僕は基本的に何でも書く物書きをしている。時には恋愛コラムニストとしても活動することがある。
自前のブログには、たまに僕の恋愛コラムを見た悩める子羊からの相談が寄せられる。
たまにはそんな相談に対する回答を、自分の受け持つコラムで披露することもあるんだけど、先日ちょっと面白い相談が寄せられていた。相談者の27歳男性に了承を得たので、今回こちらで紹介したい。
【この記事の目次】
賭け麻雀をして大負けし、5万円の支払いを要求
「先日、僕の友達から、“危ない匂いのする人たちと賭け麻雀をして大負けし、5万円の支払いを要求された”という告白をされました。
その日は持ち合わせがなかったため後日支払うと約束したらしいのですが、そのまま約束を反故にしてしまったということです。
すると彼の勤務先に、件の危ない人たちが訪れて、利子付きで数十万円にも膨れ上がったという負け金を請求され、精神的に参っているというのです。この場合、支払う義務はあるのでしょうか?
友達もかなり苦しんでいるので、何かアドバイスをいただけると嬉しいです」
そもそも相談する相手を間違えている気しかしないし、なんとなく「この友達って相談者本人なんじゃねえの?」と思わないこともないけど、せっかくなので答えていこう!
率直に言えば、支払う必要なんてない!
賭け麻雀は違法!大金が動いていないので摘発が少ないだけ!
この相談者だって知っているんじゃないかと思うんだけど、まず賭け麻雀自体が違法だ。
その理由は以下の通り。
刑法185条によれば、「賭博をした者は500,000円以下の罰金または科料に処する」ことが明記されている。法律が賭け事としての麻雀を禁じている以上、どんな約束をした上で負けたとしてもお金を払う義務はない。
また、仮に賭け麻雀をしていようとしていまいと、突然警察に踏み込まれた場合に「この卓は賭けごとはしてないぞ!」と言っても一蹴されることが多い。
その理由は、民法90条にある公の秩序や風俗に反する事項を目的とする行為は無効とする、という一文があるから、とりあえずは連行されることになる。
日本では賭博は原則禁止となっている(じゃあパチンコや競馬は何なんだ!と思っちゃうけど)。射幸心を煽るような行為は、咎められるのだ。
要はいかがわしい噂のある雀荘で打ってる時点で、あんたも同罪だよと言われる可能性がある、というわけだ。もちろん、悪質な常習者や経営者でもない限り、ほとんどは厳重注意を受けて解放されるけどね。
このようなケースでの金銭トラブルは警察に相談しにくい
さて、この相談によると、質の悪い連中に食い物にされそうになっているみたいだけど、法律が厳然と存在する以上は支払わなくても良い。
ただ、結局賭け麻雀に同意さえしていなければ、そもそもそんな事態に陥ることはなかった。
言わば自業自得で、自分が撒いたトラブルの種である。
むしろ警察に相談すると「あんたも同罪だよ」と怒鳴られる可能性もある。
だからここは、もしも僕が同じ立場なら弁護士に相談し、対応を一任するだろう。
とりあえず、相談者の方はお友達に、無料で相談できる弁護士の電話番号でもLINEしてみてはいかがだろうか。
最後に知っておきたい!摘発の境界線
さて、原則として賭け麻雀は、1,000点で何円のレートだろうとNGなんだけど、一説によると警察は、摘発の対象となるラインに達する雀荘に突然の摘発を行うという。
そのラインとなるレートは、1,000点200円だとか。これなら結構お金も動くことになる。摘発するには十分すぎると言えるかもしれない。
もちろん、警察もヒマじゃないので滅多なことで雀荘を摘発したりはしない。
けれど、この手の摘発は抜き打ちが常。油断しているといつかはお縄につくこととなりかねない。刑法が禁じている以上、雀荘で賭け麻雀はしないのが利口だ。
(文・松本ミゾレ)