東京、神奈川、あるいは大阪などの都心に住んでいる方はマイカーをお持ちですか?
通勤は電車なので週末の買い物やレジャー、そして長い休暇の時の旅行くらいにしかマイカーは使わないけれど、何となく手放せないという人も多いのではないでしょうか。
しかし、今はカーシェアリングというサービスがかなり浸透してきたことと、レンタカーもサービスレベルを上げて来たこともあり、ただ経済的な理由だけで考えると、選択肢はかなり広がってきています。
そこでここでは、都心での車を利用した生活を、マイカーを維持して行うことと、カーシェアリングやレンタカーの利用などによって対応していくことの、それぞれのメリットとデメリットを比較していきます。
都心でのマイカー所有の実態
まず、都心でマイカーがどのように所有されてるか、という実態を見てみましょう。
都心と地方の1世帯当たりのマイカーの所有台数
まずいわゆる都心である首都圏では以下のような実態です。
東京 | 0.450台 |
神奈川 | 0.725台 |
千葉 | 0.995台 |
埼玉 | 0.995台 |
これに対して1世帯当たりの所有台数が多い都道府県を挙げてみます。
福井 | 1.749台 |
富山 | 1.706台 |
山形 | 1.679台 |
群馬 | 1.648台 |
全国平均 | 1.064台 |
もちろんこれは、マイカー所有にかかる経費の問題と、そして車がないことによって生活の利便性が損なわれるかどうかのバランスの問題が大きいです。よく地方の人は「この辺では、車がないと生活できない」と言いますので、経費が安いから車を所有している、という単純な図式でもないのは事実です。
全国の年代別、未既婚別のマイカー所有率
また、都心のテーマとは若干ずれますが、念のため年代別、未既婚別には以下の所有率になります。
既婚
20代 | 76.7% |
30代~50代 | 86.3% |
60代以上 | 74.9% |
未婚・単身
20代 | 38.0% |
30代~50代 | 59.6% |
60代以上 | 43.4% |
どの年代とも、既婚と未婚の所有率は30%程度の差があります。やはり、家族がいて買い物やレジャーなどの利便性を考えた時には、マイカーはかなり必須のアイテムのようです。
都心でマイカーを所有したときの経済的な負担は?ほかの方法とのコスト比較
さて、それでは都心でマイカーを所有したときにはどの程度のコストがかかるか、ですが、まずかかるコストをざっと挙げてみます。
維持費では、駐車場代/ガソリン代/月極駐車場代などが月額費用でかかります。
また、年1回または2年で1回のコストでは、任意保険代/車検代/自賠責保険代/自動車税などが年間費用でかかります。
これに加えて初期費用として当然購入費のほかに自動車重量税、リサイクル代などがかかり、さらには突発的なメンテナンス代や修理代も必要になるでしょう。
以上のコストを非常に簡便化して、車両代金約140万円の小型車を5年間保有した場合の1か月の費用と、それと同じだけの利用頻度でカーシェアリング、レンタカーを利用した場合の費用を比較してみます。
マイカーの場合
維持費として
車両費 | 23000円 |
車検代・保険料・税金 | 15000円 |
駐車場代 | 30000円 |
ガソリン代 | 3000円 |
任意保険 | 3000円 |
合計約 | 84000円 |
初期費用を月額按分して
自動車取得税(車両価格5%を60ヶ月で割って) | 1200円 |
リサイクル料(10000円を60ヶ月で割って) | 160円 |
合計 | 85360円 |
カーシェアリングの場合
ここでは、カーシェアリングを1ヶ月に6時間の利用を4回、2時間を4回、30分を8回の月36時間利用し、使用合計日数を16日で計算しました。すると単純に時間×単価なので、
合計約27,500円
になります。
レンタカーの場合
レンタカーについては月に6~12時間以内の利用を週1~2回、丸1日の利用を月1回で、合計日数を7日で計算しました。すると、
利用料金 | 40000円 |
会員割引 | -4000円 |
保険 | 8000円 |
ガソリン代 | 3000円 |
合計約 | 51000円 |
と、マイカー所有の場合とそれほど大差がないことがわかりました。
3つの方法とメリット・デメリット
さて、以上の方法で都心で車のある生活を享受した場合、それぞれのメリットとデメリットは何があるでしょうか。
マイカーの場合
メリットは何といっても、
- 使いたい時に使える
- わざわざコインパーキングやレンタカーオフィスに行く必要がない
- 自分の好きな車に乗れる
ということでしょう。また車の種類にもよりますが、所有しているということである種のステータス感などの無形の満足感を得ることもできます。
これに対してデメリットはとにかく費用がかかる、ということです。
上で示したように、月額8万円、外出時の駐車場代も含めれば11万円の出費です。これは、世帯の可処分所得にもよりますが、かなりの負担です。
カーシェアリングの場合
メリットは、まずマイカーと比べた時には費用が圧倒的に安いということです。
さらにレンタカーと比較しても、保険料やガソリン代が不要なので、それに対しても割安です。移動距離、使用時間が短いのであればカーシェアリングのほうがかなりお得ということはいえるでしょう。
