あなたは、生きていく上での不安はあるだろうか。あるとしたら、その解決策について考えてみたことはあるだろうか。
僕は幾つか漠然とした解決しがたい不安を抱えて生きている。そしてこれらの不安を払拭するためには、率直な話かなりの労力を要するであろうことも、分かっている。
こういった生活する上での不安は、例えば家族間のいさかいであるとか、たとえばご近所トラブルとか、まさに千差万別。しかし、ひとつ確かなことは、このような不安を解消するためには、究極的な話をすると、お金さえあればなんとでもなる。
前者の場合はお金を貯めて家を出れば当面のストレスは回避できるし、後者の場合はそんなトラブルのない地域に引っ越せばよい。何はなくとも、この世の悩みのほとんどは、お金さえあれば大抵は解決可能だ。
それに、お金があると人は心に余裕が生まれる。逆に、お金がないと絶えず焦燥感に駆られ、生きているだけで漠然とした不安にさいなまれる。そもそも大昔には、人はお金などなくとも生きていけたが、現在ではお金の大小によって、人の心は満たされもするし、追い詰められるようになっている。
自殺者、年間5万人以上!お金がないからか?
日本国内では、年間の自殺者数は、警察庁の発表によると、おおよそ3万人前後を推移している。相当な数の自殺者が出ていることになるが、国内では遺書を残さずに自殺した場合、変死と判断されるため、実際には3万人よりも多いのではないかと言われてきた。
とかく人が希望を見出せずに自死することがそう珍しいものでもないこの日本では、自殺するまでではないものの、精神的に疲弊してしまう人も少なくない。
現在、メンタルを病んでしまう人が増えている。心の病気、例えばうつ病患者は、今やそこら中に普通に生活している。思うように心と体が動いてくれず、もどかしい思いをする。そして働くことができない状況になり、家族の庇護の下、再起の時を待たなくてはならない日々。この苦しみは、当人にとっては地獄だろう。
しかし、心の病気の原因は、ときに大きな不安であったりするし、その不安の内訳を見ていると、経済的な理由が起因していることもある。こういう人々にとっては、周囲からの慰めの言葉よりも、生活に支障のないほどのお金のほうが、心のビタミンとして役立つんじゃないだろうか。そして自殺。
その原因はさまざまあるものの、経済的に困窮を極めた上で、泣く泣く命を絶つケースもある。これなどはまさに、お金さえあれば自殺せずに済む最たる例だ。
富めば病まず、飢えれば病む。
そもそも、うつ病になる人の多くは、多くの制約の中で真面目に働いていた人々。自殺を考えるほど追い詰められる人というのも、やはりそれなりの収入でなんとかやりくりしてきた人々が多い。
今は未曾有の不景気。お金の不安ほど心を蝕むものはない。そして不景気の時代に、一番割を食うのが一般的な家庭に暮らす国民だ。好景気時代より現在の方が自殺者も増えているのは、極端に言えば、お金さえあれば人生の不安の多くは解消できるということを逆説的に証明している。
その証拠に、世が世なら腹を掻っ捌いてお詫びすべきような汚い不祥事を露見させた政治家センセイなんて、有り余る富があるから反省なんかせず、のうのうと暮らしていける。彼らに自殺しようと思うほど追い詰められる気持ちなど、きっと分かりゃしないのだ。現に富裕層がお金を持ったまま自殺する話なんて、ほとんど目にしない。
富裕層が死ぬ理由なんて、老衰や謀殺のどちらかだろう。金持ちが庶民に比べてうつ病を発症したり自殺する割合が低いのも、当然の話なのだ。
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お金がないだけで可能性を潰される時代
お金がない=欲しいものが買えないという程度のものであれば、誰も病んだりはしない。お金についての不安が年がら年中付きまとっていると、先々についての不安も切り離せない。こういう懸念を日々頭の中に抱えていて、健全な生活なんて送れるはずはない。
お金の不安は心と生命の不安だ。極端な話、私たちは現在、お金がなければまともに人生を謳歌することさえできない世の中で暮らしているというわけだ。
貯金は多いに越したことはない。10万より100万、100万より1000万。せめて1000万円ぐらい常に口座に残していれば、大抵の不安を跳ね除けることはできるはず。
病まず、飢えず、長生きをしたいなら、貧乏では無理だ。そういう生き方をしたい場合は、富裕層になるしかない、世知辛い時代だ。