契約社員と正社員の違い
同じ社員という名前ですが、契約社員と正社員とでは異なっています。
どのような点が異なっているのかを知れば、安心して契約社員として働けるでしょう。どのような雇用形態なのかを知らずに勤務してしまうと、後から後悔することになります。こんなはずではなかったという事態にならないように、事前に情報収集をしておきましょう。
契約社員の平均年収が340万円前後なのに対して、正社員の場合には440万円になっているので、200万円前後差が出てしまうのです。
契約社員の契約方法
契約社員というのは、基本的に期限を定めて契約を行う雇用形態です。賃貸住宅を思い浮かべると分かるでしょう。賃貸住宅は2年契約ですが、契約社員の場合には1年契約が多くなっています。
しかし、平成25年に法改正が行われたことで、今までとは異なってしまった部分もあるのです。今までと異なる部分は3つなのですが、
- 5年以上契約してきた人は、無期限契約が可能になる
- 契約を打ち切る際には、一定の要件が必要になる
- 契約社員ということで、他の社員との差別待遇は原則禁止する
となっています。よく意味が分からないという人も多いでしょうが、それほど気にする必要はないでしょう。重要なのは、期限を定めた契約という雇用形態が契約社員ということです。
正社員とは何が違うのか
社員と名の付いている雇用形態は、正社員と契約社員が一般的です。しかし、正社員と契約社員では異なっている部分がいろいろとあります。
まずは先程も触れた契約方法なのですが、正社員は無期限契約となっています。それに対して契約社員というのは、期限を定めた契約となっているので更新しなければいけません。これが最も大きな違いなのですが、実はアルバイトやパートも無期限契約が多くなっています。そのため、契約社員はかなり厳しいのではと考えてしまう人もいるでしょう。
しかし、契約社員はアルバイトやパートよりも好待遇になっていることが多いのです。逆に正社員よりは待遇が低くなっていることも多いのですが、同じ待遇やそれ以上の会社もあります。
また、正社員は税金や保険、年金などが天引きになっているのが一般的です。それに対して契約社員の場合には、税金や保険、年金などは自分で支払わなければいけないこともあります。
給料も基本的には月給になっているのですが、契約社員の場合には、時給や日給になっていることもあるのです。
よって正社員とアルバイトの中間のような雇用形態だと考えておけばよいでしょう。
契約社員の時代から保険を考えておく
給料形態が月給制であれ、日給・時給制であれ、契約社員でも保険に加入しておくことは将来的にプラスになります。
もちろん生命保険や、医療保険、学資保険などの面から考えても重要なのですが、保険の相談を行うことで、毎月の支払額が下がったりする可能性もあります。
雇用形態に関わらず、お金の管理をしっかりとする、使えるサービスをしっかりと使うという考えはとても重要です。
まずは、自身の収入や、希望に合わせた、ベストな保険を見つけるためにプロに相談することをおすすめします。
契約社員は正規雇用?非正規雇用?
