【この記事の目次】
2015年は格安スマホ元年
いわゆる「キャリア」と言われる通信会社はdocomo、au、SoftBankの3社だが、ここ1年ほどで世に出始めたいわゆる「格安スマホ」の類いはざっと探せるだけ挙げてみても、
- IIJmio
- 楽天モバイル
- BIGLOBEスマホ「うれスマ」
- DMM mobile
- hi-ho LTE
- mineo
- NifMo
- U-mobile
まだまだあるだろうが、メジャーどころはこんなものだろう。これから更に倍増とまでは行かないまでも、サービスの数は増えるであろうことは十分予測される。
テレビCMも盛んに流れ、家電量販店でも専用のコーナーが設けられるようになり始めた。そんな2015年はまさに格安スマホ元年になると言っても過言ではないかもしれない。
世の中全体をみればまだ導入率は低そうだが
では現在の日本の導入率はどうなのだろうか?MM総研の予測によると、2016年度の市場規模は3,240万回線、7,680億円に達するとされている。
電気通信事業者協会によると昨年の3大キャリアの契約者数がおよそ1億4000万件であるから、それと単純比較しても2割強といった普及率となる。
我々も世の中一般の声を拾うべく、「格安SIMって使っていますか?または使ってみたいですか?」という質問で100名へアンケート調査を実施した。(ミルトーク調べ)結果、普段からスマートフォンを使うであろうビジネス層を中心に取ったアンケートにもかかわらず、導入には消極的な意見が目立った。一部を抜粋して紹介すると、
今のままで充分かな、と思っているので使っていません(20代・ 男性)
興味はありますが、通話や通信の安定性に不安があります。(40代・男性)
格安という言葉自体が怪しい。( 20代・女性)
興味はあり格安なら使ってみたいかなとは思いますが、よくわからないので不安感はあります。( 50代・ 女性)
今のスマホに満足しているし、特別使ってみたいとは思わないです。( 30代・ 男性)
という感じで、実際「使っています」という意見は数えるほどしか見られなかった。やはり今日現在まだまだ世間に定着しているとは言いがたい現状が伺える。
キャリアと比較したら年間コストがなんと……
しかし、だからと言ってこのまま1年も2年も普及するのを待ち続けるのはもったいない。
実は筆者も最近、10年以上使い続けたキャリアを解約して格安スマホに鞍替えしたのである。そこで2015年のスマートフォンにかかる費用を比較してみたら驚きの金額がはじき出された。まずはこの表をご覧いただきたい。
2015年 | キャリア | 格安スマホ | |
1月 | ¥9,773 | ¥32,410 | ※ |
2月 | ¥9,773 | ¥2,365 | |
3月 | ¥9,773 | ¥2,365 | |
4月 | ¥9,773 | ¥2,365 | |
5月 | ¥9,773 | ¥2,365 | |
6月 | ¥9,773 | ¥2,365 | |
7月 | ¥9,773 | ¥2,365 | |
8月 | ¥9,773 | ¥2,365 | |
9月 | ¥9,773 | ¥2,365 | |
10月 | ¥9,773 | ¥2,365 | |
11月 | ¥8,357 | ¥2,365 | |
12月 | ¥8,357 | ¥2,365 | 得する金額 |
計 | ¥114,444 | ¥58,425 | ¥56,019 |
※新規契約事務手数料(3,240円)、MNP転出手数料(2,000円)、サービス解除料(9,500円)、機器購入代残金(17,670円)含む |
いかがであろうか。筆者の場合は今年の10月まで続くキャリアの機種購入代金の残金が17,000円ほどあったにもかかわらず、今年1年使い続けるだけでなんと56,000円以上ものお得になるのである。私はこの試算がはじき出された瞬間に、一も二もなく格安スマホに飛びついてしまった。
導入する際に忘れてはならないこと
使い始めてから首都圏近郊でしか接続をしていないので、たとえば地方に行った場合にどれだけ影響があるのかはまだ検証していないが、LTE回線ではあるので、ブラウザでのWebサイトの閲覧、メールの送受信、写真の送受信は問題なく行えている。
もちろん、通話だって今までと変わらぬ音質で(少なくとも私の耳では)話すことは十分可能となっている。
ただし、毎月のデータ容量の上限が4GBで計算しており、キャリアを使っていたときと比べて半分近くまで減ってしまったから、今までのように通勤電車で気軽に動画を閲覧することはしなくなった。不自由を感じているとすればその程度だ。
また、筆者は普段の買い物や定期券におサイフケータイをフル活用しており、たとえ財布を自宅に忘れても困らないが、スマホを忘れてしまったら買い物もできない、電車にも乗れないと、大変なことになってしまうほど依存してしまっているのである。
そのように「とにかく動画を見まくる」とか、「おサイフケータイは必需品」だとか、各自のニーズはまちまちであろうから、契約する際には必ずスペックを熟読して確認することをおすすめしたい。
(文/HOW MATCH編集部)
安すぎて怖い!本当に大丈夫なの?
