日本という国は、地方民に優しくない。
7月下旬になって配信された「ポケモンGO」。みなさんはやってみただろうか。
都心部などでは、モンスターがGPS上のそこかしこに表示されるばかりか、街中にアイテムを手に入れることのできるスポットもよりどりみどりであった。
一方でそれ以外の地域では、雑魚モンスターがチラホラいるばかりで、アイテムは課金しなければ手に入らないバランスになっており、僻地のプレイヤーは悲鳴をあげていた。
地方民はなにかにつけて、こういった不平等を被りやすい。
たとえば、公共交通機関なんてのは、何十年も前から、分かりやすいモデルケースだ。
電車もバスも、日にそう多い便数がない。
乗り遅れると次は30分後、1時間後。果ては数時間待たなくてはならない場合もざらにある。
同じようなことは、空の便にも言える。
格安?せいぜいそれは大都市からの直行便ぐらいでしょ
現在、複数の格安航空会社が好評運行中で、往復でも数千円で済むような激安チケットの存在も珍しくなくなった。
たとえば東京~福岡間では、時期と航空会社にもよるが、片道4,000円程度で移動できることもある。往復で10,000円を切ってお釣りが来るというのは、なんとも魅力的だ。
他にも、東京を基点とする空路は、同じく格安航空会社の目玉商品扱いで、市場規模を考えればかなりお得に活用できることばかりだ。
さすが東京。素晴らしい優遇である。
しかし、その割を食っているのが地方都市である。
ほとんどの格安航空会社の提供するチケットを眺めてみると、地方から地方への移動の場合は、もうほとんど、JALやANAと変わらない価格設定になっている。
僕は実家が九州にある。現在は新潟に住んでいるので、新潟空港から福岡空港まで乗り継ぎなしで移動することができるが、その際のコストはバカにならない。
この航路で適用される格安航空会社の路線は、フジドリームエアラインぐらいのものなんだけど、2ヶ月前に予約して、せいぜい片道13,500円である。
これなら元々存在している航空会社の旅割45などを利用している際の割引価格と変わらない。
格安航空を最大限利用するには、主要空港へ陸路移動を検討すべし
東京など、大都市を基点とする航路は抜群に安くなるのが格安航空会社。
しかし、地方都市から地方都市への移動は、前述のように、格安と言うほど安くはならない。
価格の開きの根本的な理由はさまざまあるが、主要空港間を移動しているかどうかも重要である。
主要空港とは、国内においては札幌、東京、大阪、名古屋、福岡、那覇にある各空港のことだ。
これら主要空港間を移動する場合のみ、格安航空会社の本領が発揮されると考えておけば間違いはないだろう。
たとえば僕が2ヵ月後に実家に帰ろうとした場合、新潟~福岡間の大手航空会社のチケットを手に入れるためには、往復で27,000円ほどのお金を払う必要がある。
もうちょっと安くなると嬉しいんだけど、地方都市の空港から福岡に行く場合は、ある程度の出費は覚悟しなければならない。
しかし抜け道はある。まず主要空港に、陸路で移動するわけだ。バスなら新潟から東京まで、高速を利用して4時間程度かかるが、移動が不可能な距離でもない。
費用も往復で5,000円かかるかかからないかというところだ。
東京に到着したら、そのまま空港に移動し、そこで東京~福岡間の飛行機に搭乗する。これが一番安い。
なぜなら、同時期に新潟~福岡間では片道13,500円だった路線も、東京から福岡に向かう場合は、時期によっても変動するものの、おおよそ5,000~6,000円台で済むからである。
片道分だけでこの差は大きい。
もちろん、移動に要する時間は無駄といえば無駄なんだけど、少しでも節約する場合には、ひとまず主要空港への安い移動手段を見つけておくことは大事かも知れない。
おぼえておきたい格安航空チケットのデメリット
それから、最後に注意点を1つ。
格安航空会社を利用することは、メリットだけが目立つわけでもない。
たとえばキャンセルした際に直面する問題。これは覚えておく必要がある。
主に目立つのが、返金の際に料金の戻ってくるまでの時間がクソ長いということだ。
おおよそ丸々2ヶ月ほどかかる会社も少なくない。
そしてキャンセルの際に戻ってくる金額も、当然キャンセル料が差し引かれているので、満額では戻ってこない。
30%ほどはそのまま航空会社に渡ると覚えておこう。
まあ、そもそもキャンセルするのは利用者の都合。このぐらいのペナルティはしょうがないことだけど……。
(文/松本ミゾレ)