国土交通省がグリーン社会の実現、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ景気の回復を目的として施行したのが「グリーン住宅ポイント制度」です。
この記事では、グリーン住宅ポイント制度の利用をおすすめする理由をお伝えします。
グリーン住宅ポイント制度の利用をおすすめする理由
グリーン住宅ポイント制度は、端的に言うと、条件に合う住宅投資をするとポイントが発行され、それを追加工事や商品との交換に使えるというものです。
以下の住宅投資を考えている方は対象となる可能性があります。
- 注文住宅を建てる、新築住宅を購入する
- 既存(中古)住宅を購入する
- リフォーム工事をする
- 共同住宅等の賃貸住宅を建築する
上記のいずれかに該当し、それぞれに規定されている条件を満たせば、ポイントが発行されます。ポイントは生活に役立つ追加工事や商品との交換に使えます。
この制度は特に東京圏外に住宅を持とうとしている方や、大家族の場合は利用すべきです。その理由は後述します。
なお、グリーン住宅ポイント制度の対象となる契約は、令和2年12月15日~遅くても令和3年10月31日までに締結された工事請負契約もしくは売買契約です。
この対象期間外の契約はポイント発行対象とならないので気をつけましょう。
また、制度を利用するには申請が必要になります。
工事完了後や入居後の申請が基本ですが、完了前に申請できるパターンもあるので確認してみましょう。
※2021年3月29日より完了前ポイント発行申請の受付が開始しました
それでは、グリーン住宅ポイント制度をおすすめする理由をまずはポイント発行対象条件からピックアップしてご紹介します。
省エネ住宅でポイントがもらえる
政府は2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと宣言しています。
温室効果ガス(二酸化炭素等)の排出量から、森林等による吸収量を差し引くと「ゼロ」になる、グリーン社会の実現を目指しているのです。
そのために、省エネを推進するさまざまな施策を打ち出しています。
その施策のひとつが「グリーン住宅ポイント制度」です。
省エネに関連する部分は以下になります。
- 注文住宅の建築、新築住宅の購入の場合
「認定長期優良住宅・認定低炭素建築物・性能向上計画認定住宅・ZEHのいずれかに該当する高い省エネ性能等を有する住宅」→40万ポイント発行
もしくは
「断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上の一定の省エネ性能を満たす住宅」→30万ポイント発行
このどちらかの省エネ基準に該当することが必須条件
https://greenpt.mlit.go.jp/new-house/
- リフォーム工事の場合
「エコ住宅設備の設置」「開口部の断熱改修」「外壁、屋根・天井 または 床の断熱改修」のいずれかを行うことが必須条件
※発行ポイントは工事内容によって変わります。
https://greenpt.mlit.go.jp/reform/
- 共同住宅等の賃貸住宅建築
建築物省エネ法に基づく「住宅のトップランナー制度」の賃貸住宅に係る基準に合うことが必須条件
https://greenpt.mlit.go.jp/rental-apartment-building/
注文住宅の建築、新築住宅の購入の場合、ポイント発行対象となるのは申請者が住む住宅に限ります。
省エネに優れた住まいを選べば、環境に優しく、住み心地も快適な上に、光熱費の節約にもなります。
省エネの仕様によって発行ポイントに10万ポイントもの差があるので、特徴にどのような違いがあるのか、工事費や分譲価格にどれくらい差があるのかを踏まえて検討しましょう。
なお、既存住宅の購入について、省エネに関するポイント発行の条件はありませんが、リフォーム工事の方の加算条件に「既存住宅購入加算」があります。
既存住宅を購入してリフォームを行う場合、リフォームで発行される合計ポイントが通常の2倍になります。
住宅の購入費用を抑えてリフォームでエコ要素を加え、獲得ポイントを増やすという方法もあるので覚えておきましょう。
※リフォーム工事でポイント発行申請をした場合、既存住宅の購入の枠では申請ができません。逆の場合も同様です。
東京圏の対象地域外への引っ越し込みでポイントがもらえる
新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務が続き、この先もテレワークが基本となりそうな方の中には、土地代が抑えられる地域で住宅を持つことを考えている方もいるのではないでしょうか。
グリーン住宅ポイント制度は、地域創生も目的としています。
そのため、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の条件不利地域を除いた市区町村から他地域へ引っ越す場合(東京圏の対象地域からの移住)、ポイントが発行されるケースがあります。
該当ケースは以下です。
- 注文住宅の建築、新築住宅の購入の場合
東京圏の対象地域から移住するための住宅建築・購入なら、高い省エネ性能等を満たす住宅の場合は60万ポイント加算、一定の省エネ性能を満たす住宅の場合は30万ポイントが加算されます。
https://greenpt.mlit.go.jp/new-house/
- 既存住宅を購入する場合