格安スマホが安いには安いなりの理由がもちろんありますが、何やら専門的な用語が入ってよく分からないと頭を抱える人も少なくありません。今回は専門用語を極力抑えてわかりやすく説明してみました。
そもそも格安スマホって?
月額7,000円もかかっていたスマホの料金がわずか1,000円代になる!と突然言われても、安物買いの銭失いという言葉もあるように本当にそれだけ安くてしかも今まで通りの使い方ができるのか?と戸惑う人も多いでしょう。
では主に格安スマホと普通のスマホでは主に何が違うのでしょうか。
通信速度
1つ目の違いは大手キャリアと比べると通信速度が遅いことがあります。通信速度は格安スマホの中でも速いものも遅いものもあるようですが、やはり大手キャリアよりかは若干遅いということは避けられないようです。
メール
2つ目の違いとしては基本的にはキャリアメールが利用できないという欠点があります。例えば @docomo.ne.jp や @ezweb.ne.jp などのキャリアメールが多くの場合使えません。GmailやYahoo!メールだけで事足りるという人には問題ないかもしれませんが、これも大きな違いと言えるでしょう。
端末
3つ目の違いとしては、利用できる端末が限られるということです。基本的に端末と格安simがセットになっている格安スマホではお手持ちの端末で利用することはできません。お手持ちの端末を使いたい場合は格安スマホではなく格安simで検索してみてください。
料金
最後に最も大きな違いとしては、料金がとにかく安いということです。先ほどもお話したようにスマホが月額1,000円台で持てるということは非常に大きなメリットになります。
ではどうしてそこまで価格を抑えてスマホが利用できるのでしょうか?
どうしてそんなに安くできるの?
ここまで安くできる理由とは一言でいうと、スマホの性能などを最低限必要なレベルに設定することで、価格をぎりぎりまで下げているからです。
つまり各社で価格競争が発生しているのです。大手キャリアは品質保持やサポートなどを手厚くするために価格を高くしている傾向にありますが、格安スマホでは、それら全てを度外視してでも価格を安くしているというわけなのです。
ですから、大手キャリアはどの端末を購入しても、最低限のサービス品質が保たれています。しかし、格安スマホに関しては、きちんとサービスや評判、口コミを見て選ばないと本当に“安物買いの銭失い”になりかねません。
では“安物買いの銭失い”にならない格安スマホの中でも優秀な格安スマホを紹介していきます。
格安スマホ徹底比較!どこが一番安い?
