女性の貧困――保育士の年収は200万!?リアルな実状を直撃!

年収を上げたい        2015年08月10日

年収200万残業代ゼロ

(この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。)


  • まずは新企画誕生のごあいさつから

    「みなさん、こんにちは。HOW MATCHのHOW MATCH編集部です。今日お誕生日のみなさん、おめでとうございます。」

    と、某ラジオ番組の冒頭あいさつを丸ごとパクることからスタートしましたが、今日は新企画をここでスタートさせたいと思っております!

    その企画とは上のタイトルにもありますとおり、「(ほぼ)日本一聞き上手な私があなたの悩みを0円で聞かせていただきます!」です。

    何のことだかさっぱり分からないかもしれませんが、この企画は一般から募った人に、私が直接お会いさせていただき、そこで日常抱えるお悩みをとことんまで語り尽くしていただく、というインタビュー企画です。

    なぜ、こんな企画をやろうと思ったのか?

    こんな企画をやりたいと思った理由ですが、私がこのHOW MATCHを立ち上げるために、いろんな人々にインタビューをさせてもらったのです。そのインタビューにて、普段は平穏無事に過ごしていそうに見える人でもよくよく聞いてみると結構難しい悩みを抱えていたりするのでした。

    そういう人間の内面に触れることの面白さ(と言ったら失礼かもしれませんが)を感じ、これはぜひHOW MATCHで記事にしてみたいと、このサイトが立ち上がる前からずっと思っていたのでした。

    また、私もいままでに周りの人から3回くらい「聞き上手」と言われたことがあります。自分でもそう思ってます。なのでタイトルに「(ほぼ)日本一聞き上手な私」と入れさせてもらいました。「ほぼ」と入れないと景表法に抵触してしまうからであることは言うまでもありません。

    なので今回の第1弾は、まさに手探り状態の試運転です。この企画が継続するか今回かぎりで終わってしまうかは、私のがんばりとこの記事を見てくれるあなたにかかっています。

    なのでもし気に入ってくれたのでしたら、記事の上下にあるソーシャルの拡散ボタンのどれでもいいのでバシバシ拡散してくれたら、もう私はそれだけで幸せです!

    ――

    栄えある新企画・第1弾にご協力いただきましたのは、都内在住の井出洋子さん(←完全なる仮名です。念のため)。仕事が忙しいなかを調整していただいて、こちらのオフィスのある代々木にまで来てもらいました。

    日も沈みはじめた平日の18:00からインタビューはスタートしたのですが、私は最初、彼女はきっとどこかのOLだろうと思いながらお仕事についてから聞いてみたところ、彼女の口から出てきたその意外な職種の話を聞いて、早くも私の先入観は打ち砕かれたのでした。

    「小さいころから自然と保育士になると決めてました」

    そう。井出さんは保育士さんだったのです。私の勝手なイメージだと、保育士さんはこんな場で悩みをぶちまけるような職業ではないと思っていただけに、かなり驚いてしまいました。早速、いろいろと聞いてみることにしました。

    ――どういったいきさつで保育士さんになったんですか?

    井出洋子さん(仮名・以下、井出さん) : 私が小さいころに通っていた保育園でお世話になった保育士さんがすごく良い人で。もう昔の話なので細かなことまでは覚えていないのですが、そのお世話になった保育士さんとは、私が卒園後にも手紙を送ったりしてずっと連絡を取りあっていたんですね。

    そのようなことがあって、もう小さいころから自然と「私は大きくなったら保育士になる」って決めてました。

    ――すごいですね。普通、将来の夢って幼稚園、小学生、中学生と上がるにつれて変化しませんか?

    井出さん : そう。そのときの周りの友だちには、まだ大きくなったら何になるかを決めていない人もいたりして。私にしてみればそれはものすごく不思議だったんですね。

    私の性格的に「自分でこうと決めたらやり遂げる!」というものがありまして。なので最後までその意思が揺らぐことなくここまで来ました。

    「完璧な英語なんて必要ありませんでした」

    ――保育士になるまではどのような人生を歩んできたのですか?

    井出さん : 中学校から私立に通いまして、その中学校では海外でのホームステイが必須でした。でも当時の私は英語が苦手だったんです。本当に、テストで点数がひとケタなんてこともあったくらいなんですよ(笑)。

    それにその頃は性格的に引っ込み思案なところがあって、「ホームステイなんか行きたくない」って思っていたんです。でも父が「海外での経験は視野が拡がるから絶対に行っておいた方がいい」と私に言ってくれました。

    ――それで、実際にホームステイに行ってみてどうだったんですか?

