民間の給与所得者のお給料の平均について調べる癖がついていると、国民全体の給与がどう推移したかを把握することで、おおよそ数年のうちの景気の変動もまた、把握することができる。
民間給与実態統計調査は税金を徴収する国税庁が公表するものなので、不必要な操作が入った偏った統計よりも当然精度が高い。
年齢層別の平均年収はどのくらい?
早速本題に入るが、平均年収は年代ごとにどのように上がっていくのだろうか?
? | 男性 | 女性 | 全体 |
20代前半 | 271万円 | 233万円 | 253万円 |
20代後半 | 383万円 | 306万円 | 352万円 |
30代前半 | 451万円 | 307万円 | 397万円 |
30代後半 | 410万円 | 299万円 | 432万円 |
40代前半 | 567万円 | 294万円 | 461万円 |
40代後半 | 626万円 | 292万円 | 486万円 |
50代前半 | 670万円 | 296万円 | 509万円 |
50代後半 | 652万円 | 278万円 | 491万円 |
ここまで見ると、男女で年収の差が大きく開いていることにお気づきだと思います。
年齢全体で平均すると、
男性 | 521万円 |
女性 | 276万円 |
2015年度国税庁 民間給与実態統計調査調べ
となるが、ここまで年収の差が開く背景として考えられる理由はいくつか挙げられる。
- 管理職層の女性の割合が高くない
- 年収の低い産業への従事者が多い
- 非正規雇用の割合が女性の場合は多い
これらの背景が挙げられる要因として最も大きなものが結婚や出産。政府と各産業界が女性の活躍を進めようとしている一方で、仕事と家庭を両立できる土壌が整っておらずに退職を余儀なくされる女性も多くいる。
仕事か家庭のどちらかを選択することになれば、必然的に女性活躍の動きは鈍くなる。そのような苦労が強いられることが分かっていれば、管理者層を目指す女性は少なくなるし、いつまで経っても割合は増えない。
家庭を選んだとして、数年のブランクがある人間を正規雇用で雇うという会社もそれほど多くない、となると女性の年収向上にはまだまだ課題が多すぎる状態だ。
地域での平均年収の格差はどれほど?
男女別の年収が分かったところで、地域ではどのように違うのだろうか?
平均年収ランキング
東京 | 612.8万円 |
神奈川 | 536.2万円 |
大阪 | 523.4万円 |
愛知 | 504.3万円 |
京都 | 494.1万円 |
上位5位に東京、大阪、愛知を含む大都市が入っているので、なるほどと思うだろう。
しかし、東京は全国の1割を占める人口を有しているため、全国の平均年収を引き上げていることを考えれば、上位圏外の県の年収は平均よりも下回っている可能性があることも考えられる。
業種別ではどれほど違うの?
業種別では年収に差があるのか?それについても検証をしていこう。
業種別平均年収ランキング
電器・ガス・熱供給・水道業 | 715万円 |
金融業・保険業 | 639万円 |
情報通信業 | 575万円 |
学術研究・専門・技術サービス業・教育・学習支援業 | 501万円 |
製造業 | 490万円 |
建設業 | 468万円 |
複合サービス事業 | 425万円 |
不動産業・物品賃業 | 424万円 |
運輸業・郵便業 | 414万円 |
医療・福祉 | 388万円 |
卸売業・小売業 | 358万円 |
サービス業 | 345万円 |
農林水産・鉱業 | 306万円 |
宿泊業・飲食サービス業 | 236万円 |
このデータを見ると、電器・ガス・熱供給・水道業などのインフラ業界は依然として高い年収を誇っている。
東日本大震災の原発事故の際に電力会社の年収が大いに話題になったが、業界の中でも一番低い水準とされる企業でも全国の平均年収を遥に上回る結果となった。
次いで年収が高いのが金融業・保険業。メガバンクや大手保険会社の年収は30代前半で1000万円に到達すると言われているため、競争が激化した今でも非常に人気の高い業界と言われている。
逆に宿泊業・飲食サービス業の平均年収の低さが気になるところだが、これは他業界に比べ非正規雇用の労働者が多いこともあるが、何よりもそのビジネスモデルにある。
チェーン店などは、安い商品を提供するために人件費も削られているため、従業員の給与が上がりづらい仕組みとなっている。
平均年収は今後上がっていくのだろうか?