雇用形態には、大きく分けると正規雇用と非正規雇用があります。正規雇用というのは、
- 期間を定めていない雇用形態
- 会社の決めた時間帯で働く
- 会社の決めた日にちで働く
- 社会保険の加入義務がある
だと言えるでしょう。これらの条件に当てはまらない雇用形態を非正規雇用と呼びます。
では契約社員はどうなのかというと、基本的には会社の決めた時間帯、日にちに勤務します。しかし、社会保険の加入義務はありませんし、期間も定められています。そのため、契約社員は非正規雇用に含まれているのです。
契約社員とアルバイトはどこが違うのか
契約社員と正社員の違いについては先ほども述べました。契約期間があるかないかという違いがあります。会社によって給料の支払い方法や、社会保険等の加入義務があるかないかの違いもあるのです。
では、アルバイトと契約社員では、どのような違いがあるのでしょうか。給料の支払いについては、アルバイトは時給での支給が多く、契約社員は月給での支給が多くなっています。しかし、会社によっては別の方法で支給されることもあります。
特にアルバイトは時給や月給、日給以外にも、週給という支払方法を採用している職場もあるのです。平均年収は、アルバイトが100万円から150万円になっているのですが、契約社員は340万円が平均年収なので、契約社員の方が200万円ぐらい高いと言えるでしょう。
最も異なっているのは、正社員と同じように、契約期間があるかないかの違いです。ただし、正社員は全て無期限雇用なのに対して、アルバイトの場合には、期限を定めてない場合もあれば、定めている場合もあります。それが短期アルバイトや単発アルバイトです。
ちなみに契約社員の場合には、短期契約社員などという雇用形態はありません。大半が年契約になっているので、勤務状況が悪い場合や、失敗ばかりしているなど、会社の経営に支障が出てしまう場合には、契約を打ち切られてしまうこともあるのです。
契約社員のメリットとデメリット
どのような雇用形態であっても、必ずメリットとデメリットがあります。それは正社員であっても同様なのですが、殆どデメリットがないのは公務員ぐらいでしょう。公務員に契約社員という雇用方法はありませんが、似たような雇用形態はあります。
しかし、一般的な契約社員というのは、民間で働く場合なのです。民間企業はどこも厳しくなっていますし、特に中小企業は政治家の悪政によってかなり苦しめられていると言えるでしょう。そのため、非正規雇用が激増し、正規雇用が減少しているのです。
契約社員のメリットとデメリット
契約社員にも、メリットとデメリットがあります。まずはメリットを見ていきたいと思いますが、
- 転勤がない
- 人間関係に悩むことが少ない
- 会社によっては正社員より給料が高い
- いろいろな職場を経験できる
このようなメリットがあります。中小企業の場合には関係ありませんが、大手企業などでは複数の支社や営業所、工場を持っていることも珍しくはありません。このような場合、正社員は転勤する必要も出てきます。
それに対して契約社員の場合には、転勤する必要はありません。住み慣れた地域から離れたくないという人は、あえて契約社員として勤務するのもよいでしょう。
契約社員は契約期間が定められているので、一生その会社に勤める人は少なくなっています。そのため、正社員に比べて人間関係に悩む可能性が低くなっているのです。もちろん全くないわけではなく、正社員よりは少ないということです。
基本的にどのような雇用形態でも、どのような職場でも人間関係に悩むことはあります。しかし、実際に人間関係などで悩み、病気になってしまう人がいるのは知っているでしょう。このような人は正社員が多くなっています。
それほど多くはありませんが、会社によっては正社員よりも契約社員の方が、給料が高くなることもあります。ただし、ボーナスが支給されないことが多いというデメリットもあるのです。ボーナスが支給されないので、平均年収で正社員に差がついてしまうのです。
また、ローンなどを組むときにも、審査に落ちてしまう確率が高くなっています。契約期間が定められているので、長期勤務が難しいのもデメリットですが、いろいろな職場を経験できるのはメリットでしょう。たくさんの知識や技術を身に付けられますし、履歴書にたくさん記載しても、契約社員だと言えばそれほど面接で不利になることもありません。
契約社員として長期間務めるには
契約社員であっても、長期間勤務したいと考えている人も多いでしょう。実は契約社員でも、長期間務めることは可能なのです。
派遣法の改正で、派遣は最大3年と期限を切られてしまいました。それに対して契約社員の場合には、基本的に契約を繰り返し行うことも可能です。しかも5年以上同じ会社で契約を行えば、無期限契約が可能になります。ようするに正社員として採用することが可能ということです。
どうしても同じ会社で長く勤めたいのであれば、まずは期限が決まっているからと思わないで、しっかり働いて会社に貢献することです。日本の会社もブラック企業が多いと言われていますが、昔のように努力する人をきちんと評価してくれる会社もあります。
このような会社に入社し、会社に貢献すれば契約打ち切りなどということは滅多にないでしょう。
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(文/出川宏)