年収1200万円は妥当?中小企業役員の懐事情

年収を上げたい        2016年04月20日

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中小企業は大企業に比べて年収が少ないと言われています。しかし、そんな中小企業においても、役員ともなるとかなりの高年収を得ていることをご存知でしょうか。中小企業の役員の年収は果たして妥当なのかどうか、考えてみましょう。

中小企業の役員報酬事情

中小企業の役員報酬の平均は、参照するデータによって異なります。まず、国税庁調べの役員報酬について見てみましょう。

資本金2000万円未満の会社に限定すると、男性の平均年収は610.6万円、男女を合わせた平均は529万円です。この金額は、それほど高くないと感じる人も多いのではないでしょうか。

しかし、これはすべての役員報酬に対してなので、実際にはほとんど出勤してこない人や、定額でトラブルがあった時のために在籍している役員などの分まで含まれてしまっている数字なんです。

それでは次に、212社に対して役職別に年収を調べた結果を見てみましょう。これによると、社長の平均月額報酬は138.4万円なので年収1660.8万円、専務は月額99万円で年収1188万円、常務は月額90.7万円で年収1088.4万円という結果が出ています。これに加え、企業によっては別途賞与が支給されています。

役員に対して報酬カットを行っている企業もたくさんありますが、やはり、こうしてみると、中小企業勤めのサラリーマンに比べてかなり高額な年収を得ているという印象があります。

【関連記事】「差額330万円!大企業と中小企業の年収はなぜここまで違う?

役員報酬は責任やリスクの重さに比例

もし、会社に何かトラブルがあった場合、サラリーマンは非常に困ったことになります。賃金カットやリストラに合う可能性もありますし、会社そのものが潰れてしまうことだってあるでしょう。そうなれば、転職を余儀なくされ、雇用保険をもらいながら次の仕事先をさがすことになります。

それでは、役員の場合はどうでしょうか。実は、会社が倒産してしまった場合の役員には、サラリーマンとは比にならないほどの困難が待ち受けているのです。

代表取締役の場合

中小企業の代表取締役は、銀行から会社の運転資金を借りる際に連帯保証人になっていることがよくあります。この状態で会社が潰れてしまうと、銀行は連帯保証人個人に一括での債務返還を求めてくる可能性があるのです。

会社の資金として借りるような額のお金を個人で返すのは現実的に考えて不可能ですから、連帯保証人になっていた役員は自己破産に追い込まれることも少なくありません。

役員の場合

役員であっても同様で、小規模の場合は連帯保証人にならなければいけない場合もあり、また、会社に対する責任も負う必要があります。会社が倒産したからといって、ただ次を探せばいいというわけにはいかないのです。

また、役員は原則として雇用保険に加入することもできません。会社の後始末がすべて終わった後も、雇用保険をもらいながらのんびり次を探すということはできないのです。

中小企業の役員報酬は、このような倒産リスクや会社に対する責任の重さが、そのまま金額に表れているのだと言えるでしょう。

役員に求められるプロ意識と報酬

役員というのは、会社の歯車になるサラリーマンとは全く違います。会社という組織を円滑に動かし、より利益をあげるための経営者が役員なのです。

中小企業の社長の場合、現場仕事を兼務していたり、自ら営業をしていることも少なくないでしょう。しかし、役員の良し悪しは、営業成績や現場での技術力で決まるものではありません。

役員は、会社をより効率よく動かすためにはどのような人員配置をするのが良いかということや、より利益を上げるための戦略はどのようなことか、といった、経営に関する問題のプロフェッショナルであり続ける必要があるのです。

実際の現場仕事もしている社長というのは、こうした経営者としての仕事と、会社を実際に動かす歯車としての仕事の両方をしているということです。重い責任を負い、自分の財産や生活をかけて会社を成功に導いていくのが経営者です。役員報酬がサラリーマンに比べて高額であるのは、それだけ困難な仕事を行っているからに他ならないのです。

(文/平野恵子)

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