誰もが宝くじを買うときに当たることを夢見て、「もし100万円でも当たったらどうする?」と夢物語に花を咲かせます。
確かに1等の金額に比べれば100万円は見劣りしてしまいますが、100万円が当たる確率は0.001%、「100万円でも」と一種の我慢をした妄想ですが、それが叶う確率は相当低いのです。
1等があたる確率は限りなくゼロ
宝くじには01組~100組まで100通りあり、1組あたり100000番~199999番まで10万通りあります。この中に1等はただ1枚です。
つまり確率は1000万分の1、神奈川県民は約1000万人なので、神奈川県に住んでいる0歳以上の人が宝くじを1枚買うと1人だけ1等があたるのです。それほど現実味がない確率、1000万分の1は数学的観点から見るとゼロとみなされるほど低い確率です。
1等は高嶺だったと思ったならば、100万円当たる確率を計算してみましょう。100万円は各組共通で各1枚なので、1等があたる確率より100倍高いものの、10万分の1の確率になります。
宝くじを何枚も買ったら当たる確率があがるのではないかと思いますよね。1枚よりも10枚の方が確かに当たる確率は上がりますが、1枚買ったときに確率が10万分の1の確率では、1000枚(=30万円分)買って100万円が当たる確率はようやく1%になるのです。
100万円があったらどうしますか?
小さい頃「100万円もらったらどうする?」と聞かれたら、いろいろ妄想しませんでしたか?子どもの場合は100万円の使い道、「欲しいもの」がずらずらと出てきましたが、大人になると欲しいものよりも「必要なもの」を考えがちです。
その結果、圧倒的に多いのは「何かあったときのために貯金する」です。
しかし近年は銀行の金利が低いということもあり、「預金する」と言っていた人たちの何割かが「ローン返済に充てる」「投資の資金にする」という選択をしているようです。備えよりも増やすための選択にうつっているようですね。
住宅ローンに充当、つまり繰り上げ返済するという人はどの様な結果になるでしょうか。3000万円、35年ローン(金利1.0%)で計算してみます。
ローン返済開始から1年後に宝くじ(100万円)があたって繰り上げ返済した場合
総返済額:約3,557万円 → 約3,518万円 (‐39万円)ローン返済開始から15年後に宝くじ(100万円)があたって繰り上げ返済した場合
総返済額:約3,557万円 → 約3,535万円 (‐22万円)ローン返済開始から30年後に宝くじ(100万円)があたって繰り上げ返済した場合
総返済額:約3,557万円 → 約3,552万円 (‐5万円)
返済期間は短くなるものの、総返済額から判断すると1年後に返済しても100万円の効果は少々薄いようです。100万円はやめに返したからと言って、利息があるため総返済額が100万円減りません。
実際にシミュレートした結果から分かるように、100万円から39万円のお得と100万円の価値は明らかに激減しています。
100万円を活かすなら投資信託
投資信託はプロが運用するので株など金融商品の知識がない人でも気軽に始められ、株ほどリスクが低くできるという理由で人気です。
さらにいくつかのタイプに分散投資をすればさらにリスクを分散できます。商品によって損益は大きく変わりますが、一般的に長期運用するほど利益が大きくなると言われています。
・日本債券ファンドに3年間投資した場合(過去3年間のデータを元に算出)
1,000,000円 → 1,064,599円(年に1回分配金約10,000円)・日本株式のファンドに3年間投資した場合(過去3年間のデータを元に算出)
1,000,000円 → 987,860円(年に1回分配金約35,000円)
日本株式のファンドに投資した結果、評価額は下がっていますが分配金は高く、さらに住宅ローンほど100万円の価値は下がっていないように思われます。
(文/高橋亮 写真/jointstar / Shutterstock.com)