貯金2,000万円と言うと条件反射的に「無理!」と、思ってしまう人も多いかもしれません。
しかし、30代で貯金1,000万円ならば十分現実的な話です。そこから2,000万円まで殖やすことができる人とできない人は何が違うのでしょうか?運命の分かれ道について調査しました。
35歳、貯金額は年収×1.5倍
貯金の目標額は年齢によって異なります。まだ働き始めて間もない20代前半ではほぼゼロに等しくても仕方のないことですが、中堅と言われる頃にはある程度の資産を形成しておきたいものです。
一説によれば、35歳時点で年収の1.5倍の貯蓄があることが理想的とか。日本人の平均である年収400万円ならば、最低でも600万円の貯金は欲しいところです。
実際、日本人の平均貯蓄額は700万円とのことですが、なかには2,000万円を越える貯金をしている人も少なくありません。
特別に年収が多いわけではない、普通のサラリーマンでも2,000万円貯金に成功している人もいます。お金の貯まる人・貯まらない人、どの明暗はどこで分かれるのでしょうか?
生活のポイント
「2,000万円も貯めるのはスゴイと思うけど、ケチケチ節約するのはイヤだ」そう考える人もいるでしょう。しかし、貧乏臭い我慢をしなくても2,000万円は十分貯めることができます。ただ、いくつか気をつけなければいけない点があることも事実です。
マイホームを買わない
マイホームを購入する際、ほとんどの人は住宅ローンを利用しています。しかし、たとえば4,000万円の新築住宅をローンで購入したとしたら、ローン金利も含めておよそ3,000万円を浪費しているというのはご存じですか?
マイホームではなく賃貸でも、行き届いた住環境を手に入れることは可能です。どうしても自分の家を手に入れたいならば、現金で買えるまで待つことです。
中古ならば4,000万円で販売されていた家を2,500万円ほどで購入できることもあります。
いるモノ/いらないモノを選ぶ
まず、毎月必ず必要な生命保険料などの固定費をリストアップしましょう。それ以外のモノは変動費、どうしても必要ではない「いらないモノ」に支払っているお金の可能性があります。
たとえば、ビールはどうしても必要なモノではありませんが、毎日2~3本飲む方はこれを発泡酒に変えるだけでも年間5万円近くの節約になるのです。
贅沢の質をワンランク下げる
贅沢には限りがありません。かと言って、潤いのない生活をしていてはストレスもたまり、貯金へのモチベーションも下がりかねません。
そこでおすすめなのが、贅沢の質をワンランク下げるという方法です。
たとえば、家族旅行をハワイではなく箱根にするだけで、何十万円とお金が浮きます。「家族の思い出のために」と、つい無理をしてしまいがちですが、本当に大切なのはどこへ行くかよりも、何をしたかなのではないでしょうか。
30代で貯金1000万円は現実的
あるアンケートによれば、実は30代でも約2割の人がすでに1,000万円の貯金があるとのこと!一方で、貯蓄ゼロの30代も1割ほど存在し、貯金額には大きな格差があることがわかります。
平均的な日本のサラリーマンがコツコツ無理なく貯金をしたとすると、1年間で一世帯あたり100万円というのが妥当なところです。多くても300万円がいいところでしょう。もし、40代で貯金2,000万円を目指すならば、30代で1,000万円を達成しておくことがマストとも言えます。
30代で1,000万円の貯金を作った人の多くは実家暮らしです。
家賃、住宅ローン、光熱費などを自分で賄う必要がないうちに、できるだけ貯蓄をしておくのが正解なのです。実家暮らしならば、生活費などとして給料の半分を渡したとしても、残りは自分の自由に使えます。
散財せずに毎月10万円ほど貯蓄していけば、10年で1,200万円が貯まる計算です。途中で海外旅行などに出かけたとしても、30歳までに1,000万円を貯めることはけっして無理な話ではないと言えるでしょう。
もし、一人暮らしで家賃の高い部屋を借りていたり、自分の車を持っていたりしたら、どんなに生活費を切り詰めても貯金にまでなかなかお金を回すことはできないでしょう。
貯金2000万円をするなら投資が必須
以上のように30歳までに1,000万円を貯めることは条件次第では比較的容易です。しかし、そこから30代のうちに2,000万円まで殖やすのは並大抵のことではありません。ここからは、ある程度の才覚が必要となります。
貯金が1,000万円の大台になると、妙な見栄やプライドも生まれがちです。「あの人よりもいい車に乗りたい」などと、ついローンで高級車を購入してしまう人も。
しかし、それではお金は出ていく一方です。1,000万円の貯金ができたところからの再スタートと心得て、いっそう気持ちを引き締めたいところです。
そうとは言っても、節約だけで貯まるお金にも限界があります。1,000万円の資本ができたら「貯めたお金を殖やす」という気持ちを持つことも大事です。もし、投資で成功すれば1,000万円の貯金を1年で2,000万円にすることも夢ではないのです。
しかし、1,000万円あった貯金が1年でゼロになるリスクもあるのが投資の世界。そういったリスクを承知の上ならば、爆発的に資産を殖やすことができて、なおかつ簡単に取引可能な株式やFX投資にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
いずれにせよハイリターンにはハイリスクが付き物ということは、肝に銘じておいて下さい。
投信積立とは?
「投資をしてみたいけれど、知識も経験もなく不安」という人は投信積立を利用するのもおすすめです。
投信積立とは、毎月自動的に引き落とされる金額の範囲内で、プロが株や債券などを組合せて運用していくという商品です。銀行金利が0.001%という昨今、投信積立の金利は平均して3~5%はあると言われています。
しかし、プロによる運用でも必ずリターンがあるとは限らないという点に注意して下さい。
確かに上手くいくことばかりではない投信積立ですが、長い目で見れば損をすることはないとも言われています。1,000万円の貯金ができたところで「一部を少し金利のいい貯金に回す」ぐらいの感覚ならば、初心者でも無理なく始めることができるのではないでしょうか。
もちろん、より多くの貯金を投信積立に回せば大きく儲けるチャンスも増えます。しかし、それはリスクと表裏一体というのも事実です。どこまで挑戦するか、最後は個人の度量が決めるというところでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。実は1,000万円の貯金というのは、誰でも目指すことができるということはご理解いただけたでしょうか。問題はそこからどう2,000万円まで殖やすのかという点です。
何らかの形で資産を運用しなければいけなくなりますが、その時に注意したいのは「お金が好き」という感覚をためらわずに持とうということです。
お金について話すことは半ばタブー視されている日本社会ですが、お金があって困る人はいません。人をだましてお金を儲けることは間違っていますが、自分の節約や才覚でお金を殖やすことは意地汚くも何ともないことです。
お金はお金のあるところに集まってくるという不思議な習性があります。「お金を呼び寄せる人」になるためには、まず「お金が心から好きな人」であるべきです。
お金を稼ぐためにお金を使い、お金とどんどん引き寄せる循環サイクルを作ってしまえば、半ば2,000万円貯金は成功したのも同然です。ためらいなく「お金を殖やしたい!」という強い気持ちを持ち続けることはとても大切です。
まずは、30歳までに1,000万円を貯金することを目標に、今日からトライしてみませんか?
(文/木野きのこ)