厚生労働省の調べによると、日本人の約5%がギャンブル依存症で、彼らが投じた金額を平均するとなんと1293万円といわれている。
これは日本人の20人に1人という数であり、思っていたよりも多いだろう。ギャンブルは時間もお金も減らしてしまうとても大きな問題である。
これはそもそもどういう人がなりやすいのか、そしてどんな治療法があるのだろうか。
【この記事の目次】
年齢は20代から60代まで幅広く、男性がなりやすい
この病気になってしまう人は、男性も女性もいる。年代は20代から60代まで様々な年代の人間に発症しており、特に日本の成人男性の9.6%、同じく女性の1.6%がギャンブル依存症になる可能性があるといわれている。このため、男性がなりやすい病気として知られているが、女性も全くならないというわけではない。
日本でも少なくとも500万人程度が依存症予備軍といわれている。これはとても大きな数字といえるだろう。特に日本は他の国と比べてもギャンブル依存症になる人が多くなっている。
ギャンブル依存症になる理由の最も大きなものは心理的要因
ギャンブル依存症になる最も大きな理由は、やはり心理的な要因だろう。
これはギャンブル依存症の患者が様々な不満や空疎感を抱き、フラストレーション(欲求不満)や自尊心に対して問題があることがある。これらを忘れるために熱狂や熱中できるものを求めているとされている。
つまり、依存症患者は様々な不満を解消するためにギャンブルに手を出すのだ。イラ立ちを忘れるための方法だともいえる。
最初は少しスカッとするためのものだが、それから少しずつギャンブルがないと気分がスッキリしなくなり、徐々に不快感や不愉快をギャンブルで克服しようとし、結果的にギャンブルに依存してしまうのだ。
このため、最初からそもそもギャンブルに近づかないということも、ひとつの依存症対策になりうる。
遺伝的・環境要因でもギャンブルに依存することがある
また、遺伝的にギャンブルに依存しやすい性質というものはある。これは何かというと、家庭環境が要因になることはほぼゼロだということだ。
ただ、血縁者の中に大酒飲みやアルコール依存症、ギャンブル好きなどがいる場合は、自分も様々なものに依存しやすい気質があるのではないかともいわれている。また、薬物依存などに広げると、さらに様々な依存症になっている人間が血縁でいるということになる。
そして家庭環境については、親にギャンブル場へ連れて行かれたり、親と一緒に競馬場に行くなどして、心理的にギャンブル場に行ったりギャンブルについての障壁が低くなる、という場合もあるようだ。ただ、この場合は絶対的なものではない。
環境要因というのはそもそもギャンブル場が女性や若者には入りにくいというふうになっているために起こることで、最近はサロンやおしゃれな雰囲気のパチンコ屋なども出ているため、女性のギャンブラーも増えていると言われている。
治療方法は心理的なものが中心
もしギャンブル依存状を克服したいのならば、専門的な心理療法を受けるのが一番と言われている。
この心理療法には様々なものがあり、心理士と一対一のカウンセリングを行ったり、集団での精神療法を行うことにより克服できる場合もある。
これはとてもつらいときに同じつらさを持つ人達同士で経験を話しあい、それにより様々な心理的な負担を減らすために効果が出るといわれている。
また、長期的に自助グループに所属し、少しずつギャンブルなしでも生活できるように環境を整えているケースもある。これは克服するためには長期的な時間がかかる。
ただ、どの治療法もまずは自分のギャンブル依存症を自覚し、自主的に動くようになってから、はじめて治療効果が出るといわれている。