必須条件の中の選択肢に東京圏の対象地域からの移住があり、住宅の除却も行う場合は45万ポイント、ない場合は30万ポイントが発行されます。https://greenpt.mlit.go.jp/exisiting-house/
災害リスクが高い区域外への引っ越し込みでポイントがもらえる
毎年のようにどこかで大きな自然災害が起こる中、災害リスクの高い区域からの引っ越しを考えている方もいるでしょう。
そのような場合もポイントが発行される可能性があります。
該当条件は以下になります。
- 注文住宅の建築、新築住宅の購入の場合
災害リスクが高い区域から移住するための住宅の建築、新築購入で、高い省エネ性能等を満たす住宅の場合は60万ポイント、一定の省エネ性能を満たす住宅の場合は30万ポイントが加算されます。
https://greenpt.mlit.go.jp/new-house/point4.html
- 既存住宅の購入の場合
必須条件の中の選択肢に災害リスクが高い区域からの移住があり、住宅の除却も行う場合は45万ポイント、ない場合は30万ポイントが発行されます。https://greenpt.mlit.go.jp/exisiting-house/house3.html
多子世帯・三世代同居でポイントがもらえる
世帯の人数が多いと、必然的にかかる生活費も多くなります。出費は日々の生活に必要なものが優先になって、あると便利なものにお金を使うのを我慢しているのではないでしょうか。
もしも、子供が増えて住んでいる家が手狭になった、両親と同居することになったという理由で新たな住宅を手に入れようとしているなら、グリーン住宅ポイント制度を利用すべきです。
以下の条件に当たる方はポイントがもらえる可能性があります。
- 注文住宅の建築、新築住宅の購入の場合
18歳未満の子供が3人以上いる「多子世帯」、または、建築・購入する住宅が浴室、キッチン、トイレまたは玄関のうち、いずれか2つ以上の設備が複数個所ある「三世代同居仕様」の場合はポイントが加算されます。
高い省エネ性能等を満たす住宅なら60万ポイント、一定の省エネ性能を満たす住宅なら30万ポイントの加算です。
https://greenpt.mlit.go.jp/new-house/
バリアフリー改修でポイントがもらえる
高齢者が同居する家庭では、住み心地を良くするためにバリアフリー化を検討している場合もあるのではないでしょうか。
グリーン住宅ポイント制度を利用すれば、その工事でポイントが付くかもしれません。
該当条件は以下です。
- リフォーム工事の場合
必須要件を満たしたうえで、所定のバリアフリー改修を行うとポイントが加算されます。
https://greenpt.mlit.go.jp/reform/point4.html
ちなみに、リフォーム瑕疵保険等への加入もポイント加算対象となり、1契約につき7,000ポイントが発行されます。
また、リフォーム工事の発行ポイントの上限は基本30万ポイントですが、特例で若者・子育て世帯の場合は45万ポイントまで引き上げられます。さらに既存住宅の購入もある場合は最大60万ポイントです。
https://greenpt.mlit.go.jp/reform/
おすすめの追加工事
各種要件を満たし、取得したポイントは追加工事に充当することができます。
その中で特におすすめの工事を紹介します。
屋内ワークスペースの設置
コロナ禍でテレワークになり、すでに1年ほど経つという方もいるでしょう。その中には、未だ仕事に集中できず困っているという方も多いのではないでしょうか。
そんな方は新しい住まいを手に入れる、リフォームをするというタイミングで、ワークスペースを持ちませんか?
造り付けのデスクカウンターを設置したり、間仕切りとしてロールスクリーンを取り付けたりという工事にポイントが使えます。書斎を作るまではいかなくても、ちょっとした仕事がしやすい空間が欲しいという方におすすめです。
防音設備の設置
自宅で仕事をするようになり、オンライン会議のときに外の騒音がかなり入ってしまい困っているという方もいるのではないでしょうか。
そんな方は二重窓や内窓の設置をポイントを使ってするのも良いでしょう。
騒音が気になってなかなか眠れないという方にも役立つはずです。
思い切って防音室を設置すれば、楽器演奏などにも挑戦でき、有効におうち時間を過ごせるでしょう。
換気設備等の設置
コロナ対策として換気が有効とはいうものの、暑い日、寒い日はなるべく窓を開けたくないという人もいるでしょう。
その場合、換気扇や換気機能のあるルームエアコンを設置すれば、窓を開けることなく換気ができます。
家を長持ちさせるためにも換気設備を設置しておくのは有効です。
ポイントの使い道として損はないでしょう。
非接触型設備の設置
タッチレス水栓、タッチレス照明スイッチなど、タッチレス製品の設置もポイント交換対象工事です。感染症対策にもなりますが、毎日使うものだからこそ、タッチレス操作ができれば暮らしが思いのほか便利になるはずです。
宅配ボックスの設置
コロナの影響を受ける前から、通販で注文した荷物を受け取るタイミングが合わず、再配達の手配も面倒なので、宅配ボックスが欲しいと思っていた方はいるでしょう。
買うほどではないけれど、あると便利な宅配ボックス。ポイントを使って手に入れませんか?
太陽光発電の設置
代表的なクリーンエネルギーで、電気代の節約にもなる太陽光発電。環境にも家計にも優しい太陽光発電の設置工事もポイント充当の対象です。
お得に太陽光発電を取り入れるチャンスです!