デメリットで1番大きいのは、それが可能な運営会社もありますが、基本的に予約ができない、ということでしょう。
使いたい時にパーキングに行ったら先約があって車がなかった、パーキング内での保有台数も少ないので代替もない、ということはよく起こるケースです。また、マイカーと違ってわざわざパーキングまで取りに行き、そして返却しなければならない、という手間が考えられるでしょう。
例えば「カレコ・カーシェアリングクラブ」は首都圏で多く展開しているパーキング「三井のリパーク」でレンタルすることができ、予約はパソコンやスマホからできるので、使いたいときに先約があって車がなかったという心配もありません。
また、1000cc程度の小型車両だけでなくトヨタのアルファードや三菱のデリカなど大型のワンボックスカーやチャイルドシート付きのレンタカーも用意されているので家族で遠方に旅行へ行くときにも困りません。
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レンタカーの場合
メリットはカーシェアリングと同様に、マイカーと比べて若干ですが費用が安いという点です。
カーシェアリングと比べた時には、予約ができ、ある程度は好きなタイプで、かつ家族の人数に合わせた大きな車が選べるという点もあります。
さらには費用も、短距離であればカーシェアリングには負けますが、利用時間と距離によっては逆転する場合もあります。たとえば、12時間以上の使用または300km以上の長距離利用の場合は、レンタカーの方が安くなります。
デメリットもカーシェアリングと同様に、マイカーと比べて利便性が低いということでしょう。ただし予約をすれば最近は自宅まで車を運んでくれたり、あるいは自宅での乗り捨てが可能な会社もあります。
都心でそのほかに車の利便性を享受する方法は
さて、以上のようなメリットとデメリットがあるので、
- 費用だけを考えるならカーシェアリング
- 利便性を考えたらマイカー
ということになりそうですが、ほかに都心で車、あるいは相手の都合であるダイヤに合わせなければならないバスや電車などの公共交通機関を利用しない移動方法はないのでしょうか。
以下に、その可能性のあるものを挙げてみます。
バイクまたは大型スクーター
最近は大型スクーターに2人乗りをして都心を移動している人もよく見かけます。それも方法ですが、原付二種と呼ばれる50cc~124ccのバイクであれば「2人乗り可」「30km/h速度制限なし」「二段階右折無用」という規制なので、コストパフォーマンスと利便性のバランスが取れた自家用の移動手段として利用できます。
ただし、別途小型二輪車以上の免許取得が必要であり、もちろん3人以上での移動には使えません。また雨の日の移動も躊躇するでしょう。これにもメリットとデメリットがあるということです。
駐車場付きの戸建てを購入する
都心でマイカーを持つときに、地方と大きくコストの点で差があるのは駐車場代です。ここでの試算は月3万円にしましたが、より都心部に近い生活利便性の良いエリアの場合は、さらに料金が上がって10万円以上する場合もあります。
その点、3階建ての戸建てが最近では多くなっていますが、1階に狭くても駐車場のある自宅を購入すれば、駐車場代は不要になり、マイカーの維持費が格段に安くなります。
もちろん、車のことをを優先して戸建てを買うというのは本末転倒ですが、検討には値するでしょう。
実家の車を借りる
これは実家が都心にある場合のみですが、実家が所有している車をその都度借りる、という方法もあります。
レンタカーと同じで、持ちに行って返却に行く手間はありますが、何より費用がガソリン代程度しかかからない、というのが魅力です。
駐車場代を考えるとタクシーが結局安い
また「自分で運転する」という観点ではありませんが、タクシーを都度利用する、というのも利用距離によっては費用的に安くなる可能性があります。
仮に月4回都心のデパートに行き、さらに4回病院に通院した場合の想定コストは、3000円×8回×往復=48000円です。
これだけであれば、マイカーやレンタカーとさほど変わりませんが、マイカーやレンタカーの場合はこれ以外にパーキング代がかかります。上記の外出時に毎回パーキングに車を停めた場合は、1回1500円としても追加で12000円がマイカー、レンタカー、カーシェアリングのコストに上乗せされます。
そう考えると、週末のレジャー利用などをしなければ、タクシーが1番コスト的には安いとも言えます。
もちろん、タクシーがすぐに拾えるかという問題もありますが、行きは電話で迎車の予約をし、帰りは繁華街であれば比較的楽につかまえられる、という実態もあります。
まとめ
いかがですか。
都心に住むことは日常的な生活利便性の面では非常に優れていますが、こと車を使って生活をエンジョイするということについては、コスト面でハードルが高いのも事実です。
ここではほかのレンタカーやカーシェアリング、あるいはさらに別の方法もご紹介しましたが、これにもそれぞれメリットとデメリットがあり、それは
- どのような都心生活を送りたいか
- 車にどの程度必要性があるか
によって判断が異なるでしょう。
まずは、上で挙げたメリットとデメリット、そして想定コストを望むライフスタイルと比較したうえで、より良い判断をしてみてください。
(文/丹波りん太郎)