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男性で育休を取得する人は100人に2人!?その制度と実態を解説!

投稿日:2017年6月17日 更新日:


赤ちゃんが生まれた家庭で、それまでフルタイムで働いていた母親である妻が育休を取得したという家庭はかなり増えていますが、父である夫が取得したという事例はまだ非常に少ないです。

そもそも男性は育休の制度すら理解していない人も多いのではないでしょうか。

さらに理解して取得しようとしたときには、収入の問題だけではなく、職場での上司や部下の理解もなかなか得られず、難しいということが残念ながら日本の実態です。

そこでここでは、まず育休の制度の概要とその取得手続き、そしてその間の収入保障と、取得するうえでの課題についてご紹介します。

そもそも育休とはどういう制度か?

では、まず育休とはどのような制度なのでしょうか。

育児休業はどんな制度?取得条件は?

育休とは正式には「育児休業」と言い、1991年に制定された育児介護休業法に基づいて、子供を養育する労働者が取得できる休業制度のことです。

したがって法律で定められていますので、仮に勤務先に育児休業規定がなくても、条件を満たしていれば取得することが可能であり権利です。それは子供を世話する家族が同居していても、子供が養子でも、取得が可能です。

そして、育児休業は男女関係なく取得できます。

さらには、正社員だけでなく、派遣社員や契約社員といった期間雇用の労働者でも取得の権利は保障されています。ただし、期間雇用の場合は以下の条件に合致していることが条件です。

  • 同一事業主で1年以上働いている(日雇いの場合を除く)
  • 子供が1歳になっても雇用継続が見込まれる
  • 勤務に数が1週間に3日以上
  • 雇用契約の期間が、子供が1歳になったあとさらに1年以上残っていること

育児休業はいつからいつまで取れる?延長は可能?

育児休業は、

  • 女性の場合は出産した翌日から8週間の産後休暇終了の翌日から
  • 男性の場合は子供が誕生した日から、その子供が1歳になる前日まで

取得が可能です。また以下のような方法で延長することもできます。

2009年に育児介護休業法が改正され「パパ、ママ育休プラス制度」といわれる規定ができました。これはパパやママがずらして育児休業を取得すれば、最長子供が1歳2ヵ月になるまで期間を延長できるというものです。

そしてさらに、通常の育児休業は1回限りの取得ですが、この制度では1年間の上限の中で、例えば父親が産後8週間以内に1度取得し、母親の仕事復帰の後に再度取得するなど、分割しての利用が可能です。

さらに、以下のような事情を申請すれば、さらに1歳6ヶ月まで延長することも可能です。

  • 保育所の申し込みをしているが入所できない場合
  • 配偶者の死亡、負傷、病気などの事情で子供を育てることが難しくなった場合

ですので、制度をよく理解して、生活内容に合った形での取得を行いましょう。

育児休業中の給与は出るのか?社会保険料は免除になる?

育児休業は傷病休暇と同じで、その取得期間中は企業は給与の支払い義務はありません。ですので、会社上は無給での休暇になります。

しかし、その補填として代わりに育児休業給付金という制度があります。これは傷病休暇と同様に、雇用保険から給付金が支給される制度です。

気になるその給付金の金額ですが、以下の計算式で算出します。

育休前の日給×休業日数×67%(ただし、休業期間が6ヶ月以降になると50%)

ただし、育児休業に入っても、企業から賃金が月額の80%以上支払われる際には、この給付金は支給されません。

また、育児休業給付金を受給している期間は、健康保険や厚生年金保険は被保険者のままですが、保険料と年金は免除になります。

もちろん被保険者なので、通常通り3割負担で病院にもかかれますし、年金の納付期間にもカウントされます。

育児休業の手続きはいつまでにする必要がある?

ではこのような育児休業制度ですが、取得するにはどのような手続きが必要なのでしょうか。

厚生労働省の規定では、原則として育児休業取得日の1ヶ月前までに勤務先に申し出を行うことになっています。

ただし、早産や病気などのやむを得ない場合は、1週間前までで大丈夫です。書類は勤務先によって書式が異なるので、事前に人事などに確認しておきましょう。

育休を実際にとるうえでのハードルは?

日本の男性の育児休暇取得率は?

厚生労働省の「平成25年度雇用均等基本調査」によれば、女性の育児休業取得者の割合は76.3%で、前年よりも7.3ポイント低下してものの、3/4の人が取得している現状です。

これに対して、男性の育児休業取得者の割合はわずか2.03%です。

ただし、これはたとえ数日でも育休を取得した男性の割合で、月に20日以上取得した「本格的に育児に関わった」男性はさらに減って0.38%です。

このようにまだまだ圧倒的に男性の育休取得率は低い、ほぼ利用されていない、というのが現状です。

上司の理解がない

なぜこのようになぜ男性が育児休業を取得できないかと言えば、これをお読みの男性ならほぼ想像がつくように、もともと「男性に育児に参画する気持ちがない」ことと「育児休業取得に対する職場の理解」がない、というその2つの理由に尽きるでしょう。

特に「女は家事と育児、男は仕事」という価値観を持っている人は、今の育児世代の男性の上司に当たる50代に多く存在します。

ある調査では、育児休業への肯定派が20、30代は7、8割でしたが、50、60代ではほぼ大半が否定派でした。

このような50代が上司にいると、その上司が、部下の男性社員が育児休業を取ったり育児のための短時間勤務やフレックス勤務をしたりすることを妨げる妨げる「パタニティ(=父性)ハラスメント」、略して「パタハラ」というものをしているのも事実です。

この50代は自分自身が、まさに「女は育児と家事、男は仕事」という価値観で仕事にまい進してきたので、そう簡単には意識が変わらないのです。

本人も正当な権利だと考えられない

また同時に男性社員本人の意識としても、育児休業を取得することが、上司だけではなく部下や取引先に対しても申し訳ないと思ったり、あるいは「自分がいなければこの仕事は回らない」という自負があったりすることも、育児休業取得の障害になっていることも実態でしょう。

まだ男性本人も育児休業は正当な権利だという意識が薄いのです。

復帰できるのか

また育児休業を取得してしまうと、その間に自分の仕事がほかの社員に回され、自分の居場所がなくなって、仕事に復帰できないのではないか、という懸念が男性の取得の障害になっている状況もあります。

女性の場合は、育児休業期間の終了が見えてくると、復帰と退職の間で気持ちが揺れ動きます。

実際に平成24年度の雇用均等基本調査では、育休後退職したママの割合は10.2%に上りました。男性の場合は、そのような選択肢は、家計維持の点で少ないでしょうが、しかし自分の会社でのキャリアなどを考えると、育休取得に踏み切れないのも事実です。

妻との育児分担がこれからは大切

とは言え、この少子化の日本で子供を産み、そして育てる、ということは夫婦にとっても重要なことであると同時に、日本にとっても非常に重要なことです。

また、女性の能力を発揮させていき日本の経済発展の片翼を担ってもらうことも、さらに同時に重要です。

ですので、企業を挙げて育児休業取得の受け皿を作り、それを取得した男性にとって不利にならないようなシステムを構築することが今後は重要でしょう。

また、そういう時代にならなければ、日本の将来はないということです。

まとめ

いかがですか。

男性の中では育児休業制度の概要を初めて知った方も多いでしょうが、子供は母親と父親の2人が共同して育てる事業のはずです。

ぜひ、育休を積極的に活用して、子育てに参画しましょう。

(文/丹波りん太郎)

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