世界170ヶ国以上での販売実績を誇るトヨタ自動車(以下トヨタ)。2012年には累計販売台数500万台を突破、世界有数の自動車メーカーであることは誰もが認めるところでしょう。
そんなトヨタの気になる平均年収や福利厚生について調べました。
自動車業界トップクラスの平均年収
有価証券報告書などから算出すると、トヨタの平均年収は852万円と自動車業界でもトップレベルの水準を誇っています。年代別の平均給料額を見ると、
- 20代30万円
- 30代41万円
- 40代53万円
といずれも高水準で、離職率2.3%というのも納得できるところです。
さらに業種別の年収は
- 総合職1,139万円
- 一般職814万円
- 技術職797万円
と推定されています。役職別の年収では課長1,148万円、部長1,269万円となり、いずれもハイレベルの収入と言っていいでしょう。
充実した福利厚生
トヨタは福利厚生に力を入れている企業のひとつとしても知られています。たとえば、全国に約80もの社員寮を完備し、全室個室、1人1台分の駐車場(一部地域を除く)を完備しているなど、プライベート重視派が多い最近の若い社員にも好評です。
また、全国200ヵ所以上の保養所があり、社員同士の親睦会や家族連れでの利用も盛んになっています。
- 約3万人が収容できる総合グラウンド
- サッカー場
- テニスコート
- ジャグジー付き屋内プール
などがあり、社員のレクリエーションと健康増進に役立っている様子です。
その他、トヨタが用意している多種多様な福利厚生サービスから、従業員が自分に必要なものを選択して利用する選択型福利厚生制度「ウィルチョイス」も人気です。
- 健康づくり
- 退職後
- 財産形成
- 介護
- 保険・共済会
- 育児
- 自己啓発・趣味講座
- リフレッシュ
- 自動車関連
- 社内活動
- ボランティア
- 慶弔
- 通勤
- 日常生活
という多岐にわたるジャンルから、ライフスタイルやライフステージに合わせて利用できる、まさにオーダーメイドの福利厚生といっても過言ではありません。
ズバリ、トヨタに向いている人材とは?
年収も高く、福利厚生も充実しているトヨタですが、やはり向き・不向きというものはあります。
トヨタは「モノづくりを通じて、豊かな社会づくりに貢献する。」という企業理念を創業当時から掲げていますが、まずこれに共感できるかどうかが問われるでしょう。
とにかく車を売りさえすればいいというのではなく、それが世界中の人々の暮らしをどう豊かにしていくのか理想を持っていることも大事です。
しかし、高い理想を掲げているだけでは駄目です。目標に向かってやり抜けるためには、愚直な努力もいとわないガッツも必要とされています。
自分の信念は確固としてありながら、異なる意見にも謙虚に耳を傾け、まわりを巻き込み、チームワークを大切にできなくてはいけません。
さらに、グローバル企業なので語学力はもちろんのこと、世界の人々と物怖じせずに交流できる度胸も必要です。特に次の市場として見据えているアジア新興国の市場調査を行うことができる人材のニーズは一定して高くなっています。
- 一般事務
- 営業職
- 企画職
の他に
- カーデザイナー
- 半導体エンジニア
などいろいろな職種があることもトヨタの特徴です。自分の得意分野を活かして働きたいと考えている人にとっては、またとない職場となることでしょう。
ハードルの高い人材を求めそうなトヨタですが、実際に高卒の新卒募集はなく、少なくとも大卒以上という条件もあることを忘れてはいけません。
一方、大学院卒の募集もあるため「ポスドクだけは避けたい」と考えている、専門知識豊富な人材の受け皿となっているとも言えます。
語学力、コミュニケーション能力、専門知識に自身のある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(文/木野きのこ)