先日、リクナビNEXTの『管理職VS専門職「30代の分かれ道」を給与で比較』という記事を読みました。調査によると、部長に与えられる管理職手当は9.4万円が平均だそうです。
恐らく、どこの会社でもプレイヤーよりもマネージャーのほうが年収は高いと思います。会社経営者2年生の私が、経営者視点から「年収を上げたくなる人」について考えてみました。
管理職の手当、平均額は?
リクナビNEXTの調査結果は、月々の管理職手当の平均額も明らかにしています。主任・係長クラスは30,000円、課長クラスは66,000円、部長クラスは94,000円という結果でした。
管理職に役職手当があることは一般常識です。しかし、管理職に必要なスキルについて理解できている方はどれだけいるのでしょうか。
実は、会社経営者2年生の私には管理職に必要なスキルは分かりません。ある意味では、経営者が管理職の悩みに最も共感できないポジションだからです。
管理職の手当を払う理由
管理職に必要なスキルが分からず、彼らに共感するのが難しいと感じる私ですが、給与査定はしなければなりません。そこで、「管理職のどんなスキルにお金を払っているのか」を、会社経営者の視点から考えてみました。
少し大げさに言えば、「管理職の仕事は、事業計画の実施や人材育成を行い、部下の力で経営者が思う理想の社会を実現すること」と、私は考えています。会社が小目標を達成し、その積み重ねによって大目標が達成できるまで、管理職が部下である社員をリードしてほしいのです。
もっとも、主任クラスはプレイヤーたちを現場で仕切るリーダーに過ぎません。課長クラスで、ようやく人材育成を仕事として考えるケースもあるはずです。管理職手当が一番高い部長クラスは、もう一段階上の仕事を任されます。
社長と話す力で年収アップ
大企業となると経営戦略室が存在しますが、中小規模の企業は社長が経営戦略を立てるケースも少なくありません。もし、管理職が経営者の想いを汲み取ろうとするなら、社長と同じレベルで経営戦略を理解すべきです。
簡単に言うと、話を聞いて行動してくれる人に対し、経営者は「年収を上げてもよい」と評価します。しかし、ポジションに応じた結果も出さなければならず、経営者並みに勉強しなければ話を理解することはできません。
中小企業で実務に追われている私でさえ、最近は月に5冊程度のビジネス書を読んでいます。年間50冊程度ですが、この数字を多いと感じるなら年収アップは期待できません。会社経営者のなかには、年間300冊以上読んでいる方もいるそうです。
戦略・作戦・戦術の違い
管理職が読むべきは、社長の経営戦略を理解するための本です。戦略、作戦、戦術の違いが分かると、どんなものを読めばよいか分かるかもしれません。
例えば、「会社を業界シェア率1位にするために事業を行おう」というのは戦略です。「業界シェア率1位になるなら、売上を10%アップさせよう」というのは作戦に当たります。「販促を強化するためにホームページを作ろう」というのは戦術にあたる部分です。このことが分かると、管理職としてワンランクアップできると思います。
「会社がどのような経営戦略で動いているか」「経営戦略を達成するにはどんな作戦・戦術が必要か」と、連動して考えられるようになったら、管理職としてのスキルは上がっているはずです。そして、経営者の想いを噛み砕き、部下に伝えていく必要があります。
経営戦略を自分で計画できるレベルを目指そう
長期的な経営戦略が立案できるレベルまで来たら、管理職として言うことはありません。多くの経営者は高い評価を下すと思います。数年後、数十年後の世の中の動きを予測し、それに基づいた行動ができる人を求めているからです。
ただし、戦略家への道のりは簡単なものではありません。私も経営者としてどこまで行けるか分かりませんが、経営戦略を考えることと、そのための日々のトレーニングは大切だと考えています。戦略的思考を磨き、事業成功や年収アップを目指しましょう。