みなさんはスマホ本体の代金はどういう支払いをしていますか?おそらく日本では毎月の利用料とあわせて払っている方が多いのではないでしょうか。
とはいえ、スマホの本体代金は正確な額がわからないものです。だいたいが「月々○○円の支払いが2年間です!」という説明をされ、利用料と一緒にされてしまうのでいくら払っているのかわかりにくくなっています。
そして実際には8~10万円くらいの値段のものが多いです。中には4万円以下で買えるものもありますが、そういった格安スマホは日本ではあまり人気がありませんね。
しかし、もしかしたら5,000円でスマホを購入できるようになるかもしれません。
Googleが開発する自分で組み立てるスマホ
「5,000円のスマホなんて安かろう悪かろうじゃないの?」と普通なら思いますが、5,000円スマホ「Project Ara」を開発しているのは世界でも有数のIT企業であるGoogleです。もちろんGoogleの製品ならすべて信用できるわけではありませんが、十把一絡げのIT企業が作るスマホよりはよっぽどマシなものができあがるでしょう。
そしてこのスマホはモジュール(パーツ)を組み立てるタイプというのが最大の特徴です。
頭の回転が速い方はもう気づいたかもしれませんが、「5,000円のスマホ」というのはこのモジュールを搭載する本体部分が5,000円ということです。つまりまともに使うなら5,000円では足りないことになります。
ここで「じゃあ結局他のスマホと同じ額になるのでしょう?」という懸念が生まれますよね。たしかにその懸念は正しいです。5,000円では使い物にならないでしょう。
しかしこういったモジュール型の端末の真価は「モジュールを交換するだけで最新の機能が使えること」なんです。
モジュール型スマートフォンの利点
モジュール型は丸ごと買い替える必要はありません。新しい機能はモジュール単位で開発され、それを購入し取り付けるだけで最新機能が使えるからです。
そもそもこのモジュール型端末が開発された背景には、「最新のスマホが出るたびに高いお金を払うのはバカらしい」との考えがあります。つまり毎年新しい機種が登場する現状に疑問を投げかけた端末ということですね。
実際に、現在ブランド化しているスマホは毎回大きな変化があるわけではありません。カメラの性能がちょっとアップしたり、電池の容量が少しだけ増えたりといったところです。もちろんCPUやメモリといった細かい部分も向上してはいるのですが、そこまで気にするのは極一部のマニアだけでしょう。
つまり買い替える必要のない部分も含めて買い替えているのが現状です。たしかにバカらしいかもしれません。
モジュール型端末はこれから増える
実はモジュール型の端末は他にも開発されています。それは「BLOCKS」と呼ばれるスマートウォッチです。
このBLOCKSは今までにないスマートウォッチで、文字盤部分がコアとして扱われ、ベルトの金具1つ1つが追加のモジュールとなっているのです。このモジュール部分はSIMカードのスロットやGPS、NFC、追加バッテリーなど様々なタイプがあり、必要なモジュールだけを組み合わせてベルトを組み立てられます。
つまり電子マネー・指紋センサー・追加バッテリーを組み合わせた「おサイフスマートウォッチ」や、心拍数計・GPS・ヘルス系機能を組み合わせた「健康スマートウォッチ」などが作れることになります。なかなか実用的なスマートウォッチではないでしょうか。
丸ごと買い替える時代は終わり?
「Project Ara」や「BLOCKS」といったモジュール型の端末はまだ一部の企業しか開発していませんが、消費者としては普及してほしいですよね。必要なパーツだけを組み合わせて、新しい機能も必要だと思ったものだけを購入する。丸ごと買い替える必要はなくなります。まさに理想のスマホです。
ちなみに現在、「Project Ara」と「BLOCKS」はどちらも開発段階であり、2015年12月現在は手に入れる方法はありません。2016年に発売される可能性が高そうですが、延期されるかもしれません。
今はまだ、買ったらどんな機能を組み合わせるかを考えて楽しみにすることとしましょう。
(文/kaztel)