【この記事の目次】
せどり=転売して利益を得ること
せどりというワードをご存知だろうか。
せどりとは、商業的な言葉でいうところの、ガラクタの中から骨董など掘り出し物を見つけ出して、これを転売して利益を得る行為のことを指すというもの。
このせどり、最近は骨董よりも古書関連でよく目にするワードになってきた。
というのも、最近ではブックオフなどの古本をとんでもなく安く買い叩き、せいぜい数百円で販売する薄利多売のチェーン店が全国的に増えてきた。
買取のマニュアルはあれど、高価な書物をいちいち専門的に買い取ったりはしない。
スタッフはバイトだし。
非常に価値のあるものであっても10円少々でまとめて買い取ってしまう。
そして売り出す価格も激安状態であるため、見る人が見れば10,000円出しても惜しくないようなものですら、そこらじゅうに転がっている。
こうしたチェーン店は、古本を専門にやっているせどりの人間からすると、まさに宝の山なのだ。
せどりについて専門家に聞く
想像するまでもないことだが、このせどりでまとまった収支をあげるというのはなかなか大変なもの。
しかし、お小遣い稼ぎぐらいにならなるかもしれない。
そう考えた僕は、古本のせどりを専業にしている、K氏に取材を申し込んだ。
そして、より高価な古本の仕入れと販路開拓のコツと、率直に聞いてみた。
まずはたくさんの古本の中から、高価なものをいかにして見つけ出すか。
これについて意見を伺ってみたところ、K氏はこう返している。
「昔はしっかりと知識がないとダメだったけど、今は便利なもので、スマホ使って(通販サイト)Amazonのマーケットプレイスなんかで高価で出品されているものと同じものを選んで買えばいい。
マーケットプレイスで購入されている実績があるものなら、とりあえず購入しておくべきだね。どうせ購入金額はせいぜい数百円程度だし」
なるほど、なるほど。
しかし、いちいち書籍のタイトルを入力して価値を検索するのも手間ではないのだろうか。
そう思った僕がこのことを質問してみると、明快な答えが返ってきた。
「そういう場合はISBNコードを入力すればいい。
ISBNコードは、商品として流通している全ての本に割り振られた番号だから、これを入力して検索すれば、いちいち著者の名前や正確なタイトルを入力しなくても価値が分かる」
このISBNコード、大体は巻末や背表紙の下側に印字されているということだ。
たしかに、手元にある書籍を見れば、全てにコードが割り振られている。
恥ずかしながら今の今まで気付かなかった……。
初心者が売る場合はどういう販路を用いるのか?
次にK氏に、実際に価値があるとされる書籍を売り出すとき、どういう手段を用いるべきかを聞いてみた。
「さっき言ったようにマーケットプレイスを利用するのもいいし、ヤフオクを使うのもいい。
ネットオークションなら何でも良いわけじゃなくて、メルカリとかはあんまり古本市場が開拓されてないからオススメできないね。
あとは、専門的な知識を持ったスタッフのいる古書店に持っていくのも悪くない。
自分で売り切るよりも収入は減るけど、この方法の利点は、自分の鑑定眼が間違っているか、正しいのかを判定することができるからね」
さて、気になるのはK氏の毎月の収支だ。
本人は最初こそ渋っていたが、やがて気折れしたようで、手にしている家計簿アプリを見せてくれた。
このアプリには、せどりで取引した金額だけを入力しているということだったが、2015年8月の欄を見てみると、そこには321,320円と表示されていた。
K氏いわく「今月はたまたま良い本が多かった」ということだが、それにしても凄い。
休日にすることない人にオススメ
最後に、K氏に素人が仕事の合間に時間を縫ってせどりをして、毎月に数万円のお小遣い稼ぎができるかどうか訊ねてみた。
「全然問題なくできると思うよ。
ただ、地域によっては専業がテリトリーにしているエリアもあるから、そういうところでは上手く折り合いをつけてやってほしいかな?
