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学習塾や習い事、子供の早期教育は効果あり?メリット、デメリットを徹底解説!

投稿日:2017年7月21日 更新日:


ご自分のお子さんを塾に通わせてますか?

その塾はどういう内容で、何歳から通わせていますか?

この20年ほど、いわゆる幼少期の段階から子供に習い事など学校教育以外の場所で受けさせる早期教育が親の間で加熱しています。

それには、日本経済のグローバル化により英語が使えることは仕事をする上で必須条件になっていくことや、少子化で1人の子供に対する大きな教育投資が可能な経済力のある家庭が増えたこと、そして同時に1人子ゆえに「この子に賭ける」というような親の過度な期待も背景にはありますが、果たしてそのような早期教育は本当に子供を優秀な人材に育てる上で効果があるのでしょうか。

その点については最近では否定的な論調も出てきています。ここでは、

  • まず早期教育とはどういうものかという点と
  • なぜそれが過熱してきたのかという背景と
  • 今指摘されてるデメリット
  • 加えて仮に早期教育を子供に与える場合に、親が注意しておきたいこと

についてご紹介します。

早期教育とはどういうものか?

早期教育の定義とその理論的根拠とは?

早期教育の定義は、基本的に子供の意思とは関係なく、子供本人ではなく保護者や国家の意向で、一般よりも年齢を繰り上げて日本語、算数、外国語、音楽、スポーツなどの教育を開始することを指します。

この早期教育を行う理論的なバックボーンとしては、脳が柔軟な子供のうちに知的好奇心を満たし、吸収力と順応力が高いうちに語学などの技術教育を開始すれば脳が活性化するので、結果的に高いスキルと思考力を持った成人に育成できる、という考えがあります。

さらにこの教育内容は学習面だけではなく、独創性、社会性、情緒性を高めることも可能だとされています。

早期教育過熱の時期は?

この早期教育がいつぐらいから過熱してきたのかということは明らかではありません。

歴史を紐解けば、江戸時代から武士の子弟のうち優秀な男子を、藩や幕府の教育機関の中が飛び級で教育したり、あるいは幼少のころから論語を暗唱させるなどのいわゆる早期教育はありました。

しかし、それが多くの一般的な庶民の間で過熱してきたのは、どうも2000年前後のようです。それはフィナンシャルプランナーなどが、家計診断をしている中で、教育費が学校教育が始まる前段階から、前倒しで支出されてきている、という報告と符合します。

前倒しで支出するということは、小学校で支出されるべきものが幼稚園段階で支出されているということで、まさに早期教育の表れだということです。

早期教育の種類とは?

早期教育の内容は、狭義と広義があります。まず狭義の早期教育は、

1.超早期教育

胎児や乳児期にその脳に刺激を与える教育

2.幼児教育、就学前教育

小学校入学前に文字の読み書き、計算力、外国語などの教育を施す教育。

その方法は親の絵本の読み聞かせなどによる、日常生活の体験を通じて自然に習得するものではなく、市販の教材や幼児教室などで「学習」を通じて暗記させることでの知識習得を指す。

というものです。

広義ではこれに加えて

3.早期就学

小学校の就学年齢を標準よりも1年程度早くすること。

4.飛び級、飛び進学

学力優秀な生徒を、正規の進級よりも早期に上級学年に進級させること。

5.早修

学年は同じままで、別カリキュラムを用意してより高度な内容を学習させること。

などが入ります。

この記事では主に狭義の早期教育について触れていきます。

なぜ早期教育がブームになったのか。その社会的情勢は?

