国産うなぎの価格が急騰している。
現在では、原価で1,000円以上するそうで。
市場に出回ればその2倍、3倍の価格で取引されることも珍しくない。
さらに今、国産のうなぎはその数を減らしており、中国産のものがシェアを高めている。
このまま行けば、私たちはいずれ、どんなに大枚をはたいても国産うなぎを味わうことができなくなる日が来るのかもしれない……。
と、危機感を煽っておいてアレなんだけど、うなぎなんて実はかなり身近な魚だ。
その辺の河川に出向いてごらんなさい。見えてないだけで、流木の下や石と砂利の隙間あたりでしっかり生活しているのだ。
うなぎは珍しくもなんともない魚
そもそもうなぎは、世界中の熱帯、温帯にかけて分布する魚である。
日本においては本州以南の河川に生息している。つまり、日本のほとんどの河川で暮らしているということだ。
僕は川で魚を釣ったり捕獲したりするのが好きで、友達も少ないため、学生時代はほとんど河川で過ごしていた。
お小遣いが欲しいときには、すっぽんを捕獲していたものであるが(※)、このすっぽんよりも、あきらかにうなぎの方が目に付いた。
(※参考記事:すっぽん漁、やってみたら月収40,000円になった!)
なかなか食用に達するレベルのサイズは多くはないんだけど、たまに罠にかかっている大物に出くわせば、持ち帰って血抜きをして、近所のうなぎ屋の見よう見まねで蒲焼にして食ったものだ。
また、近所で夜釣りをするのが趣味のおっさんが、よくうなぎを釣果として誇っていた記憶もある。
僕の地元は九州だが、昨年帰省した折にも、普通にその辺の川のうなぎが食卓に上がっていたので、今でも数は多いんだろう。
買うよりも捕まえた方がいいよ
うなぎは、塩ビパイプさえあれば誰でも捕まえることができる。
僕は親切なので、うなぎの捕まえ方を書いていこうと思う。
そもそも日本では、古くからうなぎを捕るための罠がいくつかあるが、ああいうものに頼らずとも、うなぎ程度、捕まえるのは造作もない。
長さ1メートルほどの塩ビパイプをホームセンターで買ってきて、それを川に沈めるだけでいい。
これだけで、中を棲みかにすべく、うなぎ、ハゼ、テナガエビなど底モノ連中が勝手に入居してくれる。
これを後日、引き揚げるだけでいい。
引き揚げる場合には、ざるを用意しよう。
塩ビパイプを掴み、一方の入り口にざるをあてる。
そのままもう一方の入り口を水面に上げれば、下の方にある入り口から、中に潜んでいた獲物がざるに目掛けて飛び出してきてくれる。
うなぎの場合は結構重たいので、ざるはしっかり握っておくことが肝要だ。
ハゼやらエビなんかが掛かっていた場合も、結構なご馳走である。
ハゼは天ぷらに。エビはワタを抜いてから塩茹でにして食べると美味い。
うなぎを食べたいなら川へ。ただし捕り過ぎ注意
さて、うなぎは、食卓に上がるほどのサイズになるまでに、かなり長い年月がかかる。
しかも淡水では繁殖できない。
うなぎの子どもが海のど真ん中で発見されていることからも分かるように、海水域である程度のサイズになるまで育ち、その後河川に遡上してくるわけだ。
私たちがよく知る大きさになるには、かなりの冒険をこなさなくてはならない。
それだけに、無事に河川に戻るうなぎは貴重だから、食べるにしたって、その大きさの選別は欠かせない。
まだそんなに体が太くない個体は、若く繁殖力もあるのでリリースしよう。
十分に育った個体だけを持ち帰って絞める。これがうなぎを近場で長い間楽しむための鉄則だ。
わざわざお金を出さずとも、うなぎは食べることはできる。
しかし、無作為に乱獲してしまったら、生態系を壊すことにもなりかねない。
慎重に、少しずつ、恵みに感謝していただくことにしたい。
また、地域や場所によっては川でうなぎを釣ること自体を禁止しているところもあるので、くれぐれも密漁にならないように注意してほしい(※)。
※当記事によって発生した一切の事件・事故や怪我・病気などの責任は負いかねますことをあらかじめご了承ください。
(文/松本ミゾレ)