「お金が貯まらない」――銀行の通帳をじっと見ながらそう悩むサラリーマンは多いはずです。「何に使ったけ?」と特別な出費を思い出そうと頭をひねっても思い出せないものです。
平均年収の中央値位の給与はもらっているのになぜだろう、と頭をかしげていませんか?
なぜならば、実は特別な出費など存在せず、「塵も積もれば山となる」で毎日のちょっとした支出が貯まっているからです。 自分は節約家だと思っていてもけっこう無駄があるものです。
このちょっとした支出を管理する事、これが「お金が貯まる」道への基本となる第一歩です。そのためには支出をすべて書き出す事で無駄な支出に気付く事が出来ます。こうして無駄な支出を節約していけば、思いのほか大きな金額を貯金する事が出来るのです。
【この記事の目次】
30代~50代のリアルな貯蓄事情
日本法規情報株式会社が実施したアンケート結果によると、30代~50代の貯蓄は、
- 「100万円以上」が約32%
- 「50万円以上100万円未満」が11%
- 「20万円以上50万円未満」が8%
- 「20万未満」が約26%
このようなデータでした。安定した老後を送りたいために「若いうちから貯金しないと」と考えているのに対し、実際は半数が貯蓄出来ていません。さらに「貯蓄は無い」が18%、「貯蓄どころか債務がある」が6%の値でした。
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貯蓄出来ない理由は豊富な言い訳と甘い夢
「景気が悪いから給料が低くて貯金に回す余裕がない」
「結婚したり子供が生まれたり何かと物入りだから」
などなど、貯金出来ない言い訳はたくさんあります。
また先ほどのアンケートによると「年金など社会保障や子供の世話に期待している」と甘い夢を見ている人たちが約3割もいました。
それに「貯金していない人はそんなにいるんだ」と安心してはいけません。もちろん言い訳や甘い夢を見ている人はいますが、貯金しようと行動を起こしている人も多いのです。
その「行動」は二極化していて、1つは収入を増やす方法です。サラリーマンなどは急に手取り額が増えるわけではありませんので「副業を考えている」「副業をしている」と回答した人が合わせて約3割強いました。もう1つは節約する(支出を減らす)方法で約4割いました。
10人に1人が月30,000円程度の節約を実践
同アンケートによると、4人に1人が「月々10,000円程度の節約をしている」、さらに10人に1人が「月々30,000円程度の節約をしている」と回答しました。つまり10人あたり3~4人が「節約」を意識して生活している事になります。
節約の種類は人それぞれで「なるべく買い物をしない」「自動車の維持費の節約」「美容院は2か月に1度」「水道光熱費を極力抑える」「レジャー費用なんかとんでもない」「実家暮らしです」などなど。
「貯金が出来る」というのは生活習慣です。すぐに身に付く習慣ではないのでまずは節約する事を習慣化しましょう。節約する事を習慣化する事で、徐々に貯金が出来る体質になります。
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毎月発生する生活費をいかに節約するか?
節約が難しいのは「毎月生活費は必ず発生」し、しかもそれが「生きている限り延々と続く」という点です。 それは会社員をやめて仕事をしなくなったからと言っても同じです。
とは言え、年がら年中節約の事ばかり考えながら、生活費を切り詰める事ばかりに躍起になる人生というのもつまらないものです。お金をいかに守るかという考え方も大切ですが、それ以上に貯まったお金をいかに有意義に使い、それによってあなたが自分の人生をいかに豊かにするか、その事を考えた方がよっぽど健全ですし、本質です。
したがって、節約の鉄則は「無理をしない」事に尽きます。あなたが無理をせずに、毎月毎月ずっと続けられる節約方法って何でしょうか?それを考える一助として、これから「無理をしない節約術7選」を一挙紹介します。参考にしてみてください。
「おすすめ情報」無理をしない節約術7選
節約術にはいろいろありますが、長続きする節約術は必ず「無理をしない」「我慢をしない」です。そこで無理や我慢をせずにちょっとした手間で節約出来るおすすめの簡単節約方法を7つ紹介します。
節約作戦その1.ペットボトルをコンビニや自動販売機では買わない
ペットボトルの飲み物は、コンビニや自動販売機で買うと150円ほどしてしまいますが、スーパーやドラッグストアで購入すると90円くらいに抑える事が出来ます。
1ヶ月に20本買うと仮定して計算すると、(150-90)×20=1,200円の節約になります。また水筒を持っていけば、150×20=3,000円の節約する事が出来ます。
節約作戦その2.携帯電話の料金プランを見直す
利用している携帯電話のプランを店員の言うままに設定していませんか?
