私は以前、コーヒーショップで働いていました。そのときオーナーから「自宅でコーヒーを淹れて勉強しなさい」と言われ、毎日のように自宅でコーヒーを淹れていたのですが、いつのまにか習慣となり、今では毎日の楽しみになってしまったという、このしてやられた感。
しかし、部屋いっぱいにコーヒーの香りが漂い、ほっと一息つけるような空間を作れるようになったのは、オーナーのおかげだと感謝しています。
そんな自宅でのコーヒーブレイクですが、ただ楽しむだけではない、節約を考えた習慣だったりするのもオーナーに教えてもらったことのひとつ。「いったいどういうこと?」と思った方、少し読み進めてみてください。
1カ月のコーヒー消費量は28杯!
皆さんは日ごろ、どれだけのコーヒーを飲んでいらっしゃるでしょうか。最近、あらゆるところで見かけるようになったことを考えると、毎日のように飲んでいる人も少なくはなく、なかには「仕事中は手放せない!」という人もいるかもしれません。
全日本コーヒー協会が発表した統計によれば、コーヒーの国内消費量は1カ月あたり約4万トンにも及ぶそうです。
4万トンといっても想像しづらい人が多いと思いますが、一般的な喫茶店で提供されるコーヒーカップ(120cc)で考えると、なんと約34億杯。
これを日本の人口1億2,000万人で単純計算をすれば、1カ月で1人あたり28杯も飲んでいる計算になります。ですから、日本国民はほぼ毎日コーヒーを飲んでいる、といってもウソではないわけです。
カフェより15万円もオトク!
近年、大手コーヒーチェーン店をはじめとしたカフェが大きな成長を遂げており、あらゆるところで見かけるようになりました。例えば、スターバックス、ドトールコーヒー、タリーズコーヒーがその代表です。おそらく皆さんも1回は見かけたことがあるでしょうし、利用した経験のある人もいると思います。
そんな大手コーヒーチェーン店ですが、コーヒーの価格はだいたい300~500円。仮にこのコーヒーを1カ月で28杯飲んだとすれば、約8,000~14,000円かかり、1年間では約10~17万円もかかる計算になります。
この金額に対して安いと考えるか、高いと考えるかは人によって違うと思いますが、サラリーマンの平均お小遣いは約38,000円だといわれており、一般家庭ではかなり痛い出費になるのは間違いありません。
自分でコーヒーを淹れると月1,400円しかかからない?
そこでおすすめしたいのが、自宅でコーヒーを淹れることです。自宅で淹れる場合、コーヒー豆・ドリップ用ペーパーが必要になりますが、それぞれ平均的な値段のものを使えば、1杯あたり約50円で作れるといいます(コーヒー豆200g・600円、ドリップ用ペーパー40枚入り・140円)。
つまり、さきほどと同じ条件で考えると、1カ月あたり1,400円、1年間では約1万7,000円しかかからない計算に!
この費用をカフェの例と比べてみると、その差なんと10分の1程度。年間ではおよそ15万もの違いになります。ちなみに、コンビニや自動販売機で販売されているコーヒーはだいたい100円なので、それと比べても半額ですね。
ついでに言うと、私はこれより少し高い豆とペーパーを使っています。よく通っているコーヒー専門店にある毎月のおすすめを買ってみたり、通販で今まで飲んだことない豆を選んでみたり、それでも月々3000円ぐらいでしょうか。年間3万6,000円の計算になりますが、趣味のひとつと考えるとさほど高いとは感じませんし、むしろ安いのではと思っています。
さて、自宅がコーヒーのいい匂いで満たされたり、リラックスできる空間が作れたり、節約ができたり……、自分でコーヒーを淹れるだけでこんなにもいいことがついてきます。
「趣味はなんですか?」と聞かれたときには、「コーヒーが趣味です」とかっこよく答えられるようにもなれるでしょう。毎日のようにコーヒーを飲んでいる人は、自宅でコーヒーを淹れてみてはいかがでしょうか?
(文/吉松京介・エストリンクス)