いつになっても年度初めの駅には定期券を求めて学生から社会人までの長蛇の列ができる。昨年、今年と年度末の新百合ケ丘駅ではなんと4時間待ちというニュースも流れていたのは記憶にないだろうか?
年に1度のこととは言え、某アミューズメントパークも真っ青のこれだけの待ち時間を過ごさなくてはならないのは退屈極まりない。なんとか待たずに解決できるのなら解決すべきである。
その解決策とは、もうあなたもお分かりのとおり、ケータイやスマホに定期券を実装してしまう方法である。
今回はおサイフケータイに抵抗があってまだモバイル定期券を導入できずにいる人が知りたい、具体的なメリットとその導入の手順や注意点を見てみよう。
現状はまだモバイルSuica一択
のっけから出鼻をくじくような話で申し訳ないが、ケータイやスマホで定期券を買ったり使ったりするには、今日現在はJRの「モバイルSuica」のアプリをインストールする方法しかないようだ。
したがって、もし定期券を購入したいのなら、JR東日本の駅の圏内で購入しなくてはならない。
私もかつて、一時的にJRに乗らずに地下鉄のみを利用する圏内に引っ越したことがあって、それまで愛用していたモバイルSuica定期券が使えなくなってしまい、非常に不便な思いをしたことがある。ここはPASMOにも早く「モバイルPASMO」を作って欲しいと願うばかりである。
ちなみに、モバイルSuicaを使えば、首都圏のJR東日本圏外の自動改札でも使うことができる(定期券は買えない)。これは一昨年の2013年から、全国で10種類の交通系ICカード(JR西日本のICOCAなど)で、相互利用サービスが開始されたことによるもの。こういう守備範囲の広さはSuica系の最大の強みだ。
最大のメリットは劇的な時間の短縮
モバイルSuicaを使うことまでは分かったが、カードのSuicaよりも一体何が優れているのか。それはずばり劇的な時間の短縮に尽きる。
まず、改札を通過するだけで自動的に金額をチャージできるオートチャージ機能の設定・変更が手元でできること。
カードの場合はいちいち駅前のATMにまで行かなくてはならないが、モバイルSuicaなら自宅でも休憩時間でも数分あればオートチャージ機能の設定・変更ができる。
例えば最近ちょっとSuicaを使いすぎちゃってオートチャージを解除したい時や、1回でチャージする金額を2,000円から3,000円に上げたい時など、ちょっとした設定・変更も思い立った瞬間にすぐできるのは非常にありがたい。
そして忘れてはならないのが定期券をアプリ内で購入できることだ。継続定期券ならば慣れてしまえば1分くらいで定期券購入が完了してしまう。売り場に並べば最悪4時間もかかってしまう定期券購入がたったの1分だ。
唯一面倒だなと感じる点はアプリを立ち上げるたびに、パスワードを手入力してログインしなくてはならない点くらいだろうか。この辺の融通がきかないのにはJRらしさを感じずにはいられない。
注意すべきはクレジットカード選び
モバイルSuicaを利用するにはもちろんクレジットカードを登録する必要があるが、それもできればVIEWカードの登録を必ずおすすめしたい。VIEWカード以外のカードで登録してしまうと、年会費1,030円が取られてしまうからだ。
また、クレジットカードにも年会費がかかるので当然ここは年会費無料のカードをチョイスしたい。どのカードにするべきかについては、JRのウェブサイトから情報を得ることができる。
私は今年までYahoo!カードのSuicaを使っていたのだが、このカードが2015年3月31日に終了してしまい、慌ててビックカメラのSuicaカードに鞍替えした。
クレジットカードで払えば定期券だけで年3,600円分お得
こうしてすべての設定を無事に終えれば、年間の定期券代やICカードで利用した金額がすべてポイントに変わるという美味しい状況ができあがる。
私の使っていたカードは1%のポイントが付くので、私の通勤圏内の30,000円/月ほどで換算すれば、年間で定期券だけでも3,600円分になる。これにそれ以外の利用分が付けば4,000円~5,000円分くらいはいくであろう。