首尾よくお宝を見つけたら、地道に買い揃えてヤフオクに出品することをオススメするよ。
まあ、地域差はあるけど、土日を丸ごと古本めぐりに潰すぐらいの気迫があるなら、毎月30,000円は行くんじゃない?」
土日、休日に特にすることがないという方、今こそせどりでお小遣いを稼いでみては?
せどりでより多くの収入を得るには?
これから将来高所得者と低所得者はほぼ二分されるといわれている。
充実した生活を送るためには給料を上げるだけでなく新たな収入口を増やすことが非常に重要だ。新たな収入口を作る方法としてのせどりという方法を紹介する。
収入減が叫ばれる時代求められる能力とは?
アベノミクスという言葉が使われてから久しいが、収入が上がった人、変わらない人もいるだろうし、酷使されがちな中小企業では労働時間に対する収入は下がったという人もいるかもしれない。
これから将来に目を向けても収入が急激に上がるということは考えにくく、より高所得者と低所得者が二分されるといわれている。
そのような現代社会の中で生き抜くために必要なスキルとは、毎日ひもじい思いをしながら貯金をせっせと貯めることでも昇進のための会社の評価を上げることでもない。それらはあくまで一時的に生活を送るだけのお金を生み出しているだけに過ぎず、根本的な解決にはならないのだ。
現代社会を生き抜くためには減り続ける自分の収入を増やす、つまり自分で稼ぐことのできるスキルを身につけることが非常に重要だ。その方法の一つとしてこれからインターネットを使ったせどりというビジネスなのだ。
もう一度おさらい。せどりって何?
せどりとは簡単に言えば“仲介業”。つまり安く商品を仕入れて消費者に利益を上乗せした価格で販売することにより、利益を得るという方法だ。よくネットビジネスは詐欺だ!という声も聞きますが、せどりは詐欺ではなく立派な商売の一つだ。
一般的な仲介業は農家から仕入れてスーパーなどに販売するが、せどりではブックオフやヤマダ電機で仕入れたものをネットで販売する。
ネットで販売ということはあまり実感が湧かないかもしれませんが、登録さえすれば、あの有名なAmazonでも販売することができる。
Amazonの他にはフリマアプリのメルカリやバイマ、オークションならヤフオクやモバオクといったサイトがある。これらのサイトで商品を販売することで稼ぎを出すのだ。
せどりで稼ぐためには?
せどりで稼ぐためにはネット上のサイトよりも安い価格で販売している商品を見つけなければならない。
例えば1,000円で仕入れた商品が2,000円で売れると1,000円の利益が出る。だから店の商品とサイトの商品価格を見比べることにより、利益の取れる商品を見つける必要があるのだ。
せどりで安定した利益を出すために必要なのは利益の取れる商品を見つけること。そして仕入れた商品をネットで売れるかどうかを見極めることが非常に重要になってくる。
そこでモノレートというサイトがあるのだが、このサイトでは折れ線グラフで、商品のランキングの推移を見ることができる。
この推移を見ることでランキングが上がっている=商品が売れたと考えて、過去にどれくらいの商品が売れたのかを判断することができる。
モノレートと価格差を見比べてみて、商品を仕入れるかどうかを決めよう。そして仕入れた商品を販売するれば良いのだ
今すぐAmazonのページを開いてみよう!
Amazonには山ほど商品が並んでいる。全く売れないものから超人気商品まで取り揃えていて、その全ての商品が仕入れの対象となる。
せどりで安定して稼ぐことは簡単ではないが、自分で稼ぐスキルはこれから充実した生活を過ごしたいと思うならば必須のスキルだ。 Amazonにはさまざまな商品が売っているので、まずは自分はどのジャンルでせどりをしたいかなどを考えてみよう!
本屋だけじゃない?おもちゃ屋で1万円の掘り出し物も!