ではなぜこの早期教育がブームになったのでしょうか。それを親の意向の面と、教育関連企業の思惑の点から分析します。

優秀高校、難関大学、大企業という安定した生活のエスカレーターに載せたい親の意向

その威光は陰ってきたとはいえ、優秀な高校に入って難関大学に合格し、そこから大企業に入れば生涯高収入の安定した生活が送れる、という考え方はいまだに生きています。

親の務めは、子供にそのような道を歩ませることだと考えている部分はまだまだ多いのが実情です。

さらには、そこに経済のグローバル化という潮流が加わり、英語のスキルがその安定した生活を送るうえでの必須スキルになった、という状況もそれに拍車をかけています。

それを前提にしたときに、乳幼児の脳の柔軟性や吸収性は無限大に近いという考えが根底にあるため、それを最大限に生かせば、スタートが早い分習得レベルも高くなり、後々の大学受験等での苦労が減る、という期待があります。

その理論的な根拠は、たとえば外国語のネイティブ並みの発音は幼い時期にしか獲得できないという臨界期説があります。臨界期終了までに教育を開始しなければ、伸びるはずだった可能性を失ってしまう、というある種の恐怖です。

さらに、早期教育を受けなかったために、ほかの子供と差がついて、所期の目的が達成できない後悔をしたくない、という親の思いもそれを後押ししています。それは勉学だけではなく、親が芸術方面に対する志向を持っている場合も同様です。

また文部科学省が推進していた「ゆとり教育」によって、親が自分が子供の頃に受けていた教育内容に比べて、自分の子供への教育内容が希薄すぎ、それに対しても危機感を感じていた、といこともあるでしょう。

教育関連企業がビジネスチャンスととらえたことと親の不安が一致

さらに親のこのような不安と、少子化による業界全体の縮小から新規事業を立ち上げたい教育関連企業の思惑が一致した、ということも大きいでしょう。

折しもメディアで早期教育がトレンドとして紹介し始められ、それに少子化によって1人当たりに教育投資をかけられる親が影響されることで、受け皿である教育関連企業の早期教育プログラムが隆盛していったのです。

また、社会や育児環境の変化によって、子供を放任することで育てるという時代は終わっており、かつ親自身も放任された世代ではないため、積極的に育児や教育の内容に関与するべきだと考えていたこともあります。

ところが、親の方にもスピードアップした時代の流れに即した確固とした育児目標や育児のガイドラインがなかったので、その部分の補完を育児を指導してくれるプロの「教師」「マニュアル」「カリキュラム」「システム」を求めていたのです。

これらを背景に登場したのが、育児のノウハウを構築した教育関連企業や、早期教育論をトレンドとして取り上げたメディアです。

これらの企業は、上で挙げたような親の不安をうまくすくいあげてカリキュラム化し、「ここに送り込めば大丈夫」「これさえやっておけば他の子供に遅れない」という安心感を与え、ビジネスチャンスを広げていったのです。

このようなマニュアル化された教育は、自らも大学受験等でマニュアル化された教育を受けていた親にとってはとても親和性があったのです。

早期教育のデメリット

ところが、最近になって強く言われ始めたのが、この早期教育のデメリットです。その主な論旨は以下の通りです。

早期教育は子供の自発的な学習意欲を阻害する

1つは、子供が十分な認識力や判断力を持つ前に、文字や数だけを取り出して、生活の中での実体験を伴った成長と整合しない、概念的な認識のみを獲得させる早期教育は、心身のバランスの整った成長を阻害してしまう、というものです。

特に、多くの幼稚園での基本方針は、子供が興味を持って自発的に学ぶことを促すというものですが、早期教育を受けた「頭でっかちの」子供はその方針の中で浮いてしまい、自発的に学ぶ意欲というものを持つことができなる、という批判です。

早期教育は脳の自然な発達を阻害する

また現代の脳科学の理論では、脳に興奮性の刺激ばかりを与えると、脳の自然な発達が阻害されるという説もあります。

これは、脳は自分の生活行動に即した知覚、意思、運動機能を刺激として与えられることで活性化し成長していくものであり、それに対して特に乳幼児にとって、知育トレーニングやドリルなど生活に根差していない文字や数の情報という刺激は、返って脳の成長を妨げるというものです。