価格がいくら安いからといってきちんと使えなければ意味がありません。そこで今回は通信速度もそこそこ速くて、電話回線も問題なく利用できることを基準にして考えてみました。
総合的に最もオススメ!楽天モバイル
次におすすめしたいのが格安スマホ、SIMカードの中でもとりわけそのポイント還元率が良いとされる楽天モバイルのSIMカードです。
この楽天モバイル、いわずと知れた楽天グループの提供するサービスのひとつなので、利用の際にはその料金に応じてその都度楽天ポイントが加算されていきます。
さらに楽天グループで提供されているサービスに関してより優遇された立場で利用していくことができるので、楽天グループのサービスをよく利用するという人には最適にプランでしょう。
この楽天モバイルは、その通信速度にも定評があります。よく格安スマホの多くは価格が安い代わりにその通信速度がとても低く設定されていると思われがちですが、この楽天スマホに関しては例外のようです。
実際、多くの比較サイトでもその通信速度の速さが実証されています。ただ、ここで取り上げる楽天モバイルのベーシックプランの場合、その速度は低速に設定されているため、その高速通信は利用することができません。
ただ、その分料金も安いので月額何と567円から利用していくことが可能です。もちろん、この他のプランであれば高速通信も利用可能なのですが、その分料金もプラスされるという点に関しては注意しておいた方がいいでしょう。
楽天モバイルは扱っている端末数が業界でNo.1という大きな魅力があります。それだけでなく、端末の購入や下取り、月々の支払いやアプリのダウンロードでさえもポイントが貰え、さらに契約中は楽天市場でのポイントバックがずっと2倍になるなどと特典も非常に豊富です。
価格が安いことももちろん、それ以外の特典も多いので、かなりオススメです。
通話が多い人にオススメのY!mobile
Y!mobileの強みは、なんといっても10分間の通話が月に300回まで無料だということ。格安スマホの中では若干格安ではなくなるかもしれませんが、元々格安スマホは通話には弱い傾向にあります。その中で通話がこれだけ自由にできて格安スマホが持てるというのはY!mobile以外には考えられないでしょう。
定額プランがおすすめのぷらら
格安スマホの中でも定額プランがよりおすすめなのがぷららです。
ぷららのデータ通信SIMはそのデータ通信の制限の有無、数値によってその料金が変わってきます。中でも最も安いプラン、定額二段階プランであれば30.5MBまでなら月々なんと390円で利用することができます。
ただ、この30.5MBを過ぎれば料金が2,550円と上がってしまうので注意が必要です。とはいえ、メールのやり取り程度で毎月ほとんどネット通信を利用しないという人であればそのプランでもなんら問題はないでしょう。
通信速度が売りのDMM
業界の中でも最もその料金が安いことで知られているのがDMMのデータ通信SIMです。
このSIMカード、1か月あたり1Gのプランであれば月額なんと660円から利用することができます。このプラン、1Gまでなら高速データ通信が可能なので、スマホを使用していてもメールやライン、ネット閲覧程度しか利用しないという場合には特におすすめのプランです。
もし仮に、それ以上のデータ量になったとしても速度は落ちつつもネット通信は可能なので、とにかく毎月の使用料金を抑えていきたいという人には最適です。
通常、大手のキャリアを利用している場合だと、データ通信だけでも月々7,000円前後の費用が掛かってしまうものでした。それが月々たったの660円で利用できてしまうのですから、かなりお得なプランだと言えるでしょう。
格安スマホの業界最低料金について
格安スマホの中でもとりわけ注目されているサービスがこれらになります。これらの格安スマホ比較してみるとその最低料金は楽天モバイルのベーシックプランです。
ただ、このプランはあくまで低速通信が主な利用になってくるので、高速通信に限定するのであれば、DMMのデータ通信1Gのプランでしょう。
どちらの場合もさほどネット回線を利用しないという人、もしくはほとんどがWi-Fi利用で済んでしまうという人におすすめのプランです。
大手のキャリアでスマホを利用するとなるとどうしても月々料金が7,000円前後と比較的高額になって今いますが、これらの格安スマホを活用していけばその通信費を格段に抑えることができます。その利用の頻度、データ通信の有無によってうまくこれらの格安スマホを活用していけばいいでしょう。
用途に合わせて契約を選ぼう
いかがだったでしょうか。格安スマホはとにかく安いけれど、安いなりに理由があるということもわかっていただけたかと思います。
格安スマホを選ぶときに大切なことは自分の用途にあったプランを探すこと、そして安さばかりを基準にしないことです。これらをきちんと守っていれば、月額1,000円台で今とほとんど変わらない品質のスマホを持つことができるかもしれません。
毎月のスマホの請求が高いと愚痴をこぼす前に、一度格安スマホの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
(文/河崎鷹大)