先日、「投資信託の銀行口座を確認したら1割減っている!」と、ショックを受けました。小額から始めてみようと思ったのですが、先日の世界同時株安などが悪影響を与え、価格が下がってしまったのだと考えられます。まったくの初心者ですが、流行に乗って投資信託を購入すると、このようなトラブルがあるんですね……。
さて、先日、『週刊プレジデント』2015年8月31日号を読みました。公募投資信託残高が100兆円を超えたと言います。なぜ、私が失敗したのかと言えば、自分で理解できる商品を買わなかったから。そこで、これから投資信託を始めようとする皆さんに、一番人気の国内株式についてご紹介します!
国内株式一番人気の日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)
「みんな、どんな投資信託商品を買っているのかな?」と思い、まずは価格.comのランキングを調べてみました。2015年8月31日現在、国内株式を扱う投資信託商品で一番人気なのは『日本株アルファ・カルテット』。口コミを見る限り、分配金300円が魅力で購入した方もいるようです。
投資信託商品を購入するとき、まず目を通しておきたいのは「投資信託説明書」。これを見ると、どういう狙いで設計された商品なのかが分かるからです。ここからは、『日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)』の投資信託説明書について見てみましょう。
意外と!?海外の高金利通貨も運用する投資信託商品
『日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)』の戦略は以下の3つが軸です。これらを組み合わせることで、中長期的な信託財産の成長を目指しています。
- 高金利通貨戦略
- 株式カバードコール戦略
- 通貨カバードコール戦略
まず、円建て外国投資信託証券と国内籍の投資信託を用い、円建ての公社債や短期金融商品を主な投資対象とします。これによって、安定した収益確保をもくろんでいるということです。
次に、2015年8月現在はブラジルレアルを取引対象通貨とし、スワップ金利を獲得しようと考えています。ここまでで分かるように、実は商品名からは見えないのですが、海外通貨にも力を入れている商品内容です。
株式カバードコール戦略とは、日本の株価指数(原則TOPIX)のコールオプション(特定価格で特定日に購入できる権利)によって、オプションプレミアムの収益を得るというものです。
オプションプレミアムとは、オプション(購入・売買する権利)の買い手が売り手に支払う対価を指し、この商品の収益源になっています。要するに、株式を売買して配当金による収益(インカムゲイン)を増やそうというのが狙いです。
また、『日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)』の特徴は、毎月の決算日に収益を分配する点です。毎月4日に決算を行い、委託会社が収益分配金を決定します。市況動向が狂った場合は分配されないケースもありますが、基本的には配当金が得られるという商品なのです。
余事象って何だ!稼げない確率を考えてから購入しよう
投資信託を始める前は、「元本を保証するものではありません」という言葉が気にならない方も多いと思います。「アベノミクスの影響で好景気だし、なんだか流行っているみたいだから買ってみよう」という心理が働くからです。
ちなみに、「投資で稼げる」という話を聞いたとき、「『余事象』を考えないと損する」という話を聞いたことがあります。余事象とは、Aが起こる確率に対して、Aが起こらない確率を指します。
これは永野裕之氏の著書『ビジネス×数学=最強』という書籍でも紹介されていたことですが、余事象を考えないと、損するリスクを把握しないまま投資信託を始めてしまうのです。
商品内容を理解することは大切。そして、余事象を十分に把握し、損してもよいと思える気持ちで購入することはもっと重要です。これから購入しようと思う方は、商品内容を理解し、いろいろな可能性を考えてから投資を始めましょう!