日本人の平均と言われる年収400万円の人が車を購入しようと考えた時、無理なく買える車はどのようなランクになるのでしょうか。気になるローンと合わせて調べました。
【この記事の目次】
年収400万円の場合、200万円程度の車が目安
年収400万円というのは、自分が乗りたい車をある程度選択することが可能ではあります。年収400万円の場合、車に費やせる金額は200万円前後と言われていますが、このランクの車は少なくありません。
普通車を購入するには200万円ならば十分な金額といえますが、大型ミニバンなどが欲しい人には少し足りないかもしれません。
そういった新車価格が300万円の車をどうしても欲しいならば、中古車マーケットをあたってみるという方法もあります。
クルマの維持費
車を購入する際に注意しなければいけないのは、毎年の維持費も結構かかるという点です。車本体の金額だけではなく、維持費も自分の年収で無理なく捻出できるかどうか注意しなければいけません。
普通車を維持するためには
- ガソリン代
- 自動車税
- 駐車場代
- 保険代
- 車検代
などが必要になります。
年間のガソリン代 | 70,000円 |
自動車税 | 39,500円 |
駐車場代 | 240,000円 |
保険代 | 25,000円 |
車検代 | 82,765円 |
として計算すると、毎年約50万円はかかる計算になります。
- 車検は3年または2年に1回
- 保険は任意
- 駐車場代は無料
という場合もあり、必ず50万円かかるというわけではありません。しかし、さらにメンテナンス費用が必要になる場合もあり、毎年50万円と覚悟しておいて間違いはなさそうです。
自動車ローンの限度は160万円
いざ自動車を購入しようとなった際、現金一括支払いという人は少数派で、ほとんどの人が自動車ローンを利用しています。
一般的に融資の限度額は年収の30~40%が上限とされ、自動車ローンも例外ではありません。したがって、年収400万円の人が自動車ローンを組もうとしたら、利用限度額は120~160万円になる計算です。
年収400万円の人に妥当なのは200万円の車と言われていますが、これは全額をローンで賄うという意味ではありません。頭金50万円プラス自動車ローンで購入することができる車ということなのです。もし自動車を購入したいならば、まずは50万円の貯金を目標に頑張りましょう。
ただし、他にカードローンなどの借り入れがある場合には、より少ない自動車ローンしか組めない可能性が高くなります。最悪の場合はマイカーローン不可という事態にもなりかねません。
もし、他のローンを返済中で高額の自動車ローンを組むのが難しいと予想されるならば、よりいっそう頭金のための貯金を用意しておかなければいけないと言えるでしょう。
複数のローンを抱えている場合、返済能力の基準となるのが返済比率です。返済比率とは、年収に対して一年間に返済したローン金額がどれぐらいを占めているのかの比率です。すべてのローンの総合計額で計算されますが、
25~35%の範囲ならば返済可能と判断されます。
たとえば、年収400万円の人がすでに毎月7万円の住宅ローンを返済していたとしましょう。ここにさらに月々5万円のマイカーローンを組もうとすると、返済比率は36%になり、返済可能ラインを越えてしまいます。
住宅ローンを借りているところと同じ金融機関に相談するなどして、住宅ローンとマイカーローンが両立できるプランを立ててもらうというのも一つの方法です。
年収400万円でマイカーローンを利用する際の注意点
自動車は新車の場合、基本的に100万円を超える高額商品です。現金一括払いができる人というのはけっして多くはありません。そこで自動車ローンを利用することになりますが、ディーラーに依頼すると、思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあるので注意しなければいけません。
ディーラーのすすめで自動車ローンを組む人がいれば、ディーラーにはバックマージンが入ります。そのため、ディーラーはより高額の自動車ローンを利用させようとすることが少なくないのです。
高級車ほど最長72回払い、6年ローンなどがあり、毎月の負担額が少なくなることもあってついハイグレード車種に手を伸ばしてしまう人も結構います。
たとえ毎月の支払額が少なくなったとしても、年収400万円の人が200万円以上の車を購入するのはどうしても無理があるのです。
どうしても200万円以上の車を購入したい
年収400万円でも、どうしても200万円以上の車に乗りたいと考える人もいるかもしれません。その場合には頭金をより多く用意するしかありませんが、これを消費者金融カードローンからの融資で賄うという方法も一応はあります。
どうしても利用したいならば、できるだけ金利の低い商品を利用するようにしたいところですが、誰でも手を伸ばしやすいカードローンはどうしても金利が高くなっています。
憧れの高級車を一度は手に入れたものの、結局は手放す羽目に……というようなことにならないように気をつけたいところです。
年収400万円で買える車まとめ
年収400万円で購入できる200万円クラスの車にはどのようなものがあるのでしょうか。
たとえば、
- トヨタならばアクアやカローラ
- ホンダならばフィット
- マツダならばデミオやアクセラ
- 日産のノート
などを購入できる金額です。「高級車」というイメージの強い外車ですが、ルノーのカングーならば十分入手可能です。
少し予算オーバーしてしまいますがエコカー減税などを考慮すればトヨタのプリウスも賢い選択と言えるでしょう。ただし、トヨタのアルファード、ヴェルファイア等の大型ミニバンには少し足りないので、中古車市場にあたるなど何らかの工夫が必要です。
以上のような車種をよりお得に入手したいならば、残価設定ローンを利用するというのも一つの方法です。
購入した自動車の3年後または5年後の下取り価格を引いた金額のローンを組むのです。この場合、自動車の所有者はディーラーとなり、
- 3年後または5年後に同じディーラーから新しいクルマを買う
- ディーラーに自動車を返す
- 自分で買い取る
という3つの選択肢から決断しなくてはいけないなど、ある程度の制約は発生してしまいます。
なかなか3年後、5年後のことを想像するのも難しいものがありますが、信頼できるディーラーと出会えたならば、お願いしてみるというのも悪くないのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。年収400万円でも購入できる車には様々なものがあることがおわかりいただけたでしょうか。逆に言えば、日本人の平均である年収400万円の人をターゲットにした様々な車種が開発されているとも言えます。
そうとは言っても高級車を持つことがステイタスと感じる世代がいるのも事実。確かに10年前には「幼稚園の送り迎えに外車でなければ恥ずかしい」というママもいました。どこの誰がどんな車に乗っているのか目をギラギラさせている人も……。
しかし、そんなママたちも今やすっかり中高年。無理なマイカーローンを組んで立ち行かなくなるという姿もバブル世代には多く見受けられましたが、若い世代ほどこだわりが少なくなっているというのも歴然とした事実です。
200万円台の車は性能もデザインも申し分のないものが少なくありません。車に詳しい人ほど、あえてこのクラスを選択するケースさえ見られます。
他人への見栄ではなく、自分が運転していて本当に気持ちの良い車を選ぶ。無理なく持つことができる愛車を大事にする。そんな車との付き合い方こそスマートだと思いませんか?
(文/川端まり)