2016年に入ってからは世界的な株安、また日本では円安傾向が続いています。そしてついにはマイナス金利に突入したことで、資金を貸さずに現金で保有した方が有利なのではと考えても不思議ではない状況となっています。そうした時代のもとにおいて、少しでも安定した収益を上げる方法として、不動産投資を選ばれる方は少なくありません。
では不動産投資をするメリットとは何なのか。またどれくらいの年収があれば不動産投資を始められるのか。デメリットも理解した上で、注意点についてもまとめてみます。
不動産投資のメリット
不動産投資の対象は、主に賃貸マンションです。賃貸契約は通常1年や2年といったまとまった期間で結ぶことが多いですので、部屋の借主から得られる賃料はその期間定期的に収入として入ってきます。
賃料は短期間で大幅に値下がりするケースが少ないため、安定した賃料収入を得ることが可能です。また賃料収入は、本業の収入源の補てんとなるだけでなく、定年後には私的年金の代わりにもなり、公的年金を補う収入源にもなり得るのが特徴です。
その他のメリットとしては、建物の減価償却費やローン金利、固定資産税や住民税などといった必要経費が差し引かれるために節税効果が図れる、インフレが進んで土地の価格も上がった場合に家賃価格を上げたり投資用不動産の売却によるキャピタルゲインを得ることができる、そして何より投資した不動産は自分の資産になるため、ご家族の住居としても活用することができるのも特徴です。
不動産投資にはどれくらい資金が必要か
不動産投資というと、相応の資金を保有していないと始められないのではというイメージがありますが、実際にはそこまで敷居が高くならずに始められるケースも多いようです。
まず収入ですが、年収制限があるものの、概ね500万円以上の年収が目安となります。それ以下の年収でも始められないことはありませんが、金融機関の融資審査が厳しくなるケースがありますので、事前に下調べし、独自で融資をしてくれる金融機関を見つけておくことが必要になってくるでしょう。
また自己資金ですが、こちらは概ね300万円が目安となります。この程度のお金が無いと、出資を抑えつつ投資に回していったり、また突発的なできごとが発生し、出費が発生するといった場合などでも対処しやすくなりますので、用意しておくことが重要です。
不動産投資のデメリットと対策
当たり前の話ですが、住宅というのは入居する人がいなければ賃料収入を得ることができません。仮に入居者が退去しても、すぐに新しい入居者が見つかるとは限らず、その間は収入が途絶えることになります。
対策として、投資用不動産を管理会社が借り上げ、空室の有無にかかわらず一定金額がオーナーに支払われる「サブリース」という手法があるので、リスクを軽減することは可能です。
またこれも当たり前の話ですが、建物は年月が経過すると老朽化します。そのまま放置しておくと、入居を検討する人が敬遠するだけでなく、大規模な修繕などで多大な修繕費が発生してしまうといったリスクも高まりますので、空室が発生したらすぐに次の入居者を迎えられるよう、綿密な計画を練ってメンテナンスを施すことが重要です。
冒頭でも述べましたが、2016年2月の時点において日本はマイナス金利の状況です。ローンを利用し、変動金利にて不動産投資をする場合は、金利上昇に伴って負担が増えるリスクがありますにで、ローンの借入期間を短くしたり固定金利にて不動産投資を行なうといった選択肢も用意しておいた方がよいでしょう。
(文/村越友樹)