クレジットカードは現金を持っていなくても、クレジットカード加盟店で商品やサービスの決済を行うことができて、利用者にとってとても便利は支払方法です。
特にVISAカードやマスターカード、JCBカードなどの国際ブランドは、加盟店が多く、最近ではあらゆるお店でカード決済が可能となっています。
ところで、カード利用者にとってとても便利なクレジットカードではありますが、カード会社やお店にもメリットがあるからこそ、成り立っているのです。
では、一体どのようなメリットがあるのでしょうか?この記事ではクレジットカード会社の仕組みについて詳しく紹介します。
クレジットカードにかかわる3社をご紹介
クレジットカードはVISAやJCBなどのカードブランドだけでなく、カードのランクもあります。
たとえば年会費無料の年会費一般のカードや、三井住友カード(クラシックカード)などのシルバーカード、富裕層の象徴といわれたゴールドカードや、招待を受けなければ入手できないプラチナカードやブラックカードなどが存在します。
他にもカードローンで知られるアコムが発行しているリボ払い専用カードがあり、今や1人が何枚ものクレジットカードを持っているという時代です。
そんなクレジットカードは、先に代金の決済をし、翌月以降に支払いをすることになります。その仕組みは、3社の登場人物によって成り立っています。まずはその3社を紹介します。
カードを発行するクレジットカード会社
クレジットカードにかかわる3社の中で、まず最初に紹介するのがクレジットカード会社です。
クレジットカード会社はクレジットカードを発行している会社で、多くの人がVISAやJCBなどの国際ブランドと混同しているのですが、実は国際ブランドが発行しているわけではありません。
クレジットカード発行会社はイシュアとアクワイアラの2種類に大別することができます。イシュアとはカード発行そのものを担っている会社で、クレジットカードの裏面に会社名の記載がされています。
国際ブランドが発行しているわけではないと説明しましたが、JCBやアメックスなどは、イシュアとして自社発行している場合もあります。
アクワイアラとは、加盟店との間で加盟店契約をしている会社のことを指します。
アクワイアラは表舞台に出ることがほとんどないため、初めて聞いたという人も多いと思いますが、アクワイアラが加盟店を新規に開拓することによって、加盟店が増えているのです。
つまり、イシュアはカード会員などの一般消費者から見たカード発行会社で、アクワイアラはお店が契約しているクレジットカード会社となります。そして、カードにブランド力を付けてくれているのが国際ブランドです。
同じクレジットカードだとしても、さまざまな会社が役割分担をして構成されているのが分かります。
クレジットカード利用可能な加盟店
加盟店とはひとことでいうと、クレジットカードが使えるお店です。
あなたが持っているカードがそのお店で使えるかどうかは、国際ブランドを見ると分かります。たとえばあなたの持っているカードがVISA提携カードである場合、お店がVISAに加盟していれば利用することができます。
クレジットカードは1枚のカードに複数の国際ブランドが付いていることがほとんどなので、クレジットカード自体に対応しているお店である場合、券面に記載されている国際ブランドのいずれかが使用できる場合が多いかと思います。
クレジットカードを使用するカード会員
カード会員は、クレジットカードを使用する人のことを指します。
クレジットカードを使用する場合にはそのカード会社の会員にならなければなりませんので、利用者イコールカード会員ということができます。
クレジットカードは手軽に利用できるというメリットがあるほか、利用ポイントが蓄積され、商品やサービスに交換することが可能です。
ほかにも特典や付帯保険などが付いており、利用者の利益を考えた機能となっています。
クレジットカードの仕組みとそのメリットとは?
クレジットカードはとても利便性の高いカードですが、誰にとってメリットがある仕組みなのでしょうか?実はカード会社にも加盟店にもカード会員にもメリットがある仕組みとなっています。クレジットカードの仕組みとそれぞれに対するメリットについて具体的に紹介します。
カード会社にとってのメリット
カード会社のメリットは、手数料収入を受取れるというところにあります。
カード会社は加盟店手数料によってなりたっています。カード会員がお店でクレジットカードを使った場合、一か月ごとに利用分の合計をまとめてカード会員に請求します。
その合計金額の中から手数料分と利用者に還元するポイント分を差し引いてカード会員が利用したお店に支払います。その残りの分がカード会社の収入となるのです。
つまり、カード会員が増えて、クレジットカードをたくさん利用すればするほど手数料収入も増えるため、カード会員と加盟店の増加がカード会社が儲かるかどうかの重要な要素となっているのです。
ほかにも、広告収入や年会費収入なども得られるため、収益の蛇口は複数あるようです。
加盟店にとってのメリット
加盟店はカードを利用されるとカード会社に手数料を支払わなくてはなりません。同じ商品を購入されるのであれば、どうせなら手数料は払わない方が良いですよね?
しかし、加盟店にもちゃんとメリットがあります。それは、クレジットカード払いに対応することで、クレジットカードのヘビーユーザーが買い物をしてくれやすくなることや、高額な商品の売上が伸びやすいというメリットです。
現金を持ち歩かないカード会員や、手持ちの現金が少なくて買い物ができない会員に対し、お店がカード対応していない場合、結局買い物を敬遠されることがあります。
また、高額な商品の場合、現金で購入するには負担が大きいため、分割払いやリボ払い機能が付いているクレジットカードの利用が便利です。たとえカード会社に手数料を支払ったとしても、それ以上に見返りが多いため、カード払いに対応しているお店が多いのです。
カード会員にとってのメリット
カード会社や加盟店など、いわゆる売り手側にメリットがあるということは、買い手側のカード会員にはデメリットばかりなのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。カード会員にもさまざまなメリットがあります。
カード会員にとってのメリットは大きく分けると
- 利便性
- ポイント還元
- 付帯サービス
- 付帯保険
の4つがあります。利便性は分割払いやリボ払いなど、支払計画が立てやすいことに加えて、カード1枚持っているだけで支払いができてしまうという手軽さもあります。
ポイント還元は、カード利用ごとにポイントが貯まっていき、カードによってはマイルに交換もできるため、お得に利用することが可能です。付帯サービスや付帯保険は、カードのランクごとに付帯するサービスです。
たとえば旅行保険やショッピング保険が付いていたり、ゴールドカード以上のランクでは空港ラウンジサービスや秘書のような専任コンシェルジュが付くカードもあります。
このように、カード発行会社にも加盟店にも、カード会員にもメリットが多い三方よしの仕組みとなっているのがクレジットカードなのです。
まとめ
クレジットカード会社の仕組みは、カード会員が加盟店で支払った金額を毎月まとめて回収し、手数料分とポイント分を差し引いてお店に支払い、残りの分が収入となります。
そのため、カード会員と加盟店が増えるほど収益を生みやすい構造となっています。
カード会社は手数料収入というメリットがありますが、加盟店にも売上増大のメリット、カード会員にも利便性や特典などのメリットがあり、近江商人が大切にしていた「三方よし」のモデルとなっているのが特徴です。
そのため、カードを持っていることが当たり前に思えるほど普及しています。
(文/田中英哉)