窓ガラスの飛散防止
台風や地震に備えて対策をしておきたい住まいのパーツといえば窓ガラスではないでしょうか。割れてしまったときにケガの原因になる可能性が非常に高いからです。
対策方法として、割れても飛び散らないようにすることが大切なので、安全ガラスや雨戸などを設置するのが有効です。災害対策としてこの工事にポイントを使うのもひとつでしょう。
家具固定器具の設置
地震の際、収納棚の扉が開いてしまい、中のものが飛散する可能性があります。それが二次災害を生む可能性は大いにあるでしょう。
その防止のために、揺れを感じると自動的に扉をロックする耐震ロックを設置しておくと安心です。このような家具固定器具の設置など、自分で対策するには少々面倒なことにポイントを使えば無駄になりません。
おすすめの商品
ポイントは商品との交換にも使えます。(賃貸物件の建築は除く)
よく使う消耗品から、あると便利なアイテムまで、さまざまものが揃っています。
中でも特におすすめの交換商品例をピックアップします。
ヘッドセットマイク
オンライン会議をする際、クリアな音声でやりとりができることは重要です。相手の声が聞こえづらい、自分の声がはっきり届かないというのは、かなりストレスになります。
良く聞こえなかったばかりにお互いの認識に齟齬が生まれ、トラブルの原因になることもあり得ます。
その防止に高品質のヘッドセットマイクがおすすめです。
快適なテレワークをするためにポイントと交換して損のない商品でしょう。
園芸用品
自粛期間中に園芸にハマったという声は多くあります。ホームセンターに園芸用品を求めて頻繁に通ったという人も多いでしょう。
そんな方はポイントを園芸用品を揃えるために使ってはいかがでしょうか。
鉢花、植木といった園芸植物から、プランター、園芸用土、芝刈り機、収穫台車などの園芸用具まで、あらゆる園芸用品が交換商品のラインナップに上がっています。
空気清浄機
家の中にはあらゆる菌やウイルスが浮遊しています。中には体に悪影響をもたらすものも。花粉の時期は家に持ち込まれた花粉に悩む人も多いでしょう。おうち時間が長い今こそ空気清浄機を取り入れるべきです。
気になるニオイの解消にも一役買います。
エコマーク認定の液晶テレビ
原料調達時から廃棄までのサイクルで環境に負荷をかけず、さらに、省エネ・節電に対応する機能を持ち合わせる液晶テレビもポイントの交換対象となります。
新しい住居に住むのをきっかけにテレビも新調しようと考えている方は交換商品の候補にしてはいかがでしょうか。
防炎ラベル取得のカーテン
カーテンは台風などで窓ガラスが割れたときに、破片が部屋の中に飛散するのを防ぐのに役立ちますが、火災発生時は被害をより大きくする可能性があります。
それを防ぐために防炎ラベルを取得したカーテンを使用するのが有効です。
防炎ラベル取得の寝具やカーペットも交換対象商品にあります。
非常用持ち出し袋
東日本大震災から10年。震災からしばらくの間は、地震に備えて避難用のリュックなどを用意していた方は多いでしょう。しかし、今はいかがでしょうか。
すっかり何もしなくなってしまったという方は、ポイントを利用して非常用持ち出し袋を用意しませんか?
これを機会に災害に対する危機意識を改めて持ちましょう。
マッサージチェア
家で仕事をするようになってから、肩こりや腰痛に悩まされている人にはマッサージチェアがおすすめです。いつか欲しいと思いつつ、かなり値が張るので手を出せなかったという人はポイントでお得に手に入れましょう。
ストレスの解消にもなり、健康維持にもつながるはずです。
電動アシスト自転車
公共交通機関での通勤は不安、外出が減って溜まった運動不足を解消したいという方は、電動アシスト自転車をもらって通勤に利用してはいかがでしょうか。
楽に漕げるので、出勤前に過度に疲れてしまうのは避けたいという人も試してみましょう。
子供用衣類
子供の成長は早いので、せっかく服を買ってもすぐに着られなくなってしまうのがもったいないと思う方もいるでしょう。
けれども、ポイントを使って手に入れた服なら、割り切れますよね。
子育て関連商品として、ほかにも学習机や絵本、おもちゃなどさまざまなものが用意されています。
地域ならではの食料品
旅行するのはしばらく自粛しようという方は多いでしょう。けれども旅の醍醐味である、その土地ならではの味覚くらいはせめて楽しみたいですよね。
ポイントの交換対象には地の物も含まれます。
家にいながら旅気分を味わいませんか?
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まとめ
グリーン住宅ポイント制度は条件さえ合えば利用して損のない制度です。
住宅の建築、購入、リフォームを予定している方は、どんな条件があるのか見てみましょう。
制度の条件に合った住宅づくりをすると省エネになるなどメリットがプラスされます。
しかも、ポイントがもらえて、追加工事や商品との交換に使えるのですから申請しない手はありません。
おすすめポイントいっぱいの制度なので、ぜひ利用を検討してくださいね。