お寿司の食べ放題に行ったとき、あなたの頭に浮かぶのは「好きなものを好きなだけ食べる」ですか?それとも「元を取る!」ですか?「好きなだけ食べる」は比較的子どもが多く、大人の5人に4人が「元を取る!」と考えているようです。
元を取り、さらに最大限の得をするためにはどうしたらいいか分析しました。
ウニ、マグロ、穴子を選ぶ
お客様の満足度を維持しつつ経営的に安定させるためにも多くの回転ずしがネタの原価を平均42~48%に設定しています。1皿100円して原価率45%とすると100円支払って45円のものを食べているということになります。
もちろんサービスなどの経費が掛かるため実際の価値は45円ではありません。しかしここで注意したいのが42%~48%の原価は平均だということです。つまり原価率が高いものもあるというわけで、例えば原価率60%のものを食べれば同じサービスを受けて45円のものよりも15円得しているのです。
【原価率が高いネタTOP3】
- 1位 ウニ(一般的に約80%)
- 2位 マグロ(一般的に約75%)
- 3位 穴子(一般的に約70%)
【原価率が低いネタTOP3】
- 1位 ツナ(一般的に約10%)
- 2位 エビ(一般的に約25%)
- 3位 玉子(一般的に約30%)
1皿100円でウニを食べた場合 … 80円の価値
1皿100円でツナを食べた場合 … 10円の価値
それぞれ10皿食べた場合、支払うのはどちらも1,000円ですが、ウニの方が700円も得するのです。原価率の高い皿の方が効率的に元をとれ、最大限に得できます。
ケーキの皿はダークホース
回る寿司の中から子どもがケーキを選ぶことはありませんか?「せっかくなんだからお寿司を食べなさい」というお母さんが多いですが、比較的子どもが好きなネタはツナやコーンマヨなどマヨネーズが絡めてあるネタです。
マヨネーズがかかっているネタは実は原価率が40%以下と低く設定されています。一方でお母さんが諌めたケーキですが、ケーキの原価率は一般的に68%と高いのです。
お母さんに言う「せっかくなんだから」が「寿司を食べてもとをとりなさい!」ということならば、原価率の高いケーキを諌めるのは間違いです。そもそも寿司が好きな子どもなら寿司を食べるでしょうからお母さんの多くが「元を取りなさい!」と思って言っていると考えられます。
1皿100円でケーキを食べた場合 … 68円の価値
1皿100円でツナを食べた場合 … 10円の価値
ケーキを食べた方がツナのお寿司を食べるよりも58円お得なんです。しかも子どもは好きなケーキを食べられて満足できるため、総合的に見てケーキのほうがかなりお得だといえます。
茶碗蒸しと味噌汁は落とし穴
一般的にお寿司屋さんに行くと「お味噌汁や茶碗蒸しはいかがですか?」とすすめられます。最大限得をしたい場合、この2つに手を出してはいけません。
茶碗蒸しを自宅で作ると手間がかかるため、「茶碗蒸しの原価は高い」と考えるお母さんたちは多いでしょう。しかし茶碗蒸し、さらにお味噌汁はまとめて作るため製造原価が低くさらに粗利が高いというお寿司屋さんにとって良い商品なのです。
そもそもお店が自ら薦める品には理由が隠されています。だいたいは以下の3つです。
- 質に自信がある看板商品/人気商品
- 原価が安い商品
- 大量に仕入れ過ぎたため早く使ってしまいたい商品
「人気No.1 」「○○がテレビで紹介されました」などお店に行くと看板商品のおすすめがありますが、お寿司屋さんの場合は旬のものをすすめることはあっても看板・人気商品だからという理由ですすめることは少ないです。
「大量に仕入れ過ぎた」もハプニング(一時的)なので、いつも味噌汁や茶わん蒸しを薦めてくる理由としては「原価が安い」としか考えられないというわけです。
鮮度が命。面倒でも都度注文が良し
お寿司に限ったことではありませんが「新鮮なもの」「作りたて」が一番おいしいです。原価率が同じ商品ならば作りたての新鮮なネタの寿司を選びましょう。そのためには注文するのが一番です。
今では加湿器やフタでレーンを回る寿司も新鮮に見せる工夫がされていますが(実際に新鮮な握りたても回っています)、間違いを犯さないために多少面倒でも職人さんに注文することをおすすめします。
とはいえやはり好きなネタを
お寿司の食べ放題で最大限の得をするためには「原価率の高いもの選び、都度職人さんに注文して食べる」です。
しかし原価率が高いからといって好きなものを食べられなかったら食べ放題の価値も半減です(この時点でお得感はなくなります)。なので「好きなものを食べて、何を食べようか悩んだときに原価率の高いものから選択する」、これが最大限得する方法ではないでしょうか。
(文/高橋亮)