    井出さん : 「あれ?意外と私、英語でコミュニケーションとれる!」って思いました。大雑把な私の性格が幸いしたのか、完璧な英語なんて喋れなくても意思疎通ができたんですよ。それが私にとってとても良い経験になりましたね。

    実際、優等生だったクラスメイトはホームステイ先でも完璧な英語を喋ろうとしてなかなか意思疎通ができなかったみたいです。でも私はとにかく言葉だけじゃなくてジェスチャーとかいろいろな方法でコミュニケーションしました。

    そういう経験を通じて、「コミュニケーションの真髄とは何か?」を学んだと思います。

    ――わかります!会話って言葉だけじゃありませんものね。最近はゲーム感覚で身に付く英会話トレーニングシステムもありますからね。

    井出さん : そうです。これは日本の英語教育が良くないのもあると思うのですが、みんなどうしても「きちんと文章を作ろう」としてしまうんですよね。

    でも、上手に喋れなくて当たり前ですから、海外の相手もそういう耳で聞いてくれるんですよ。私たちも日本で海外の人がたどたどしい日本語で喋ってきたら聞こう、理解しようという姿勢になりませんか?

    ――その通りですね。では、そうやって体得された英語で高校、大学と行かれたのですか?

    井出さん : そうです。大学では心理学を学びました。アメリカンスクールにて英語で授業を受けたのち、アメリカにも留学してそこでいろんな経験をいっぱいしましたね。

    ――ちなみにアメリカはどのへんに?

    井出さん : ウィスコンシン州です。シカゴ(イリノイ州)の上あたりですね。

    ――西側ですか?(←よくわかってない)

    井出さん : いえ、東側です。東側のかなり上の方ですよ(笑)。

    「日本には自己評価を下げて予防線を張る風潮があります」

    ――そうやって海外経験を積まれて、何が一番身についたと思いますか?

    井出さん : さまざまな人の意見に耳を傾けることでしょうか。日本にはなかなかないですが、アメリカにはきちんと「ディスカッションする」という文化があります。

    ――日本人はとにかく議論やディスカッションが苦手ですよねぇ。

    井出さん : そうなんです。ひとつのことに対していろいろな考え方があって、自分の考えに対して「もしかしたらこういう考えもあるのでは?」というふうに考えられるようになる必要があるんです。

    そこからつながる話で自信を持って話すというのは大事だと思います。日本って最後に1個だけ残ったお菓子すら食べるのを控えるくらい、謙遜する文化がありますけれども、それって見方を変えれば自己評価を低くすることで、結果が多少低くても高く見えてしまう、そんな面もあると思っています。

    ――いますね、そういう人。日本ならではの文化だと思います。そうしてアメリカでの濃い留学生活を経て、日本で保育士の資格を取ったわけですね?

    井出さん : そうです。保育士になるというのは決めていたことなので、国家試験を受けて保育士としてのキャリアをスタートさせました。

    ――それだけ広い世界をいっぱい見てきたうえで、日本で保育士といういわば狭い世界に身を置いたわけですよね?実際に働きはじめてからどうでしたか?

    井出さん : 大変なことがいっぱいありますよ。全部お話してもいいですか(笑)?

    ――ぜひお願いします(笑)。

    「年収は200万、残業代もありません」

    保育士の年収は200万!?井出さん : まずは年収です。今、私の年収も200万円ていどで、しかも残業代もないんですよ。朝は早いときは7:00から園児の受け入れがありますし、帰りは遅ければ自宅に着くのが22:00ごろなんていう日もあります。

    当然、行事とかあれば土日勤務の日もありますけれども、それにすら手当がつかないんです。

    ――えっ、そんなに低かったのですか……?

    井出さん : しかも現場で保育士を続けているかぎり、この収入が上がるということはありません。園長クラスでも300万円行くか行かないか、というくらいなんですよ。

    実際、園の経営者がどれだけ中抜きしているのか分かりませんが、現場の保育士の収入なんてだいたいこのくらいなんです。

    ――ちなみに今はご実家に住んでるのですか?

    井出さん : ひとり暮らしですよ。実家は鹿児島県なので、もう3~4年に1回くらいしか帰省していません。こういう仕事なので、お盆にも休めないんですよ。

    ――ぶっちゃけ、都内のおひとり暮らしだと家賃とか大変じゃないですか?