アベノミクスなどの政策の結果、景気回復、平均年収が上がってきたという報道もある中で、その実感はあるのか?
ここ数年の推移をみたところ、平成21年度から徐々に平均年収が上がってきているという統計が出ている。しかし、それも年齢別、性別、業界別にフォーカスしていくと、必ずしもすべてが良くなっているとも言えない現状がある。
また、約20年前の1997年の平均年収が約467万円であることを考慮すると、多少は持ち直したとは言え、相当下がっていることもわかる。
実に多くの人が朝早くから夜遅くまで働いているにも関わらず、収入が上がった実感が持てないというのは実に淋しい限りである。
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では、年収を上げるためにどうすればよいのか
このまま収入が上がらないのでは、将来に希望を持った生活もままならない。では、年収を上げていくために何を今後考えるべきなのか。
その方法はいくつもあるが、代表的なもので言えば3つある。
今の会社でより年収の高いポジションを狙う
年収を上げるための最短の手段は、今いる会社で更に上のポジションを狙っていくこと、つまり出世だ。
出世するためには、いくつものクリアしなければいけない課題がある。実績をあげること、人から信頼を得ること、マネジメントする能力を持つこと。言葉で言うと簡単だが、その一つひとつの積み上げが非常にしんどい。
しかし、これが一番のシンプルであることは間違いないだろう。
副業をして収入を増やす
いくら出世がシンプルだとは言え、実績・信頼に加え、そのポストが空いていなければいくら努力をしても、ただ足掻くだけで終わってしまうし、何より時間がかかってしまう。
そんな人には副業が合っているのではないだろうか。副業であれば短期間で収入を上げることもでき、場合によっては本業よりも大きな収入を得ることも可能だ。最近ではフリマやクラウドソーシングなど、リスクの少ないネット副業が人気だ。
しかし、会社によっては副業を禁止しているところも多く、最悪の場合懲戒免職になる可能性もあるので、予め確認が必要だが、そんな副業禁止の会社で働いている人の多くが、株式投資やFXなどで資産運用をしているケースが多いだろう。
株式投資やFXも悪くはないが、もっと安全に確実に資産を増やしていける投資はズバリ不動産投資だ。自己資産0円からでもはじめられ、安定収入で生命保険・年金対策にもなりる。
現在の収入を増やすことはもちろんのこと、将来的な貯蓄にもつながるだろう。不動産投資初心者でも、信頼と実績のある投資会社から最適なプランを紹介してもらうことで、収入や貯蓄をアップさせることに成功している場合が多い。
未経験で、自己資産が少なくても十分に成功が見込める不動産投資。まずは無料相談をしてみるのも良いだろう。
年収の高いところに転職をする
また、年収をあげる手っ取り早い方法として、転職をするという方法もある。
しかし、必ずうまくいくという保証はなく、場合によっては年収が下がる、または転職活動が長期化して生活が困窮するなどのリスクも伴う場合もある。また、仮に年収が高いところに転職ができたとしても、転職先の労働環境が合うかも未知である。
転職をする場合、既にその業種・職種で実績を上げているならば、その実績を売り込む転職活動をすると、仕事のイメージも付きやすく年収の交渉もしやすくなるメリットがある。
逆にその業種・職種で実績を上げていない場合は、同業での転職にはだいぶリスクが伴う。同じ業種なのだから、面接官も即戦力になるかどうか見抜いている場合もあり、採用に至らない場合も多い。そういう人は逆に転職を選ばない方がリスクは少ない。
転職について迷ったり悩んだりした時は、エージェントサービスに登録をしておくと良い。実績や経験があれば個人で転職活動をするのも可能だが、年収交渉をするならば転職エージェントを介した方が良い条件を勝ち取りやすくなる。
今の市場価値に合った提案をしてくれるわけだから、無駄を極力避けつつも、転職活動ができるというメリットがある。もし、転職を考えているならば、「リクルートエージェント」などの大手などであれば転職の実績も高く、様々なノウハウがあるので確実な提案をしてくれるのではないだろうか。