「どっちが大切?」という二択は人生で何度も直面する問題です。「やりがい」と「給料」、「仕事」と「恋人または家族」、どっちも大切だから正直選べないということが多いですよね?
恋人や家族が相手ならばなんとかなだめて誤魔化すこともできますが、「やりがい」と「給料」はいわば自分だけの問題です。自分へのプレゼンは誤魔化すことはできません。どちらを押しても「でも」「もしかしたら」がついて回ります。
「もしかしたら」で始まる後悔
これはキャリアや転職に特化した匿名相談Q&Aサービス、JobQに寄せられた質問です。質問者は30代中小企業の商社に勤めているビジネスマンです。
「私はいままで2回もの転職を経験してきました。務めてきた会社の業務にやりがいを感じられなかったり、上司への不満などからこのように転職を繰り返してきました。」
とあり、彼にとっての転職理由には「やりがい」もあり、現在3度目の転職を考え始めて「もし」を考えてしまったようです。
なぜならば「私の年収は転職前よりは年齢的な違いで年収は上かもしれませんが、もし転職をせずに勤めていた場合に比べ相当低い」からです。
もしあのとき転職していなければと考え始め、転職が決していいことのように思えなくなってしまったようです。
彼は転職を繰り返して「やりがいと年収2つとも求めていいのは本当にデキる人だけのように感じます」とも言っており、やりがいを求めて転職するか、年収を考えるべきかという選択に迫られています。それについての回答を見てみましょう。
条件は人それぞれ、回答も「自分なら」
回答その1.「これから1年間、何のために働くか?」
この質問に対し2人の方が意見を述べています。1人目の方は「これから1年間、何のために働くか?」を考えるべきと意見を述べています。
この方自身は収入よりもやりがいをとってきたようですが、それができたのは自分が独身だったからと述べています。家族がいるならば年収をとるべき、「家族のために働く」ということを軸に考えればとるべき方向が見えてくるのではないかとアドバイスをしました。
それに対して質問者は「家族がいるので迷っているというのはあります。軸を決めることにより、方向性が見えてくるというのはありますね」と回答しています。
回答その2.「二兎を追えばいい」
それについてもう1人の方は「お金のため家族のために面白くもない仕事に耐えてるとかいうのも、なんだか家族のためにもなってないと思います」と意見を述べています。
この方は「二兎を追えばいい」、つまり年収もやりがいもとるべきだと述べています。そのためのアドバイスもあり、「急いで仕損じるよりも時期を待つ」戦法を薦めています。
この意見について質問者は「確かにまずはそこからやっていくのが当たり前のように感じます」と答えています。背中を押してもらってスッキリしているという状況が目に見えるようです。
2つの質問に対する彼の回答を見ると、彼は後者の方の意見に納得しているようです。
正解のない問題
今回の質問と意見、それに対する反応を比べると、質問者は自分なりの意志は固めていたものの「その選択が間違っていない」と背中を押して欲しかったように見受けられます。
転職に限らず人生の選択では誰もが悩みます。なぜならば人生の選択において正しい答えはなく、相当の自信がある人のみ「自分の選択に間違いはない」と言えるのです。
普通の人は大小あれど悩むものです。今回の質問者も答えのない問題に悩む1人の人ということです。
自分が変化すれば正解も変わる
今回のアドバイスから彼は「どちらかを強いて選ぶならば家族」、でもその前に「年収もやりがいもとる」ことを選んだようです。そのために時期をみたり努力をするようですね。
質問者自身が述べている通り、「やりがいと年収2つとも求めていい本当にデキる人」を目指せばいいと思っているようですね。どうやら答えは最初から彼の中に合ったようです。
そうなのです。人生の選択に対する正解は自分の状況、心の内など自分の全てを知っている人、つまり自分だけが持っているのです。
自分が変化すれば正解も変わるものであり、そのときそのときで「年収」か「やりがい」か「そのどちらも」か、ベストだと思える選択をすることがとても大切なのです。
(文/高橋亮)