一日一食の健康法が話題になってる。栄養上問題がないのか、効果はどうなのか、考えてみよう。
日本は元来、一日二食だった
そもそも、日本では昔から「腹八分目」という言葉があるように、食べ過ぎは健康に良くないという考えは浸透している。また、食事の回数も、近代化する前は一日二食が普通だった。それが三食食べるようになり、カロリーの摂り過ぎや、メタボリックシンドローム、成人病が問題になってきた。
またとある研究によると、標準カロリーより20~30%カロリーを減らした猿が外見も若々しくなったという結果も出ており、カロリー制限によって老化をある程度抑制できるのではないかと考えられている。
さらに、健康法でも、一日一食以外にも、週末などのプチ断食やファスティングが流行している。
一日一食の効果とは?
これらの経緯を踏まえて、一日一食の健康法の効果とリスクを挙げてみよう。
まず、効果についてだが、当然一日三食よりは、カロリーを減らせるはずである。一日の総カロリーが全く同じなら、回数を分けたほうが減量効果は大きいという調査があるが、回数を増やすと、それだけトータルで食べ過ぎるリスクがある。
それ以外の効果として、食事に費やす時間と手間、費用の節約効果がある。一日三回も食事とその用意、後片付けをするのは、時間も費用もかかりすぎるものだが、これが一日一食になれば時間と費用を1/3に減らすことも可能である。
いきなり一日一食にするのは禁物!
次に、一日一食のリスクを考えてみよう。まず、食事回数が少ないと、一日に必要な栄養素が十分に摂取できない恐れがある。必要なビタミン、ミネラルやタンパク質などは、献立を注意して、不足しないように摂取しなければいけない。あるいは、ビタミン剤やサプリメントなどで補給するのも一つの方法であるが、添加物に注意しないといけない。
このように栄養面に気をつけてしまうと、食事回数や食事量が1/3だからといって食費やかかる費用まで1/3にはならないかもしれない。しかし、ここは費用の削減よりも健康を大切したほうが良いだろう。
そして、長時間食事をしないと、血糖値が低下して気分が悪くなったり、胃が痛くなったりするリスクがある。そのため、人によっては、いきなり一日一食にするのではなく、一日二食から始めるとか、少量の間食を取り入れるとか、工夫をする必要がある。
上手にやらないと体にも悪影響が
また、食事回数が少ないと、人によっては便秘になるとこもあるので、水分や繊維質などをいつもより多めに摂取する必要がある。
一日三食の場合、かなりの量の水分を食事から摂取しているので問題ないが、これが一日一食の場合は、意識して水分を摂取する必要がある。水分が不足すると、便秘だけでなく、脱水症状や膀胱炎、血栓などのリスクが高まる。
一日一食が最適なのかは、個人差があるかもしれないので、栄養不足が心配な場合は、あまり長期間続けないほうが良いかもしれない。何事もほどほどが大切だ。