子供のなりたい職業ランキングにおいて、常に上位に入る「保育士」。
しかし実際保育士になった方の10人に1人は、保育士を辞めてしまっている他、辞めるまでは至っていないものの、保育士を辞めたいと考えている保育士さんは決して少なくありません。
なぜ、夢であり目標であった保育士になったのにも関わらず、保育士を辞めたいと思ってしまうのでしょうか?
今回は、保育士を辞めたいと思ってしまう理由について、考えていきます。
保育士が仕事を辞めたい時
自分から希望してなったはずの保育士を、辞めてしまいたいと思う時は、どういう時なのでしょうか?
保育士を辞める理由としてよく上がる意見を3つ、ご紹介します。
責任が重すぎる
保育士は、常に園児である子供たちの見守りを行い、事故が起こらない様、注意していかなくてはなりません。
しかし、保育士不足によって保育士一人あたりが見なくてはいけない園児の人数は多く、また事故を起こさない様、少しの油断も許されません。
長時間、常に緊張状態であることから、保育士という職業そのものに疲れてしまうケースが多くあります。
また、自分でうまく体調を伝えられない子供たちに対し、常にアンテナを張り、病気やケガを早期に発見することも求められます。
遊んでる間の事故予防に加え、ケガや病気についても気を張り続けなくてはいけない。
このように保育士という仕事にかかる責任の重さから、保育士を辞めたいと考えてしまう保育士さんは多いのが現状です。
保護者への対応が大変
保育士になった理由として、よくあげられるのは「子供が好きだから」です。
しかし保育士になると、園児である子供たちと同等か、あるいはそれ以上に気を使う相手がいます。それは、園児の保護者です。
近年、「モンスター〇〇」という言葉がよくつかわれていますが、保育園においても、そういった「モンスターペアレンツ」と呼びたくなるような保護者が残念ながら存在しています。
保育園では、乳幼児の保育という性質上、どうしても防ぎきれないケガはつきものです。
しかし、そういったケガに対しても、「保育士がよく見ていなかったからだ」と保育士の責任と認識してしまう保護者もいます。
立場上、保護者に対して強く言い返すことができない中、一方的に理不尽な内容で叱責を受けたり、実現不可能な要求を聞かなくてはいけない時、保育士を辞めたいと感じてしまう傾向にあります。
サービス残業が多すぎる
保育園は、子供を預かる時間が幼稚園などと比べ、大変長くなっています。
朝7時から延長保育の園児は続々と登園してきますし、保護者の仕事の都合によっては、夜遅くまで延長保育を行わなくてはいけないことがあります。
より広い保護者のニーズに対応するため、保育園側もシフト制を導入し、勤務帯を分けることで一人あたりにかかる業務を減らす努力をしていますが、それでも時間内に仕事をすべて終え、定時までに仕事を終わらせるのは難しくなっています。
仕事中も、園児同士のトラブルや保護者への対応などでなかなか思うように仕事が進まず、結果として残業となってしまっている一方、残業代がきちんとしはられないためにほぼサービス残業となってしまうことも多いため、保育士を辞めたいと考えてしまうのです。
保育士がギャップを感じる時
今まであげた、「保育士が仕事を辞めたい時」以外にも、保育士を辞めたいと感じる理由の一つに、「自分が思い描いていた保育士と、実際に働くとギャップが大きかった」というのがあります。
では、保育士の仕事のどういったところにギャップを感じるのでしょか?
自分の思うような保育ができない
保育士として仕事をする上で、自分の中で譲れない、保育時のポリシーがあります。
就職時、自分の考えにあった保育を提供している保育園に就職したにも関わらず、その保育が実際には行えていない。あるいは保育園のトップである園長と意見が合わず、結果として自分が考える保育ができない時、ギャップを感じてしまうことが多く見られます。
保育士として仕事中、自分のポリシーに合わない保育をしなくてはいけないことほど、辛いことはありません。
そして、「保育士って、こういう仕事だったっけ?」と、自分が考えている保育士としての仕事とのギャップを感じてしまいます。
子どもたちとの関係
保育士として子供たちと接する中、自分が考えている関係がなかなか構築できない、ということもよくあります。
子供たちと距離を感じてしまう、なかなか信頼関係を築くことができないなど、子供たちとの関係に悩んだ時、「保育士に自分が向いていないのではないか」という疑問とともに、保育士という職業そのものとのギャップを感じてしまいます。
女性が中心の職場
保育士は、男性の割合が増えてきたとはいえ、圧倒的に女性が多い職場です。
そのため、たとえ子供たちとの関係がうまくいっていても、同僚の保育士との仲が良くないために、のびのびと仕事ができない方も多くなっています。
保育士同士が見えない場所で園児や保護者についての愚痴を言い合っている現場を見てしまうことで、「保育士」という職業に対し、ギャップを感じてしまうようになります。
保育士を辞めてしまう前に
苦労して取得した保育士の資格。保育士そのものを辞めてしまうのは、もったいないことです。
そこで、保育士を辞めてしまう前に、ぜひやっていただきたいことをご紹介します。
新人の時の気持ちを思い出してみる
保育士になりたての時、きっと夢や希望に満ち溢れていたと思います。
そのときの気持ちを、もう一度思い出してみてください。
そして、なぜ今、保育士を辞めたくなってしまったのか、もう一度考えてみてください。
新人時代の気持ちを思い出すことで、きっと少し、気持ちも前向きになれるはずです。
ストレスを減らすことを考えてみる
人間誰でも、疲労がたまっていたり、ストレスがたまっていると、どんなことにおいても悪い方向に物事を考えてしまいがちです。
そこで一度仕事のことは忘れて、「ストレスを減らす」ことに意識を集中してみましょう。
ストレスが減った状態でもう一度考えた時、意外と小さなことにくよくよと悩んでいた、なんてこともありますよ。
保育士を完全に辞めるのではなく、転職をしてみる
新人時代のことを思い出しても、ストレスを減らす努力をしてみても、やっぱり保育士という仕事を辞めたいとしか思えない時は、保育士を完全に辞めるのではなく、転職をして、仕事環境を変えてみてはどうでしょうか?
自分が一番ストレスに感じていたことに対し、「保育士ならどの職場でも一緒のこと」と思っていたことが、転職によって他の職場を見ることで、「たまたま前の職場がそうだっただけだった」ということも、珍しくはありません。
現在、全国的に保育士は不足しているため、保育士という資格さえあれば、働き口はたくさんあります。
あなたらしく働ける保育園が、きっとあるはずです!
まとめ
保育士は今、全国各地で活躍が期待されている職業です。
辞めたいと思ってしまうことも多々あるかと思いますが、思わぬ形でそういったストレスから解放されることもあるんです!
保育士そのものを辞めてしまう前に、まずは「なぜ辞めたくなってしまっているのか」から振り返ってみませんか?