社会は世知辛い。
そこには不平やら不満が満ち満ちている職場が、想像以上に多いことに面食らうものだ。
中でもこうした状況に晒されがちなのが、派遣社員の人々ではないだろうか。
何故か派遣社員に対して、上から目線で接する正社員というのがいる。
自社が人手不足だから急遽雇用している、いわば貴重なお客様のような人材なのに、外部からやってきた労働力に威張るというのは、端的に言ってダサいのに。
しかし、派遣に対して高圧的で、厳しくあたる正社員。
彼ら自身は一体どれだけ有能な人材なのだろうか。態度に見合うだけの実力を、しっかりと有しているのだろうか。
今回は、派遣への態度が悪い正社員たちのあるあるについて書いていきたいと思う。
皆さんの周りに該当するような人がいないか、確認していただければ幸いだ。
派遣への圧力、萎縮する現場、本末転倒
筆者が以前正社員として勤務していた職場にも、高圧的な正社員や、嫌味なお局様がいた。
案の定、彼らは職場のみんなから嫌われていた。
どちらもその場にいない人の文句で盛り上がるタイプで、関わるとろくなことにならない人間であった。
もっとも、面と向かって文句や嫌がらせを言うタイプではないと思っていたので、気にしなければ受容できる程度の困った人々だと感じていた。
だけど、実際はそうではなかった。
その職場に、派遣社員は入っていたところ、彼らは堂々と本人の目の前で、まだ慣れない作業に手こずる派遣社員を笑いものにしたのだ。
これによって瞬く間に派遣社員は萎縮。職場の雰囲気はかつてないレベルに悪くなってしまったということがあった。
派遣社員を潜在的にバカにする層のせいで、職場全体が居づらい雰囲気になったことは、今思い出しても残念でならない。
弱い立場にしか威張れないのでは?
なぜ派遣に高圧的なのか。
多くの正社員は、きっと職場に派遣されてくる外部からの人材はみな、労働の穴埋めをしてくれる貴重なお客様と感じている。
だから筆者も、たとえ即戦力でなくとも、少なからず大事に思っていることが理解してもらえるように、丁寧に接してきた。
それなのに、普段から問題の多い社員に限って、せっかくやってきた派遣社員を、どうしてバカにできるのだろうか。
このときどうしてもその理由が知りたくて、筆者は性格の悪いお局のおばさんに聞き出したものである。
ところがその理由は、なんとも幼稚で身勝手なものだった。
「自分がいれば仕事は回る」だの「わざわざひよっこを雇うのも無駄」だの、だったらそもそもどうして社長が派遣を雇うと決めたのか、その理由を考えろと言いたくなる内容だった。
結局、理由もよく分からず、なんとなく自分が仕事をできると思い込んでいるからこそ、派遣に辛く当たってしまう。
それだけに過ぎなかったのかもしれない。
あるいは職場で自分は嫌われていることをなんとなく察していて、本心では仕事もさほどできていないことを自覚していたのかもしれない。
そういった焦りを誤魔化すため、派遣という弱い立場に辛く当たった、という部分もあったのかも。
いずれにしても、ゆがんでいる。
職場にはしばしば、自分に自信がないから同僚や部下に辛く当たっているだけの人材はいる。
鬱屈した気持ちは分からないでもないけど、当たり屋みたいな根性は捨ててほしいものだ。
派遣を大事に出来ない社員が会社の寿命を縮める
会社にとって負債は、金銭面だけの話ではない。
人的な負債も、十分に考慮しなくてはならない。
他人を罵り、身勝手で、あまつさえ派遣社員を威圧するような人員は、これこそ人的負債の象徴のような存在だ。
もちろん中には全く仕事ができない派遣もいる。
しかしそうときはガンガンリコールすればいいだけで、いちいち仕事ができないお客様にキレても仕方がない。
派遣を無駄に萎縮させてもいいことはない。怒鳴った途端に劇的に働くようになったヤツなんかいないのだ。
派遣に対して無駄に高圧的な社員は、長い目で見てみれば確実に会社の負債でしかない。そしてそういう社員は、平時から職場全体に、既に今この瞬間も悪影響を及ぼし、イヤな雰囲気を形成している。
もしもあなたの職場に該当する社員がいるのなら、それとなく遠まわしに言動をたしなめてあげるのもいいだろう。
当人のためにもなるし、派遣の立場を助けることにもなる。