    井出さん : 大変ですよ。手取が17万円から18万円くらい。そこから家賃とか生活費を差し引いたら、貯金をする余裕なんてありません。本当は将来的に渡米していろいろやりたいこともあるんですけれども、いまの生活はカツカツですよ。

    「怒られ弱いゆとり世代には本当に手を焼いています」

    ――失礼ですが、今おいくつですか?

    井出さん : 32歳です。

    ――そのくらいの年齢だと、保育園ではどのくらいの地位、ステータスなんですか?

    井出さん : 上の方ですね。24歳~25歳ではもう中堅どころですよ。

    ――じゃあ、いちばん若いのだと?

    井出さん : 20歳です。短大を卒業して、そのまま資格を取ったら入ってくるので最年少だとその年齢になります。

    ――ひとまわり違うわけですね。現場ではそういう新人を指導する立場にいるわけですか?

    井出さん : そうです。これも、もう本当に大変ですよ。この世代の人たちってそれこそ穴あけパンチの使い方すら知らないんです。何年も同じことを教えていると、「あ~また穴あけパンチを教えなきゃいけない季節になった」って思うくらいですよ(笑)。

    それに私たちの世代って、怒られて仕事を覚えてきた世代なんですよ。ところが今の新人の世代はなかなか怒れない。怒られ弱くって、すぐに萎縮しちゃうんです。

    ――あぁ、怒られ弱いゆとり世代ってニュースでも見ますけど、本当のことだったんですね~。

    井出さん : これには日本の保育士の教育カリキュラムが足りていないことも原因だと思っています。せめて現場で最低限必要な仕事くらいは学生のうちに教えるようにしてほしいものですね。

    ――どの業界もゆとり世代に手を焼くのは変わらないものなんですね。

    「果たして5年後も保育士を続けていられるだろうか」

    ――現在、キャリア的にも岐路に立たされていると思いますが、これからは保育士という仕事とどのように付き合っていきたいと考えてますか?

    井出さん : いまの形でずっと働き続けたところで昇給もありませんし、せめて園長になるくらいです。でも、私は管理する側じゃなくて現場に出て子供たちと接していたいんです。

    ――そういう状況を打破するために、何かできることはありますか?

    井出さん : 昔に一緒に働いていた、同年代の同僚たちと5人で新たな保育園を開業したいね、という話はし続けています。実際は、先ほども言いましたようにお金も時間もなかなか確保できないので、難しい話なのですが。

    行政がいま、待機児童問題の解消のために准保育士という制度を導入しようとしたりしていますが、実は日本には60万人ほどの保育士がいて、昔は保育士をしていたのにいまは資格をもて余している、そんな保育士がいっぱいいるんです。

    ――あぁ、それは分かる気がします。私の知り合いにも昔に保育士やっていたっていう人いますもの。

    井出さん : それが保育業界の現状なんです。保育士のキャリアプランが確立していないから、保育士としてキャリアアップする方向性が見えない、収入も上がらないから結局みんな結婚とか出産を機に辞めちゃうんです。現場からすれば行政は何も分かっていないとしか言えません。

    「留学時代に見た、途上国の友人のバイタリティが忘れられない」

    ――もし、5年前や10年前の自分がいまここにいるとしたら、何か言ってあげたいことはありますか?

    井出さん : 留学していたころ、他にも色んな国からやってくる人たちがいて、中でも途上国からも留学してくる人たちがいたんですね。

    で、そういう国から来ている人たちって、背負っているものが私とは違いすぎるんです。みんな、家族の生活を支えるための覚悟をもって勉強しにきている。そういう人たちの勉強にかける情熱は本当にすごいものがありました。

    だから、もしあの頃に戻れるのでしたら、「もうちょっと本腰を入れて英語とかを勉強しないと後悔するよ」って言いたいですね。

    ――

    新企画の初インタビューを終えて

    以上、18:00からはじまったインタビューも、当初は1時間ほどで終わらせる予定だったのですが、気づけば20:00になっておりました。

    人生に対してまっすぐな姿勢で挑み続けている井出さんの話には、まったく畑ちがいの仕事をする私にとっても考えさせられるものがありました。

    保育園は生まれた子供がはじめて接する社会です。そこから先の小学校、中学校というステップを踏むにあたってもないがしろにはできないものです。

    今回のインタビューでも痛烈に感じた、「現場と行政の意識の乖離」は保育業界にかぎらず、どの業界でもあるものではないでしょうか。

    そのために、あなたができること、私ができること、考え、行動すべきことは何か。そんなことを考えさせられたインタビューでした。

    (インタビュー・文/HOW MATCH編集部)

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