色々と思い悩み、思い切って転職を決意。以前の会社に不満や不安があって退職してみたものの、いざ面接の時は素直に志望動機を伝えてもいいのかと考える人は多いようです。
- 面接では新しい分野に挑戦したい。
- さらなるキャリアアップを図りたい。
など耳障りの良い言葉が並びます。変なことは言っていないはずなのに、いつも面接で落ちてしまう。
どんなにいいことを言っても、面接担当者に納得してもらえなければ落ちてしまいます。面接官も何かしら問題があっての転職であることを理解しているのかもしれません。
まず転職に至る中で、
- 本音の転職理由として具体的にどういった内容があるのか
- 採用担当者からどう見えているのか
- 本音で話していいのか
など、実際の事例を踏まえた上で、対応方法についてもご紹介していきます。
【この記事の目次】
転職理由 その1「休みが少ない。残業が多い。」
最初は意欲も十分で勢いもあり、夜遅くまでの残業にも何とか耐えられたものの、少しの無理も1年経ち2年経ちすれば、身も心も徐々に削られ体力も意気込みもすり減っていくものです。
過労が原因でうつ病を発症する方も少なくないそうです。中には、休職を余儀なくされる方も多いと聞きます。休職したところで、また復帰しても擦り減らす毎日、思い切っての転職をするケースです。
転職理由 その2「給与が割に合わない。少ない。」
この仕事に対して今の給与は見合っているのか?もっと自分を評価してくれるところはあるのではないかと考えて転職する方もいるでしょう。
よく転職サイトの広告で目を引く、「年収1000万キャリアアップ図りませんか?」の文字。「隣の芝は青く見える」ではありませんが、誰しも魅力に感じた経験はあるでしょう。
妥当に自分を評価してくれる会社を求めての転職です。
転職理由 その3「会社の将来性が不安」
ここのところ会社の業績が不安定。業績は下がり会社の雰囲気は一向に明るくならないし、活気がない。本当に意味があるのかよく分からない夜遅くまでの会議は意味があるのか、このまま自分はここで頑張って大丈夫なのか?今の会社に期待が持てないという声。こちらも転職される方の声としてよく聞きます。
また、中途入社で優秀な人が入ってきて、どんどん競争は激しくなり出世のポストがどんどん奪われる。自分はこの会社で本当にキャリアアップできるのか?と感じる人も多いようです。
転職理由 その4「人間関係が上手くいかない。」
働く人の中でうつ病患者が増えている原因の多くは人間関係がうまくいかないことが挙げられるようです。人間関係からストレスを感じるケースはいろいろあります。
一番多いのは上司と合わない。「口を挟む間も与えず一方的に怒られ、理不尽に感じるけど、言い返せない。言い返す気力も持てない。」一種パワハラに近いケースも少なくありません。話し合いで解決できるのが一番ですが、なかなかそうもいかないようです。
逆のケースもあります。部下が何度言っても全然いうことを聞いてくれない。上に相談しても自分のマネジメント力が問題だと怒られる。上からも下から板挟み状態で苦しむ方も多いようです。
確かに人を動かすマネジメントスキルが必要で大変ですが、こればっかりは環境を変えただけでは上手くいかないかもしれませんが、心機一転ゼロから良い人間関係を構築したいと考えての転職でしょう。
転職理由 その5「やりたいことができない」
「当初は商品開発の仕事がしたく面接でも伝えたが、“今は席がないから、営業にいってくれ”とのこと。営業は苦手でなかなか結果が出せず。そこで結果を残さないと優秀な人材だと思ってもらえないのでなかなか希望のポストにはつけない。今後興味のある仕事につけるかはわからないので、思い切って転職を。」
と考える方もいるようです。
「採用する側の気持ち」
面接では以上のような理由を率直にいうのは難しいところですね。面接官からしたら、「うちの会社に入っても、すぐ弱音を吐かれてすぐ辞められてしまうのではないだろうか?」と不安になります。
意外に知らない方も多いですが、企業側が採用するにも非常に多くのコストがかかります。まず、毎月求人サイトに広告を載せるだけでも大きな出費です。サイトにもよりますが、月々数万~数十万円と高額な費用がかさみます。
せっかく採用してもすぐ辞めてしまう社員を採用してしまったとなると余計に予算がかさむので、慎重になるのは当然です。
面接官は転職理由からその人の考え方、価値観を見ている
実は、面接官は転職理由を知りたいのではありません。転職理由からその人の考え方、価値観を知りたいのです。転職理由で嘘は言わないようにしましょう。深く追求されれば、浅い考えであることがすぐに分かります。
正直に転職理由はいっても構いませんが、伝える姿勢、伝え方が重要です。どうのように伝えればよいのでしょうか?
「正直に反省する」
前の会社が悪いと言えば、「入ってもすぐ不満を持って辞めてしまうかもしれない」といい評価にはならないでしょう。
「前回の会社では○○なところで失敗しました。この反省を生かして、御社ではしっかり貢献していきたいと思います。」と素直に言いつつも、自分にも非があったと認め、改善する旨伝えれば、悪印象にならず納得も得やすいでしょう。
例えば「人間関係」についていえば、
「以前の会社では上司とのコミュニケーションの行き違いで業務がうまくいかない時があり反省しております。普段からの報告、相談、連絡も含め、コミュニケーションをもっと意識していれば、もっと効率的に業務を進められたのではないかと思っています。今後はその反省を活かしてコミュニケーションについて充分注意して取り組みたいと思います。」
と話せば、信憑性があるかつ前向きな理由で、納得いく答えを得やすくなります。
同じ内容でも伝え方が重要「プラス思考」
重要なのは不満や不安からの転職理由が持つマイナスなイメージをいかにプラスに変換するかです。
例えば、「休みが少ない。残業が多い」という内容も、
「以前の会社では残業することが意欲の表れとして評価されていましたが、これからは結果、実力を重んじる御社でチャレンジしたいと思い、転職を決意しました。」
と伝えるとイメージも良いでしょう。「給与が少ない」という内容も、
「今後はより責任のある仕事にチャレンジしたいと思い、転職を決意しました。」
と伝えれば、年収アップの話に繋げやすいでしょう。
つまり
- プラス思考=前向き
- これからはこうしたい
という内容を前面に押し出すことです。他の理由においても、同様に変換できます。面接の前には本番を想定して、前向きな言葉に変換する練習をしましょう。
おわりに
いくつか転職理由を挙げましたが、それ自体は問題ではなく、その事象を本人はどう受け止めるのかが重要になってきます。
会社に対しての不安や不満は大小問わずよくあることです。そして、会社が変わればゼロになる訳でもありません。これから二度と同じ問題が起きないように、自分なりに前向きに変換し、自分のどこかに非があったのかもしれないと謙虚に考える人に面接官は好印象を抱くようです。
これから転職活動する上で悩むこともあるかと思いますが、プラス思考で有意義な転職にしていただければと思います。
まとめ
- 転職理由は素直に伝えるべきだが、伝え方に注意
- 謙虚に反省する姿勢やプラス志向の視点をも持って伝えるのがえるのが面接官にとって好印象
(文/クラモトマキヤ)