日々の生活をする中で、ちゃんと家計のやりくりをできているのか不安になることってありませんか?
- ちゃんと収入を得ているはずなのに思うように貯金ができない
- どれくらいの生活費が正解なのか分からない
という声をよく耳にします。
そんな時に気になるのは「他の人はどうしているのだろうか?」ということではないでしょうか。この記事では日本における2人以上の世帯の家計平均(月平均)を具体的に詳しく紹介します。
まずは己を知る!やりくり上手への第一歩
周りの人の家計を知る前に、毎日家計簿をつけることをおすすめします。
家計簿をつけずに、収入に対して給料日前にどれだけお金が残ったかというザックリとした家計管理をされている人が時々いらっしゃいますが、それでは家計の内のどの項目にムダがあるのかが分かりませんし、予算の立てようもありません。
その結果、効果的な節約ができなくなってしまいます。
本当はほんの少しだけ節約すれば給料を増やさなくても家計は成り立つのに、収入を増やそうと躍起になる人もいらっしゃいますが、その前に己を知るために家計簿をつけてみましょう。
みんなはどれくらいやりくりしてる?家計の平均値をご紹介
総務省発表の2016年家計収支の概況(二人以上の世帯)を参考に、家計平均(月平均)と節約方法について一緒に考えて行きましょう。統計によると、二人以上の世帯の平均消費支出は282,188円となっています。
つまり、毎月28万円ちょっとの金額の支出が全国平均なのです。
収入を増やすことも大切かも知れませんが、もしもあなたの家計がこの金額を超えているのであれば、まずは家計の見直しをされてはいかがでしょうか?
《消費支出の平均値》2016年
家計項目 | 支出金額 |
食費 | ¥72,934 |
家賃 | ¥53,594 |
住居(修繕など) | ¥16,679 |
水道光熱費 | ¥21,177 |
家具・家事用品 | ¥10,329 |
被服及び履物 | ¥10,878 |
保健医療 | ¥12,888 |
交通・通信 | ¥39,054 |
教 育 | ¥11,310 |
教養娯楽 | ¥28,159 |
その他 | ¥58,780 |
合計 | ¥282,188 |
(参照元:総務省統計局 2016年家計収支の概況)
食費は意外と外食が多い
では、ここからは家計の項目別に平均値を見て行きましょう。まずは食費の平均は72,934円となっています。内訳は
- 穀類が6,181円
- 魚介類が6,275円
- 肉類が7,235円
- 野菜が8,895円
とバランスが良いですが、
- 外食が11,942円
と突出しています。節約を考える上では、外食の回数を減らすと効果的だということが分かります。
住居費用が1万6千円ってどういうこと?
住居費の平均は16,679円となっています。でもこの金額はものすごく安い気がしませんか?住宅ローンや賃貸で家賃を払っておられる人であれば、この金額はあり得ないと思われるでしょう。
実はこの数字は平均値なので、持ち家でローンも払い終わっていて、家賃がほとんどかからない人も含まれているので、低い数字となってしまいます。
もしも住宅費用が別途かかっている場合は、その分を上乗せして計算すると良いでしょう。
水道光熱費のトップは電気代
水道光熱費の平均は21,177円です。
この中で最も費用がかかっているのは電気代で、その金額は10,100円と半分以上を占めています。
- 残りがガス代の4,897円
- 水道代が5,178円
- その他の光熱費が1,001円
です。節約で最初に手を付けたいのが電気代だということがお分かりいただけるでしょう。
光熱費を節約するポイントは、なるべく家族が同じ部屋にいるように工夫することや、クレジットカードでポイントを貯めながら支払いをすると効果的です。
家具家事用品は目に見えない出費に油断禁物
家具や家事用品の支出は10,329円です。この項目は家庭用耐久品や内装装飾品、寝具や家事雑貨や日用品など、多くの項目に分けられています。いずれも消費金額は低額のため、油断していると積み重ねで費用がかさむという項目となっています。
節約の観点からは、小さい買い物も積み重ねると大きな金額と成り得るので、不要なものは安くても買わない心構えが大切です。日用品費を抑えるにはしっかりとした自己管理法を持っておきましょう。
みんなオシャレにいくら使っている?
服や履物の消費支出の平均は10,878円です。
- 最も多いのが洋服の4,225円
- 次いでシャツやセーターが2,282円
- 履物は1,547円と比較的安価です。
服にかける費用は電気代と同程度なので、二人世帯以上のご家庭ではオシャレにお金をかけるよりも、しっかりと節約されているという印象を受けます。
気になる医療費の平均はズバリ!
保険・医療には毎月12,888円かかっているようです。内訳で最も多いのは保険・医療サービスの7,142円で、医薬品2,393円の3倍にのぼります。薬の利用よりも医療サービスを利用が多いという現実が見て取れます。
医療にかかる費用を家計の予算に含んでいる人は少ないと思いますが、臨時出費とならないように、予め予算かしておくのも良いかも知れませんね。
通信費よりも高い車関連費用
交通通信費は39,054円と、家計の中でも多くの割合を占めています。特に自動車関係の費用は20,648円で、通信費の13,120円を大きく上回りますので、車を持つかどうかによって家計への負担割合は大きく変わります。
車は車検や自動車税、自動車保険の保険料など、大きな維持費がかかります。あまり乗らない人であれば、公共交通を利用した方が安くならないか、計算してみることをおすすめします。
大事なお子さんのためにしっかり確保したい教育費
教育費用は11,310円が平均となっています。大半が授業料にかかっており、その内訳金額は8,588円となります。
お子さんが高校や大学に入学する時にはまとまったお金が必要となりますので、学資保険や定期預金などで早めに準備しておくと良いでしょう。
教養娯楽はモノよりもサービス
教養娯楽には28,159円と、消費支出の中ではかなり大きな割合を占めています。特徴的なのが、娯楽用品の6,111円に対して、娯楽サービスの利用が16,834円となっており、モノよりもサービスの利用が多いようです。
節約をするためには、お金のかからない娯楽を見つけた人ほど節約がうまく行くというのが、この数字から見て取れます。
交際費よりも高くつく雑費
統計の項目にある「その他」の項目には、雑費や使途不明金、交際費などが含まれます。節約の話しになった場合に「交際費が多い」とおっしゃる人が多いように、20,903円が交際費の平均値となっています。
必要な付き合いにポイントを絞ることは節約の面で有益ですし、時間の浪費にならないという面でも考えたいことかも知れませんね。
結局貯金はいくらできるのか?平均収入をリサーチ
282,188円が消費支出の平均だと紹介しましたが、逆に収入の平均はいくらなのでしょうか?国税庁民間給与実態統計調査結果(平成26年)によると、平均年収は415万円となっています。月割すると34万5千円となります。
単純計算の目安ではありますが、平均年収から消費支出の平均値を引くと6万円ほど残りますので、毎月6万円程度は貯金に回したいところです。少しでもこの金額が増えるように上手にやりくりしましょう。
まとめ
やりくり上手になるためには、まずは家計簿をつけてあなたのご家庭の家計を知り、しっかりとした管理方法でやりくりする必要があります。ちゃんとやりくりできているかの評価基準の目安として、日本の家計の平均値を紹介させていただきました。
もちろん、それぞれのご家庭ごとにいろいろな事情があるでしょうから、あくまでも参考値ではありますが、これを参考にご自身で基準値を設けていただければいかがでしょうか?
(文/田中英哉)