリスクもあることを考慮すると、費用を掛けずに治療したいと考えるのは自然なことだと思います。
仮に、民間保険のがん保険に加入していたら、手術や治療費のほか、入院時のベッド代も含め、診断給付金や入院給付金が数十万円から数百万円支給されたかもしれません。
さらに、一部のがん保険では特約による契約条件で、がんを治療できる確率が高い先進医療も対象です。
新たに開発されたばかりの医療を受ける場合、数百万円の手術費や治療費がかかってしまう可能性があります。しかし、がん保険に加入していると全額支払われるプランもあるため、費用を掛けずにがんを完治できる可能性が高いのです。
先進医療特約も使えるとなると、がん保険に加入するメリットは大きいと言えます。がん治療に成功する確率はアップするので、ぜひ先進医療を受けられる体制を整えておきたいところです。
▼合わせてよみたい▼
がん手術後も続くお金の悩みや精神的不安
がんを手術したあと、さまざまな悩みがあります。ここでは、がんになってしまったときの経済的な悩みと、女性特有の悩みを考えてみましょう。
まずは経済的な悩みからです。がんは長期間の戦いになることが多いため、どうしても費用がかさんでしまいます。手術費や治療費そのものも高額になってしまいますが、入院から退院までの医療費支払いも高額になりがちです。
また、
- 住宅ローンやその他借金の返済
- 生活費の負担
など、さまざまな心配をしなければなりません。療養のために収入はなくなるのに、治療費もかさみ支出は増えてしまう状況は、精神的に苦しいと言わざるを得ないでしょう。
さらに、女性ならではの悩みについて考える必要があります。乳がんの場合は乳房を切除しなければならず、女性としての自分の人生は終わってしまったと感じる人もいるかもしれません。
以前と同様の形に戻るように整形手術することもできますが、手術費用は高額なので諦める人も少なくないのが現状です。
女性にとって、がんは精神的なダメージも与えられてしまう病気だと言えます。
経済的な問題や精神的なダメージを解消または軽減する方法は、がん保険に加入することです。
しかし、全員の女性ががん保険に加入しているわけではありません。がんになってしまってからでは契約ができないので、後悔してしまったというケースも少なくないのです。
それでもがん保険に入らない理由とは?
がん保険に加入していない女性が少なくないのはなぜでしょうか。ここからは、女性ががん保険に加入しない理由をご紹介します。
まずは月々の保険料がもったいないという理由です。
貯蓄できる終身型のがん保険では月々の出費が大きくなりがちで、掛け捨ての保険ではがんにならなかったときに出費が無駄になってしまいます。経済的に余裕がないご家庭では、がん保険の出費がもったいないからと考えるのも無理はありません。
次に、「自分ががんになると思わなかった」というケースです。
女性が生涯のうちにがんになる確率は50%近いですが、そのことを知らないという人もいます。身近な病気であるにも関わらず、がんにかかるとは思わずに放置していたという人もいるのです。
がんになってしまったあと、「こんなことならがん保険に加入したらよかった」と後悔する人も少なくありません。だから、転ばぬ先の杖として民間企業のがん保険に加入することがよいのです。
おわりに
がんは早期発見と早期治療が肝心です。早く気付けばそれだけ完治するまでの期間も短く、治療費も安く抑えられます。
がんを治療するための費用を捻出できると思えば、月々の保険料は決して高いものではありません。万が一の不安に備えてがん保険に加入しておくとよいでしょう。
まとめ
- 女性特有の乳がんや子宮がんなどは発症リスクが高い
- 女性の2人に1人が生涯のうちに一度はがんになっている
- がん保険に入ると先進医療特約もリーズナブルに受けられる
- がんは経済的・精神的な不安が大きい病気である
- 月々の保険料はがんの手術や治療をするのに対して安い