キャリアや転職に特化した匿名相談Q&AサービスJobQに、
「収入の面でベンチャーから大手に転職を考えています。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。」
という質問が掲載されました。質問者は新卒でベンチャー企業に就職し、3年経って大手企業への転職を考えているそうです。
今の仕事にやりがいがあり、自分も成長できると感じられる会社ですが、結婚を機に安定して収入の良い企業に転職したいとのことですが、ベンチャーから大手への転職に不安を感じているようです。
寄せられた回答などをもとに、年収アップ=大手企業への転職が正しいのか分析してみました。
ベンチャーと大手は性質が違う
質問者は「大手に勤めている人たちよりも動ける」とも言っているので、大手で能力が通用しないことは心配していないようです。
大手で何十年も働いてきた熟練社員には「甘い」と一刀両断されそうな意見ですが、そのような精神がないとベンチャー企業では働けないのでしょう。
ベンチャー企業で働く人から見ると大手で働くことは企業のコマになり下がることと思われているようですが、そもそもベンチャー企業と大手企業では性質が違います。
大手企業のやり方とは?
大手企業はいままで培ってきた信頼や実績で大規模な仕事を受注します。規模が大きければ携わる人たちも膨大となり何人もの社員で分担して仕事をこなすのです。
全てを一人でやってきたベンチャー企業の社員からは「言われたことしかやっていない」と軽視されがちですが、それが大手の働き方です。伝統と実績を大切にしつつ新たな時代の波を作っていくことが大手企業のやり方です。
大手企業が肌に合わずに戻る人も
ベンチャーと大手の働き方はテニスやゴルフのように1人で戦うものと野球やサッカーのようにチームで戦うものの差と同じくらいの差があります。
テニスと野球を「どっちがすごい?」と比べる人はいませんよね?どちらが優れているのではなく、どちらに向いているか根底の違いがあるからです。
そのためベンチャー企業から大手企業への転職については「事例が少なく、比較的難しい」という意見が多く、さらに「ベンチャーでバリバリやって人は、逆に大企業のやり方とは合わなくて戻ってくるなんていうことは結構聞いたりします」という意見もあります。
結婚観は男女で違う
恋愛から結婚に変わるとき、男性は「将来を考えて」と言われることが多いようです。それは男女の恋愛観の違いによるものです。
恋愛において男性は「現在」を見ていることに対し、女性は「未来」を見ているようです。女性は結婚のために恋愛するとさえ言われています。
また男性の優先順位は仕事や友人が高く外に目が向きやすいのに対し、女性の優先順位は家族や友人など自分の身近に目が向きがちです。
男性は自分が生きていくためには、仕事を大切にし、外での人間関係を築いていく事が必要不可欠だと考えるからです。そのため女性は結婚を機に仕事にも変化を要求し、要求された男性はこれから変化させなければいけないことに戸惑うのです。
年収のための転職vs安定のための転職
一般的に大手企業の方がベンチャー企業よりも安定しています。
回答者の中にも「日本では企業規模と収入は、きれいな比例関係を描いており、福利厚生含め、収入が上がることが予想されます。また、おっしゃる通り倒産リスクや首リスクが下がるため、雇用の安定度は大幅に向上されます」という意見があります。
しかし回答者のほとんどが言っていることは「仕事も大事にするべき、安定を求めているだけで大手に行くのは危険」という意見です。
男性にとって仕事は優先度の高いものなので、安定性を見るだけでなくやりがいや周囲との関係を軽視してはいけないということです。
これらの意見について質問者も「自分が大手企業に移って、納得した仕事ができるのかというと正直疑問でもあります」と述べています。
大手に行ったもののストレスがたまり、心身共に不調になり仕事を休むようになってしまったら安定どころではありません。年収を上げたいだけならば大手企業への転職は正しいですが、安定を求めての転職と考えると正しいとは言えないのではないでしょうか。
(文/高橋亮)