毎月の携帯電話代は多い人で20,000円ほどになりますが、料金プランを見直せば安くなりますし、最近増えてきた格安SIM、格安スマホを活用すれば2,000円~3,000円以内にする事も可能になります。ここは要チェックです。
節約作戦その3.弁当持参でランチ代を節約
新生銀行が20代~50代のサラリーパーソン2,000人を対象にした調査によると、ランチ代の平均額は510円。勤務先にお弁当を持っていけば、500×20=10,000円の食費を節約出来ます。
弁当といってもキャラ弁のように凝ったものはサラリーマンの弁当には不要です。夕食の残りでも十分満足出来る弁当が作れますので、無料で出来るとは言いませんが、手間がかかって面倒と思わずに、気軽に作ってみたらいかがでしょうか。さあ、ランチ代節約開始です。
節約作戦その4.ガソリンはセルフ、またはプリペイドカードで入れる
セルフのガソリンスタンド、またはプリペイドカードを使うと、通常のガソリンスタンドに比べ1Lで1~5円安くなります。またガソリンスタンドはリピーター客を増やすためにさまざまな割引プランを設定しています。
会社の帰り道だったり自宅の近くだったりと、使いやすいガソリンスタンドを固定して利用する事で割安で給油する事が出来ます。
また、ポイントカードの提示でポイントがたまるポイントサービスを実施しているところもあるようですので、マメにネットなどでチェックしてみてください。
節約作戦その5.財布の小銭は貯金箱に、千円札10枚よりも一万円札1枚に
ある心理学者によると、人は安定した状態を不安定な状態にする事を無意識に避けるそうです。お金もその原理に当てはまり、何となく口寂しくてペットボトル飲料(150円)でも購入しようと考えたとき、財布に一万円札しかないと「いいや」と購入しなくなるそうです。反対に千円札や小銭があると何の抵抗もなく使ってしまうそうです。
確かに心理学の専門家らしい洞察です。
消費税が5%から8%に上がった事で目立つのが財布の小銭です。自宅に貯金箱を設置し、500円玉などの小銭を貯金箱に入れていきましょう。財布の中の現金は出来るだけお札だけにしておくと無駄遣いを防げます。
もちろん衝動買いの可能性も減ることでしょう。
節約作戦その6.変動費ではなく固定費の削減に取り組む
家計簿を付けた事ある人なら痛感している事かと思いますが、毎月の家計を逼迫しているものって、たまに行く旅行やご祝儀代ではなく、毎月必ず発生する家賃などの住居費や住宅ローン、光熱費、保険、新聞、スマホに払っている通信費、子供の塾などの教育費、駐車場代などなど、知らず知らずのうちに毎月支払っている固定費だったりするのです。
住宅ローンは金利の安い銀行を探せば、毎月で万単位の節約、総額で百万円単位の節約になります。保険料や通信費、駐車場代など、毎月単位ではそれほど大きな出費に感じにくいものですが、それらをまとめて一度、1年間でいくら支払っているのかを算出してみると、その金額の大きさに目が飛び出ると思いますよ。
より安いサービスを探して、申し込み手続きをして……と、固定費の見直しは何かと面倒な作業ではありますが、これは一度やってしまえばあとは放っておくだけで年間で万単位の節約が何もしなくても出来てしまうのです!
もちろんそれは預金に回しましょう。
また、毎月支払いが決まっている固定費はクレジットカードで決済しましょう。クレジットカード払いならポイントがたまるので払って終わりではないことが最大のメリットです。
節約作戦その7.手取り年収の1割から2割を自動的に貯金に回す
こちらは手取り30万円のDINKSの家計の割り当てをシミュレーションした例です。あなたの毎月の金額とくらべてどうでしょうか?
家計の内訳 | 割合 | 金額 |
食費 | 15% | 4.5万円 |
住居費 | 25% | 7.5万円 |
水道光熱費 | 5% | 1.5万円 |
通信費 | 6% | 1.8万円 |
保険料 | 4% | 1.2万円 |
趣味・娯楽費 | 3% | 0.9万円 |
被服費 | 3% | 0.9万円 |
交際費 | 2% | 0.6万円 |
日用品・雑費 | 2% | 0.6万円 |
小遣い | 12% | 3.6万円 |
その他 | 3% | 0.9万円 |
貯蓄 | 20% | 6.0万円 |
合計 | 100%? | 30.0万円 |
家庭を持って子どもが生まれたりすると、被服費や交際費を削ってでも日用品や雑費を支払わなくてはならなくなり、2割の貯蓄も難しくなるかもしれません。
しかし、手取り年収から生活費をすべて差し引いて、1割から2割を目標として残す事が出来ればまずは上出来と言えるでしょう。上記の表を参考に、あなたの予算を立ててみる事から始めてみましょう。
今日からの取り組みが10年後に功を奏す
以上が節約方法まとめでした。それほど難しくなく、明日から実践出来るような節約術ばかりだと思います。この地道な取り組みが、5年後10年後に大きく効いてきます。そしてどれもコツさえつかめば楽勝のものばかりです。
特に社会人になってすぐにこれらの方法を始めるといつの間にか習慣となって気が付くとかなり高額な貯金の積立となっているはずです。 貯金は早めが一番です。
「貯金体質」になるためにも、まずは「節約」からはじめてみるのが一番の近道、ベストアンサーです。いざという時、何より頼りになるのが貯金というものですので、早速実践してみてください。
(文/高橋 亮)
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