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月収5万の地下アイドル、地の底で夢を追い続けた挙句にうつ病に…

投稿日:2017年11月22日 更新日:


世の中には、実に様々な職業がある。

仕事に貴賎はないというが、筆者もそのとおりだと思う。

職業として就労して、お給料をもらっている以上、どんな仕事にも何がしかで誰かの役に立っているものだと考えている。

たとえばアイドルという仕事は、歌って踊ることでファンにたくさんの夢と勇気と希望をあたえる、立派な仕事だ。

現代では、アイドルの数も数え切れないほど。

有名なアイドルもあれば、全く無名ながら、地道に活動を続けるアイドルもある。

今回は、中でも無名ながらも頑張っている、地下アイドルと呼ばれる女性にスポットを当ててみたい。

2015年。筆者はひょんなことから、当時地下アイドルとして活動していたUさんと知り合った。

最初に断っておくと、あくまで知り合っただけであって、別に男女の関係になったというわけではない。

あくまでも知人という関係である。

Uさんは現在では地下アイドルを辞めてしまっている。

その理由はひとえに、収入が不安定であることと、誘惑に勝てなかったこと、そして精神的な負担の大きさに起因している。

アイドルとして得られる収入なんて、毎月50,000円少々。

おのずとアルバイトに精を出す合間に、アイドルとしてのレッスンを続けるという過酷なスケジュールを強いられた。

やがて彼女は、なかなか売れない自分の現状に苦悩し、うつ病を発症した。

さらにマズいことに、事務所に隠れてファンの男性と関係を持ってしまっていたのである。

ファンと陰で繋がるという行為そのものは、決して褒められた話ではない。

しかし、将来への不安を日々悶々と抱える中で、恋愛まで禁じられてしまうというのは、いくらなんでも若い女性にとっては厳しい話だ。

実はこのような、なかなか日の目を見れずにがんじがらめの状況の中でもがくというのは、マイナーな地下アイドルの世界では、さして珍しい話でもないという。

そして中には、そんな日々に疲弊しきって、モチベーションがどん底まで落ちてしまう者もいるそうだ。

地下には、プロ意識のない、なんちゃってアイドルが多い

売れるために努力をしている地下アイドルも大勢いる。

が、少なくとも全員がそういう志を常に絶やさないわけではない。

中には漫然と「夢」を追いかけているだけで、徐々に年齢を重ねていき、需要がなくなり、病んでしまう女性アイドルも多い。

冒頭で紹介したUさんも、2015年当時は既に20代も半ば。アイドルとしての需要は、低くなってしまっていた頃合いだった。

そこへ来てうつ病と、男性とのスキャンダルが露見してしまったため、後がなくなってアイドルの世界の末席からも消えてしまった。

だけど筆者はUさんを「駄目な人だなあ」とは思えない。

報われない日々って、どんな仕事をしていてもモチベーションを下げる要因である。

そして現状、毎日の仕事に従事している人の大半は、報われなさを感じているんじゃないだろうか。

自分の仕事が評価されず、給与もなかなかアップしない。

ボーナスは目減りするし、人材は枯渇しているので、埋め合わせのためにいくつもの仕事を掛け持ちする。

こういった状況が続けば、誰だってあるときに限界を感じて、過ちを犯したり、心を病んでしまうというものだろう。

Uさんも、傍目に見ればプロ意識のない、なんちゃってアイドルのまま終わった人と見ることもできる。

ただ、UさんはUさんで、それなりに悩みを抱える日々を送っていたわけで、アイドルとしては最悪の理由でリタイアしたからといって、一概に責められるべきではない。

狭い地下で女子がひしめくのはアイドルとして健全な状況か?

ところで、地下アイドルの世界には、特有の厳しいトラブルというのもあるようだ。

Uさんに以前聞いたことがあるものの中から、印象的だったものをこちらにも紹介していきたい。

メンバー間の小競り合いがキツい…

地下アイドル限定というわけでもないだろうが、メンバーの仲が悪いということも、決して珍しくはないという。

ステージ上ではファンもいる手前、なかなか表面化できないところだが、舞台裏では陰湿ないじめや、メンバーのケンカも珍しくなかったということだ。

お客さんを前にしているときは、全員が仲良しこよしの体裁を必死で取り繕うだけに、舞台を降りたあとの空気感のギャップというものは、想像を絶するものがあるというのだから、恐ろしい。

事務所との対立も多い…

また、自分が所属している事務所に、反感を抱く地下アイドルもいるという。

なんでも、「どうせお前ら売れないし、プロデュースする気がないよ」という態度を露骨に見せてくる事務所もあるそうだ。

事務所がこんなスタンスでは、出るやる気も出ない。

理想と現実とのギャップに失望して、去っていくアイドルも多いとのこと。

どんな職業にも言えることかもしれないが、自分の歩んだ進路で大成することは滅多にはない。

誰もが社長になれるわけでもないし、誰もが立派な役職に就けるわけでもない。地下アイドルも同じことだ。

ほとんどの地下アイドルは、最初こそ夢を抱いてひっそりとデビューする。が、ほどなくして普通の女の子に戻ってしまう。

アイドルの世界は、地上も地下もなかなかに厳しい。

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