2016年7月6日、サマージャンボ宝くじが発売されました。7月29日までの約3週間という短い期間ですが、多くの一流有名人がTVコマーシャルに出演しています。
宝くじというと当選確率が気になるという人も多いと思いますが、ここでは宝くじの宣伝費についてご紹介します。
人気になったテレビCMシリーズ
最近、宝くじのTVコマーシャルはドラマ仕立てのものが増えました。今年は、所ジョージさんと綾野剛さんが出演する『ジャンボリオン』シリーズです。
西暦20XX年の地球を舞台に、地球外生命体の侵略と戦う壮大なSFストーリーとなっています。
天才科学者のジョージ博士(所ジョージさん)が巨大戦闘ロボットのジャンボリオンを開発し、綾野剛さんをはじめした地球防衛団に納品します。
しかし、動かないジャンボリオンに7億円かかったというものです。同シリーズでは、エンジンが別売りで7億円かかるというTVコマーシャルもありました。いずれも、サマージャンボ宝くじが7億円当たるということと掛けています。
また、宝くじと同じく発売されているLOTO7は、巨大企業を舞台にしたドラマ仕立てのTVコマーシャルが盛り上がっています。
こちらは、柳葉敏郎さんと妻夫木聡さんが出演していますが、2014年広告グランプリの第4位になるほどのクオリティでした。このように、話題性の高いTVコマーシャルが多いことが特徴です。
宝くじの宣伝費は200億円以上
毎年、豪華な芸能人が出演する宝くじは、高額な宣伝費が発生しています。宝くじにかかる費用はWEB上でも正式な媒体資料として公開されているのですが、平成21年のデータを例にみると、実は、200億円以上の費用がかかっているそうです。
200億円というと高額なように感じるかもしれません。しかし、驚くことに宝くじの売り上げのうち、3%にも満たない金額となっています。以下、平成21年度の宝くじ売上における具体的な内訳を見てみましょう。
【宝くじ売上における具体的な内訳】
売上総額 | 9875億円 |
地方公共団体からの収益金 | 3944億円 |
売りさばき手数料・当選金支払い手数料 | 759億円 |
印刷・宣伝費 | 669億円(うち普及宣伝費267億円) |
当選者に支払われる当選金 | 4503億円 |
宝くじの収支構造は以上のようになっています。以上のことから考えると、豪華な宣伝と言っても、宝くじの売上全体から見ると大きな金額ではなさそうです。
宝くじ購入が被災地支援にもつながる
宝くじは、当選すれば7億円というビッグチャンスが眠っています。しかし、売上総額が9875億円であることを考えると、当選金額はわずか1%にも満たないのが現実です。
宝くじを普及させるためにかかっている広告費も約3%なので、いかに宝くじがビッグビジネスかがわかると思います。では、宝くじのお金はどこに使われているのでしょうか。
実は、宝くじのお金は公共のために使われていることが多いです。今回のサマージャンボ宝くじの場合、宝くじの収益は先日発生した熊本の大地震に対する被災地支援に使われています。
また、数年前までは東日本大震災の復興支援という名目がありました。具体的には、
- 学校関連再建費
- 被災者住宅再建支援金事業
- その他震災に対する風評被害対策事業
など、被災地を助けるためのさまざまな目的で使用されています。実は、宝くじを購入することは被災地を応援する過程にもつながっているのです。
違った視点で面白さを発見しよう
宝くじとお金というと、基本的には「いくら当たるの?」という点に焦点が当たりがちです。しかし、広告費にかかるお金や宝くじの収益の行先など、さまざまな面白さがあります。
今まで当たり前のように購入していた宝くじですが、今までとは違った面白いポイントが見つかるかもしれません。
「宣伝にはこれくらいお金がかかっているんだな」
「宝くじが被災地支援になるんだな」
と、宝くじを購入するときに意識してみてはいかがでしょうか。
(文/三堂有人)