最近、巧妙に既存の大手通販サイトなどのバナーに偽装をした、架空請求サイトが登場している。
こういうものをクリックすると、とたんに料金請求などの通知が来たり、あるいは個人情報を教えてしまうことになりかねない。
怪しいものであればすぐにブラウザバックで対応できるが、本物そっくりのレイアウトの偽サイトとなると、見抜くのはなかなか難しいかもしれない。
嫌な時代になったものである。
Amazonの偽サイト、その恐るべき目的とは?
ネット通販大手のAmazon。これまでこのサイトは、何度も偽物被害に遭ってきた。
毎度毎度、本物と見まごうほどのクオリティの偽サイトが登場し、世界中のネットユーザーがお金を騙し取られるなどで泣きを見てきた。
さて、今年に入っても新たな偽Amazonが登場したが、これがまあ~本物と瓜二つ。
間違えてログインすると、アドレス、パスワードの入力を要求される。長い間ログインしていないユーザーは、この要求も不自然には思うまい。
うっかりそれらを入力してしまうと、個人情報を盗まれてしまうというわけだ。
恐ろしいのは、この手のサイトにありがちな日本語の不備もないところ。
中国人辺りが作った偽サイトは、明らかに日本語がおかしいことから、大体すぐに察しがつく。しかしこの新しい偽Amazonは、何度も言うように本物そっくり。
ただし、見抜く方法はある。それはアドレスだ。
本物は皆さんご存知のように「amazon.co.jp」。しかし偽者は「amazon-co-jp.pw」と、余計なものがついている。
このpwとは、パラオのドメインである。
ここで偽者かどうかが分かるというわけだ。
くれぐれも注意しておきたい。
音声でウィルス感染を伝えてくる胡散臭いバナー
先ほどの偽Amazonについては、スマホ、PCともに被害に遭う可能性があったが、今度はPCで遭遇例の多いケースを紹介したい。
ネットサーフィン中(というかぶっちゃけアダルトサイト閲覧中)に、突然見慣れないバナーが出現し、同時に女性の音声が流れるというものが、ここ最近台頭しているのだ。
音声内容は以下のようになっている。
「あなたのコンピュータでウィルスが検出されました。
直ちに提供された番号に電話していただくと、あなたのコンピュータ上のアドウェア、スパイウェア、ウィルス除去のためにガイドされます。」
はい、胡散臭い!
しかし、これに騙されて電話をかけてしまう人も中にはいるのだ。
ネットについての知識が浅い初心者や、高齢者が主なターゲットになっている。
では、うっかり電話をしてしまうとどうなるのか。どうやら、何だかんだ長い説明を受けた後に、ウィルス除去ソフトを買うように勧められ、それらは20,000円以上もするという。
どうせならもっと安くて安全なものが、信頼できるメーカーからリリースされているので、そっちを買えばいいんだけど、初心者はそんな知識もないだろうし……。
悪意が渦巻く現代のインターネット
携帯電話をスマホに換えた際に、携帯電話そのままのノリでスマホに慣れ親しんでいる人は大勢いる。
しかしスマホは、あれは小さなPCのようなもの。ネットへの危機意識がないと、ともすればすぐにでも個人情報を第三者に流出させる危険性を孕んでいる。
2000年代初頭からインターネットに精通している人なら、その扱い方も考慮しているんだけども、ネットリテラシーが備わっていないままで利用している人は、はっきり言って危ない。
詐欺サイトなんてそこら中に待ち構えているし、個人情報にしたって誰が狙っているか分かったもんじゃない。
よく分からないサイトに、ぼんやりと登録をすると、取り返しのつかないことになってしまう。
たとえば、奪われた個人情報を元に、ハッカーによってネット口座を荒らされたという被害者が、日本では既に大勢いるのだ。
冗談抜きで、ネットを利用する際の個人情報は安く考えない方がいい。
(文/松本ミゾレ)