昔に比べて働く女性が増えていますよね。さまざまな職種で活躍する女性の姿をみます。男女雇用均等法が作られたことで、女性が働ける分野が広がり、最近では育児休業制度が浸透してきたことにもよるものでしょう。私も同じ女性として、女性が働きやすい世の中というのは嬉しいものです。
しかし男女で収入を比べたときには、平均年収が男性より女性が少ないというのが現状です。
なぜそのようなことになっているのか。女性が収入をアップするにはどのようなことが必要になるのか。ここでは働く女性のために役立つ情報を提供できればと思います。
女性の年収アップは難しい?
働く女性の平均年収を計算したところ、2014年は354万円でした。これは2013年と比べると、30,000円少ない数字です。アベノミクスにより景気回復してきたという話題は耳にしますが、実際に働いている女性にはその恩恵が得られていないというのが現状のようです。
しかし、さまざまな政策により女性が働きやすい環境が整い始めていることも事実。今まで男性ばかりだった職場に女性を積極的に採用している会社も増えています。まだまだこれからというところもありますが、働く女性にとっては期待できる変化です。
平均年収だけをみると女性の年収は伸び悩んでみえますが、すべての女性がそうだとは限りません。中にはスキルを生かしてバリバリ働き収入を増やしている女性もいます。ただ、そういった女性はまだまだ少ないようです。
女性の管理職増加が見込まれる
しかし、スキルを生かして働き、出世している女性も増えてきました。平成元年から比べて、女性管理職は4倍に増えています。しかし全体でみるとまだまだ少ない数字です。女性の管理職は平成24年の時点で、係長クラスでも14.4%。部長クラスとなると全体の4.9%に留まっています。
男性と比べてなぜこんなに少ないのでしょうか。古い考えの上司がいて女性の出世が難しいという会社もあるかもしれませんが、それ以外にもきちんとした原因があります。まずは職種によっては、そもそも働く人の割合で女性が少ないということ。女性自身の出世に対する意欲が弱い傾向にあること。また、結婚や出産による女性の離職率の高さも原因のひとつです。
女性が結婚や出産をきっかけにキャリアアップする前に離職してしまう問題は、育児休暇などの支援が充実することで改善することが見込めます。
同時に、今まで仕事のために出産のタイミングが掴めなかった女性が、制度を利用して出産や育児に意識を向けることでキャリアアップの機会を逃す可能性もあることが指摘されています。どっちを取るか、これは非常に難しい問題です。
本人の希望次第で年収アップは可能
女性の管理職を増やす方針の会社が増えていることは事実です。ですが、女性自身が管理職に対してさほど興味をもっていないケースも多々みられます。「自信がない」「残業代がなくなる」「責任を負いたくない」などの理由からくるようです。
管理職の手当は出世を重ねていけば10万円以上となることもあり、もちろん基本給も上がります。最初の昇進では、収入が増えたことで税率が上がり、手取りが減るということもあります。昇進を重ねていくことで手当てや基本給が増えて、将来的には年収アップに繋がるでしょう。出世に否定的な女性が多いですが、本人のやる気とスキル次第です。
一点注意したいのは、管理職には残業という概念がなくなり残業代が出なくなるということ。当然管理職の手当はつきますが残業を日常的に行っていて収入の多くを占めていた人は、管理職の手当より残業代の方が良かったというケースもみられます。残業が日常化している会社では、昇進がすぐに収入アップに繋がらないことを覚えておく必要があります。肩書きだけの管理職ではなく、それが収入にきちんと反映できる会社が増えていくことも必要です。
働く女性のこれから
能力を生かしてもっと働きたいと意欲の高い女性が、今後もっと輝いて働けるようになれば良いなと思います。政策上は可能になってきたので、今後それが現実になっていくでしょう。
(文/朝水)