売れないライターをやっていると、お金の代わりに色んなものを得ることができる。
一つは人脈。そしてもう一つが情報だ。
筆者は別に探究心が強い方でもないんだけど、こういう仕事を何年もやっていくうちに、知りたくもないような話も色々と仕入れてしまう。
先日、掃除の代行業の取材をした。
実際にゴミ屋敷に出向いたんだけども、夏場じゃなくて本当に良かったと心から思えるような惨状で、本当にドン引きしたほどだ。
家の中はゴミしかないといった状態で、迎えてくれる依頼者も浮浪者かと思えるぐらい臭い。
ゴミをかきわけていくと10年前の日付の新聞があったり、犬の首輪だけが見つかったり(依頼人曰く、犬は飼った覚えがないとのこと)、まさに混沌であった。
趣旨としては、掃除の代行をしてくれる人々の苦労を記事化するというものだったんだけども、思いもよらず面白い話も聞くことができた。
こちらでちょっと紹介したい。
掃除代行は頼りになる!ただしポカもやらかすことが
掃除代行業者は確かに家を綺麗にしてくれる人々。だが、会社によっては処理が甘いとか、勝手に家の備品を傷つけるなどのダメなところも結構あるようだ。
詳しい話を、当日同行取材した、掃除代行歴6年のGさんに聞いた。
「もともとゴミがしっちゃかめっちゃかの状態の家に入って作業するわけですが、そうすると住人も、家のコンディションについては全く配慮していないんですね。
だからたとえばガラスを割ってしまっても、元々割れていたと言い張ると、それが通っちゃう。
依頼されれば掃除だけじゃなく、壁紙の張替えもするんですが、養生をきちんとしていない業者もあって、そうすると処理がグダグダ。
でも元々家を綺麗にすることに興味がない人たちが依頼することばかりなんで、クレームもないというようなことは、よくあるんです。
もちろん、うちはちゃんとやってますよ。あくまでも同業他社の話です」
実録!依頼者のへそくりをくすねた男
さらに驚くような話もある。
なんと、依頼者の家を掃除している最中に、金目のものをくすねるヤツが過去にいたというのだ。
「これは本当に恥ずかしい話ですが、過去に僕たちの同僚が、依頼人の家で作業中に現金を発見したということがありました。
その際には速やかに報告すなければならないのですが、彼は自分のポケットに入れてしまったんですね。
で、作業終了後に別の同僚が、冗談で自分の使った軍手を、彼のポケットに入れてみたら、引き抜いたときにそのお金が出てきまして。
なんだこれはという話になって発覚したということがありました。
僕ら数人でお客さんの家に行って、1時間20,000円以上って料金でやってますから、雇うコストも高いんです。
なのでお客さんのお金をこれ以上とれないってのが人情じゃないですか。その人情を持ってない人とは仕事できないですよ。
彼は初犯だと言ってましたが、それもちょっと信用できなくなりましたね」
作業の性質上、自分の所有物に無頓着な顧客も多いという。
このため、へそくりをどこかにしまったまま忘れてしまうということも、しばしばあるようだ。
だからと言って、それを勝手に自分のモノにしていい理由はない。この人物は結局その日のうちに解雇した、ということである。
そういえば筆者は、以前特殊清掃の経験者にも話を聞いたことがあった。
この人物も、似たような話をしていた気がする。
もっとも、ほとんどの掃除代行業者はしっかり仕上げてくれるけどね!
筆者なんかは用心深いので、他人を家に上げるというのはなかなか億劫な気になるものだ。
だから誰も家に上げる必要がないように、家もある程度整頓させているし、家電の故障は直接店舗に持ち込む。
こういう警戒心を持っていれば、勝手に家のモノを壊されたり、金をくすねられることもないだろう。
ただ、ここまで書いてみて、まるで掃除代行業者が悪の組織のように思われてしまう可能性にはたと気付いたし、編集部からも当然バッチリツッコミが入った。
そうなのだ。
ほとんどの掃除代行業者は、しっかりと料金分の活躍はしてくれるのだ。
筆者は以前、ダスキンにエアコンの清掃をお願いしたことがある。
この時期はエアコンの継続的な運転が目立つが、そのエアコンのフィルター内の汚れを除去して、効きを良くしたいという思いもあったし、暑い中自分で掃除をする気にもならなかったのだ。
結果的にこの選択は間違いではなかった。
このときは清掃とメンテナンスを完璧にこなしてもらったので、本当に依頼して良かったと思ったものである。
ちゃんと掃除前に壁や床を養生してくれるし。
実績がある業者に委託するのは、やっぱり満足度が高いということなんだろう。
もちろん、今回紹介した事例のように、時には地雷と思えるような業者もある。
だけどそのあたりはネットの口コミを見るなどすれば、ほとんど回避できるに違いない。