早期教育を受けた子供は義務教育の中で「浮きこぼれる」

またリアルな話としては、その学年で受けるべき学習内容をすでに早期教育で終えてしまっている子供は、学校の授業が退屈になり、学校そのものに興味が持てず、それが高じて友人たちにも興味を持てなくなり、あるいは先生を軽視するなど、結果的に「落ちこぼれ」の反対である「浮きこぼれ」となって、学校での居場所を見つけられなくなる、というデメリットも指摘されています。

自分の望んでいない早期教育をうけてしまうことで、情緒面で弊害が生まれる

そもそも子供は親の愛情を得たいという本能を持っています。

早期教育を受けた子供は、親の愛情と肯定的評価を受けるために、「いい子」として忠実に早期教育を受けるでしょう。

しかしこれによってその子供は、幼小の頃から本音を抑え、親に気に入られることを優先してしまい、その結果自由な感情表現や欲望のセルフコントロールの訓練をする機会を持たないまま成長してしまう可能性があります。

すると、その子供が思春期になったり、社会に出た時に、情緒が健全に発達していないため、

  • いじめる側になったり
  • 人間関係が構築できず不登校になったり
  • あるいは誰しも直面する性の問題に対して健全に対処していけなかったり

ということが発生する懸念があるというものでです。

もしも早期教育を与えようと思うならこれだけは理解しておこう

以上のようなデメリットが指摘されて、現在では2000年ころの早期教育のブームはやや沈静化していますが、それでも英語教育の必要性などは声高に言われており、親としては座視できない部分もあるでしょう。

そうなるとどうしても早期教育を受けさせたいことになるでしょうが、その時にも、以下の点についてはぜひ理解しておきましょう。

早期教育に必要なのは「子供の主体性」

上で書いたように「親の意向」に従った教育は、子供が何を始めるにしてもいい影響を生みません。ですので、まず考えるべき点は「子供の主体性」です。

  • 子供自身が楽しんで、喜んで幼児教室に通っているか。
  • 子供が自主的に教材や宿題に取り組んでいるのか。

といった点については、常に全面的な肯定ではなく、やや疑問を持ちながら観察していくことが重要であり、かつ、早期教育を受ける前段階で、その子供の意思を子供のわかる方法でしっかり確認することが大切です。

早期教育のメリットを生かす

早期教育のデメリットを大きく扱いましたが、メリットもあります。子供に早期教育を受けさせるのであれば、そのメリットを親子ともども、しっかり享受できるようにしていきましょう。たとえば以下のような点です。

早期教育を行うと、親が子供が過ごす時間、親が子供に寄せる関心度合いが圧倒的に増えます。それによって、親子関係のきずなが強まります。

特に、幼児期は母親とのスキンシップや会話が何よりも重要なので、早期教育においてはそれをふんだんに行えるようにしていきましょう。

また、生活の実態に根差していない概念のみの知識だとは言え、早期教育を受けることによって、脳のシナプスという部分の数が増え、それによって脳の力が確実に上がります

脳は3歳までに約8割、6歳までに9割が完成すると言われていますので、幼児期に脳のシナプス増やしておくことは、その後の高い学習能力、思考能力のベースになるはずです。

さらに、育児はどうしても母親と子供の閉鎖的な空間で行われることが多いものです。そんなときに早期教育の幼児教室などに通えば、親子ともども世界が広がり、子供には友達ができて社会性が身につき、母親にはママ友もできてストレスが発散できる、という効果が得られます。

まとめ

いかがですか。

必ずしも全面的に肯定されていないのが、今の早期教育の位置づけですが、親のスタンスを間違わず、そしてそのメリットを生かすように考えれば、必ずしも悪いことばかりではありません。

そのメリットとデメリットをしっかり見極めたうえで、健全に、そして優秀な子供になるように、育児を行っていきましょう。

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