【この記事の目次】
住宅ローンには厳正な審査基準がある
3500万円のマンションを購入するとき、銀行に住宅ローンの借り入れを申し込むのが一般的ですが、住宅ローンは誰でもいくらでも借りられるわけではありません。厳正な審査基準があります。
チェック項目としては「個人の信用情報」、「勤務先や勤務年数」、「健康状態」そして「年収(所得金額)」が挙げられます。住宅ローンは長い間、例えば35年間で返済するので、35年間安定して収入を得られるかがチェックされます。
また生活費などもあるので一般的に年収の25~35%が年間のローン返済限界額と言われています。そのため住宅ローンを借りる前に、ショッピングや車のローンなど別の借り入れがあったら事前に返済することをおすすめします。ただし、他のローンがあるからと言って必ずしも借り入れを拒否されるわけではありません。
また安定性の重視から勤務先に勤続3年はしていて欲しいところです。キャリアアップの転職ならばまだ望みはありますが、勤続年数3年未満は安定していないとみなされて借り入れが難しいと言われています。
しかしやはり現実には「年収(所得)」が一番のチェック項目になっています。3500万円のマンションを購入することを例にして、まとめてみました。
マンション購入費=物件価格+諸経費
マンションを購入するときは物件そのものの価格(物件価格)にあわせて「諸経費」がかかります。広告を見るときに注意したいのは、広告に表示(それも大きく)されている価格は「物件価格」のみで、「諸経費」は含まれていません。
マンション購入の場合、物件価格が大きい金額なので、諸経費もそれに比例して高く、目安としては物件価格の3~5%かかります。つまり3500万円の物件ならば、105~175万円、軽自動車が新車で買える程度の「諸経費」がかかってしまいます。
マンションを購入するとき「全額キャッシュで」と言える人はごく少数で、大部分の人が「自己資金」と「住宅ローン」を準備します。一般的には購入にかかる全金額のうち、頭金と諸経費は「自己資金」で賄い、足りない額を銀行などから借りる「住宅ローン」に頼るかたちになります。
しかし「住宅ローン」を借りるには審査があります。また誰でも希望するだけ借りられると勘違いしている人も多いのですが、借りられる金額は年収や所得金額によって異なります。しかし「借りられる金額」を心配する前に、「借りられる資格」があるかどうかチェックする必要があります。
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住宅ローン審査基準である「最低年収」
各金融機関が設定している「最低年収」は様々ですが、200万~300万円ていどのところが多いようです。しかし金融機関によっては400万円以上のところや、親や配偶者など他にも収入があり合算している人の年収も最低年収を満たす必要がある金融機関もあります。
ここで注意したいのは自営業の人です。サラリーマンは自動的に税金が差し引かれているため税金対策はできません。しかし自営業者の場合は、税金対策で納税額を低くするため極端に所得金額を少なくしている場合もあります。
自営業者の場合は「所得金額」が「年収」のかわりをして審査の対象となります。ただし一概に所得と言っても、課税される所得金額を対象とする場合と、減価償却費などをマイナスする前の、いわゆる「所得額」自体を審査対象とする場合があります。
しかしどちらとしても、申告している所得金額が少ない場合はローンを組むときにとても不利になり、借り入れできない危険も多分にあります。マンションを購入したいと考えている自営業者の人は過度な節税対策を控えることをお薦めします。
頭金を準備しよう!でもいくら貯めたら良いのか?
借り入れできる金額は年収負担率で決まります。年収負担率は「年間返済額÷年収」で計算されます。年収負担率の上限に関する基準は金融機関ごとに違いがあります。
ですが、大まかにみて年収によって25~35%以内(例:年収250万円未満 25%以下、年収250万円以上400万未満 30%以下、年収400万円以上 35%以下)が多いようです。
毎月の返済額を合わせて、例をあげて説明します。年収400万、物件価格3500万円のマンションを購入する想定です。マンション購入にかかる費用は諸経費を合わせて約3675万円となります。
年収400万円の場合、1ヶ月当たりの返済上限額は約11万6,667円 (400万円×35%÷12ヶ月=約11万6667円)
一般的な住宅ローン金利4%、35年返済の場合、1000万円当たりの毎月の返済額は4万4,277円なので、借り入れできる金額は約2635万円(11万6667円÷4万4277円×1000万=約2634万9346円)
つまり最低でも865万円は「自己資金」として準備しておかないと、マンションを買うことはできません。また「自己資金」と「住宅ローン」のバランスによっては物件価格3500万円のマンションに5000万円以上かかることになります。
35年ローン、35年後の総支払額はいくら?
2500万円を35年ローン、金利4%で計算すると、毎月の返済額(ボーナス月含め)は約11万円、35年後の総支払額は4649万1,060円になります。
頭金と諸経費で約1000万円支払っているので、マンションの購入にかかった総支払額は約5650万円となります。更にこれには管理費は含まれていません。
マンションには管理費がかかります。一般的に1平方メートル当たりで管理費は設定されており、中層・中規模なマンションは管理費が比較的安めです。
物件価格3500万円のマンションを想定すると広さは約65平方メートル。全戸数が100戸の首都圏のマンションと想定すると、1平方メートル当たりの管理費は203.96円(2011年時点)なので月額約1万3,257円となります(35年間で約557万円)。
その他、修繕費や駐車場代など購入してからかかる費用もあります。マンション購入時にはそれらをよく考える必要があります。
3500万円の融資を受ける場合、一般的に返済額は所得の30%程度と言われています。滞りなく返済をしていくと考えた場合、年収600万円あると良いでしょう。
もし、年収をこれ以上上げる必要があるとした場合、転職は一つの有効な手段となりえます。
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(文・高橋亮)