年収500万円でいくらの家が買える?
年収500万円というとどんなことをイメージしますか?社会人として安定した収入があり、結婚して、貯金もある程度ある……こんなイメージではないでしょうか?
そして次に来るのがマイホームの購入と考える人は多いでしょう。実は年収500万円は今後のライフプランを考える上で1つの節目といえます。そこでここでは年収500万円でいくらの住宅が購入できるかを考えてみます。
購入可能な住宅価格は?
住宅業界では「年収の5倍までの家が買える」と言われています。単純に考えれば、年収500万円であれば2500万円の家が購入できることになります。
ただ、これはあくまでおおざっぱな試算。頭金や住宅ローンの金利などは考慮されていないので、この言葉をうのみにせず、しっかりとした資金プランを立てなければなりません。
住宅購入後のライフプランの中で次に予想される大きな支出が子供の教育費です。これが最大限必要となる時期を基準にして資金プランを立てましょう。まずは、教育費や生活費が5年、10年、15年、20年後にどのくらいかかるか試算してみましょう。
これをせずにギリギリまでローンを組んでしまうと支払いが当然厳しくなります。「嫁さんも働いているから」と考えていても、親の介護などでこの先どうなるかわかりません。
夢のない話のようですが、実は年間2万人の方が住宅ローンが原因で破産に追い込まれているというデータもあるのです。ローンはギャンブルとは違います。目の前に置かれた「夢の城」に飛びつかずに、ゆとりを持った住宅ローンを組みましょう。
返済負担率は何%?
住宅ローンを組む時の目安のひとつに「返済負担率」があります。これは年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合のこと。 要は年収に対して、いくらまで借りられるかということです。一般的には、返済負担率は年収の35%までとされています。
年収500万円の人がギリギリまで借り入れた場合は、
500万円×35%=175万円
となります。
この額はかなり大きいですよね。子供が生まれて大きくなればお稽古代・塾代などの教育費がかなりかかってきます。そんな状態になっても同様の額を支払えるかどうか保証はありません。
「借りられる額」ではなく「返せる額」で!
住宅ローンは「借りられる額」ではなく「返せる額」で算出しましょう。「借りられる」限度額まで借りてしまうと、将来、支出が増えたときに返済がかなり厳しくなります。
住宅購入予算は、自己資金+住宅ローンが基本です。よく「住宅購入にはいったい頭金がいくら必要なの?」と聞かれますが、一般的に住宅購入価格の2割、諸費用を含めて3割が必要です。
住宅を購入するには建物代、土地代以外に諸費用がまとまった金額がかかってくるからです。頭金があれば、ローンの優遇条件を受けることも可能です。
理想をいえば住宅ローンの返済額は年収の20%以下に抑えましょう。年収500万円の20%ですから、年間100万円が住宅ローンの返済に充てられることになります。月々に換算すると約85,000円となります。ちなみに35年ローンで約2,000万円の融資が可能です。
もし親からの贈与などを受けずに自己資金だけで購入する場合、自己資金が
- 500万円なら2500万円
- 1000万円なら3500万円
の住宅が購入できる計算になります。
もし東京23区内に一戸建てを買いたいのであれば、自己資金は5000万円は必要です。自己資金だけではちょっと難しいですね。親から生前贈与を受けるなどのやりくりが必要になります。
ギリギリのローンがいかに危険なのか
住宅ローンはとても夢が大きいようで実はとてもシビアな問題でもあるのです。購入してからわずか5年以内に住宅を手放す方はなんと年間30,000人もいます。
せっかく買ったマイホームを手放し、しかも残ったのは借金だけなんて悲しすぎますね。住宅ローンはマイホームという夢をかなえてくれる魔法のランプではありません。
けれども逆にいえば、地に足のついた綿密なプランを立てれば夢のマイホームを手に入れることができるのです。新築の家や夢の間取りを目の当たりにして舞い上がったりせず、しっかりとした資金プランを立ててくださいね。