村田製作所はインパクトのあるテレビCMなどで企業名こそ知られているものの「何をしている会社かわからない」という声もよく聞かれます。
しかし、じつは電子部品メーカーとしては世界のトップクラスに位置している、海外での知名度も高い企業なのです。
知れば知るほど、私たちの暮らしを様々な技術で支えている村田製作所。気になる業務内容や年収について解説します。
電子部品のトップクラス
1944年に京都の染物工場跡を借りて創業した村田製作所は、もともとは陶器製品を製造する町工場でした。
戦後の混乱期にはラジオの温度補償用コンデンサを開発。唯一の娯楽と情報源だったラジオが一気に普及するきっかけを作るとともに、電子部品のトップクラス企業としての歴史をスタートさせました。
1950年代の食糧難時代には、漁業探知機用の電子部品の開発に成功。漁業大国として歩み始めた日本を影で支えました。
1964年の東京オリンピック目前はカラーテレビが飛ぶように売れました。このカラーテレビに欠かせない高周波・精密セラミックフィルタも、村田製作所が開発したものでした。
1970年代には「自動車電話」と呼ばれていた携帯電話のルーツとも言うべき最先端製品がありましたが、その小型化、ポータブル化も村田製作所の技術があって初めて実現したのです。
1980年代のパソコンの登場、携帯用オーディオ、ホームビデオカメラなどのブーム到来によって、村田製作所は躍進の時を迎えます。
90年代、00年代と小型化、ポータブル化、無線化、高速化とその時々の潮流を電子部品で支え、現在では最先端の製品を幅広く提供する一方で、数万人規模のグローバル企業として成長を遂げました。
平均年収は782万円
有価証券報告書によれば村田製作所の平成27年の平均年収は782万円でした。
- 平成23年654万円
- 平成24年650万円
- 平成25年691万円
- 平成26年726万円
という推移を見てみると、長引く不況の中で右肩上がりの成長を続けていることがわかります。
有価証券報告書や政府発表の各種統計資料からの分析を提供しているサイト「年収ガイド」によれば、平成26年の年収は、上場企業3551社中548位、電気機器268社中52位と、まずまずの上位にランクインしています。
初任給は大卒20.5万円、修士22.8万円
公式サイトによれば2013年4月時点での実績で、大卒初任給は205,500万円、修士228,500円とのことです。これはほぼ全国平均レベルの初任給と言っていいでしょう。
- 完全週休2日制
- 祝日
- 長期休暇
- 年間所定定休日123日
- 初年度18日・最高20日の年次有給休暇
- 自己啓発やボランティアのための特別休暇
などもきちんと整っていて、福利厚生施設も充実しているため、オンとオフを切り替えて働くことが期待できます。
英語を使って活躍したい人に向いている
村田製作所というと理系向けの企業のように考える人も多いでしょう。確かにそのような一面もありますが、文系、とくに英語を使って活躍したいと考えている人にとっても大変魅力的な企業です。
海外の売上比率が高い会社なので、海外で働きたい人や英語力をいかしたい人が活躍できるシーンも数多くあります。とくに商品部はグローバルな部署で、海外の人とかかわる機会も多くなっています。
実際、英語力をアピールして内定を勝ち取った人も少なくないのです。
社内システム開発部の事例
村田製作所では社内システム開発も大事な仕事です。
村田製作所は非常に数多くの商品・部品を製作していますが、その一つ一つに品番がついています。各品番の商品情報、出荷時期などの情報を管理するためのシステムはまさに会社の命綱ともいえるものなのです。
その他、村田製作所にはさまざまな部署がありますが、いずれも女性も大変活躍しています。育休をとるのも当たり前という風土で、子育てと両立しやすい企業と言えそうです。
しかし、課長・部長レベルの女性管理職はほぼ皆無のため、今後の改善が期待されるところです。
(文/木野きのこ)