「実はせどりは、古本の取引だけとも限らないこと」ということを説明しようと思っていたのを、今思い出した。
そうなのだ。
古本せどりで収益を上げる人がいる一方で、古本せどりと類似した手法で、同じく利益を得る人々はいるのだ。
本を安価で購入して、オークションやAmazonで出品することで利益を得るせどりだが、あれは特に知識がなくても、ネットと足があればできるもの。
なまじっか古本のせどりが有名になっただけに、いまやネット検索すれば、ご丁寧にもその方法が事細かにレクチャーされている。
しかし、こと古本市場以外はどうかと言えば、非常に閉鎖的な空気が漂っている。
ひとつだけ言えることがある。
本だけではなく、ジャンクに紛れたファミコンソフトや古い玩具屋で埃を被っている玩具も、同じくせどりで稼ぐことが可能だ。
古いゲームソフトをせどるGさん
Gさんは、元ゲームショップの店長だ。
大手が量販店が安価で大量にゲームソフトを取り扱うようになったため、2000年代初頭に泣く泣く店じまいをした。
その際に、憎い大手から在庫の買取を打診されたが、私怨もあったため断っていたという。
大量に抱えた在庫は、永らく自宅の物置に眠っていた。
ところがそれも10年ほどした頃、日の目を見るようになる。
と言うのも、Gさんの抱えていたデッドストック品の中には、現在プレミアのついているレアなゲームソフトやカセットがひしめいていたのだ。
とっくに別の業種で活躍していたGさん。いまさら在庫に未練もない。
そこで地道にオークションに出品し、お小遣いを稼ぐようになった。
あるゲームソフトなどは、初回生産ロットで数年前からとんでもないプレミア価格になっていたが、Gさんはそんなレア物を幾つも抱えていた。
1本が最低でも40,000円ほどになったという。
そんなにレアとも思えないソフトやカセットでも、10,000円を上回る入札合戦に発展することもあるのだとか。
こうして今では、物置にはほとんど負の遺産は残っていないという。
Gさん、良かったね!
彼の場合、環境が後年になって味方したという面もあるが、例えば地方のゲームショップでは、プレミア品が比較的安価で販売されるケースも稀にある。
足を使うのはせどりの基本。意外と実入りに結びつくのでは?
玩具ハンター、Nの冒険
Nは僕の古い友人だ。25歳で結婚したが、昨年離婚した。
そんな彼は離婚のショックで、航空機の部品を製造する工場を辞職している。
そして今は、日本各地を転々とする日々を送っている。
ところがそんな彼の貯蓄。これがなかなか尽きない。
実はNには、凌ぎ口があった。
各地の寂れた玩具屋を巡っては、埃を被った古い玩具を物色していたのだ。
未開封で状態の良いままのアイテムは、マニアにとっては大枚を叩いても手にしたい垂涎の品。
たとえば20年も前に発売されていた、戦隊モノの合体ロボット玩具などは、物好きにとっては100,000円もの価値がある。
日本広し。まだまだそういう財宝が各地に眠っているのだ。
良いモノを安く仕入れて売りに出す。
言わばNは現在、行商人のような生活をしているということになる。
ましてやネットが普及したことで、全国の買い手にアピールすることも可能。
彼にとってはまさに現在こそ、売り手市場となっている。
Nは自分の所有するトラックの荷台を改造し、玩具倉庫とベッドなどの生活必需品を置いて、車中泊の日々を送っている。
マネをするのはつらいが、こういうお金の稼ぎ方もあるということは、知っておくと飲みの席でネタが尽きたときに役立つかも知れない。
身ひとつあればせどりもまた楽し
今回紹介したこの2人のお金の稼ぎ方は、せどりと言うにはイレギュラー。
しかし、古本のせどりは既に行き止まり感も強い。
それなのに、未だに古本のせどりばかりに固執しても意味はない。
せどりで稼ぐには、方法とジャンルを見直すことも重要ではないだろうか。
(文/松本ミゾレ、河崎鷹大)